【第1章無料】 電子書籍 第81弾 やりたいことを見つける方法~やりたいことから価値を生み出すことができる~

はじめに

 「自分のやりたいことが、分からない」ということで、悩んでいる人は多いのです。この悩みは、過去の時代は無かったのです。なぜなら、過去の時代はやりたいことができる時代ではなかったからです。

 今の時代になって、「やりたいことが、分からない」という悩みが出てきたのです。過去の価値観に染まっている人には、この悩みが理解できないのですが、悩んでいる人にとっては深刻なのです。なぜなら、やりたいことが分からないことで、先が見えなくて、前に進めないからです。

 過去の時代は価値観が一律だったのですが、今の時代は価値観が多様化されています。一人が一つの価値観を持つくらいに多様化されているので、やりたいことが分からないというのが、深刻なのです。一律の価値観であれば、他の人を見て、その価値観に合わせていけばいいのですが、他の人の価値観に合わせて、何とかなる時代ではないのです。

 過去の歴史上、最も価値観が多様化されているのが、今の時代です。それだけ自由になった時代であり、物質的にも恵まれた時代であるということです。なので、人類歴史上、誰も感じたことがない時代であるので、過去の事例からでは、今の時代の悩みは解決できないのです。

 時代が変わっても、引き継がれている教えは多いのですが、その教えだけでは、今の時代、これからの時代の問題を解くことはできません。「やりたいことが分からない」という悩みだけに限らず、今の時代の悩み、問題は「本来あるべき姿」から見ていかないと、解決ができないのです。

 「やりたいことが分からない」ということを、深刻に悩むというのは、「本来のあるべき姿」というのを、漠然とながらでも求めているからなのです。過去の時代は、生きていくだけで精一杯の時代であってので、やりたいことを求める余裕がなかったのですが、今は、ただ生きるだけであれば、保障されている時代であるので、やりたいことが分からないことに対して深刻なのです。

 それだけ、本質的な時代になったということです。時代の流れは、本質的な方向に進んでいて、本来あるべき姿の方向に進んでいます。なので、これからさらに「自分のやりたいことが、分からない」ということで、悩む人が増えてきます。本質を求める人が増えてくればくるほど、本質的な悩みも増えてくるのです。

 本書は、「やりたいことを見つける方法」ということで、あなたがやりたいことが見つけられるような、ヒントをお伝えします。ただ、あくまでもヒントであるということです。あなたのやりたいことの答えは、世界中のどこにもありません。あなたの中にしか、その答えはないのです。どんな知識、情報でも答えではないのです。答えを見い出すヒントにすぎないのです。

 やりたいことを見つけることができれば、自分の才能を活かすことができ、その才能から価値を生みだすことができます。今の時代は、価値を生み出して、提供する時代です。価値を生み出せる人が、今の時代に求められているのです。誰にでも、価値を生み出せる能力は持っているので、その能力を発揮することができれば、今の時代に合わせることができ、求められている人財になることができます。

2018年9月 安田 悌

目次

はじめに

第1章 やりたいことをやらないといけない理由
・やりたいことをやるべき時代
・やりたいことをやらないと、価値を生み出せない
・答えを自分で見い出す時代
・仕事が減る時代
・仕事を娯楽にする時代
・「CtoC」ビジネス時代
・心理的な自由を感じれる時代
・本来あるべき姿に向かっている時代
・チャンスが多いから簡単ではない

第2章 やりたいことが見つからなくて、深刻に悩んでいる人が多い
・やりたいことは自分の良心が知っている
・良心に尋ねる方法
・退屈地獄
・目指すことがないと流される

第3章 やりたいことが見つからない原因
・やりたいことを否定されてきた
・過去の価値観を否定する
・真面目な人は自己投資に、罪悪感を感じてしまう

第4章 やりたいことは必ず見つかる
・主体的に求め続ける
・1日1回求める習慣
・失敗に対する恐怖を越える
・外に答えを求めない
・3時間ワーク
・無駄のような学びを徹底的にする
・悩んだ分、深く根が張る

第5章 やりたいことでなければ努力はできない
・やりたいことを見つけるための努力
・やりたいことが成長につながる
・他の人と比べない
・やりたいことが見つからなくても焦らない
・流されるようには生きてはいけない

第6章 価値を生み出す能力
・子供にはやりたいことをさせる
・経験、体験を優先させる
・没頭できることは極めることができる
・究極の利己主義から価値が生み出される
・脳の仕組みは皆同じ
・誰でも価値を生み出すことができる
・やりたいことをやっている人は疲れない
・もし、何の制限も無ければ何をするか?

おわりに

第1章 やりたいことをやらないといけない理由

やりたいことをやらないと時代の変化に対応できない。

なので、やりたいことが分からないのは、深刻な問題なのである。

 ・やりたいことをやるべき時代 

 「やりたいことをやるべき時代」というと、抵抗感を感じる人もいますが、今の時代は過去の時代の延長線上ではないのです。時代というのは、必然的に変化していきます。変化をする時というのは、過去に信じてきたことが否定され、全く逆の価値観が出てくる時なのです。

 過去の時代に「やりたいことをやる」と言うと、白い目で見られて、「何を言ってるんだ」と全否定されていました。それでも、自分のやりたいことを貫き通した人がいるのですが、ある意味、時代に逆らった人であるので、ごく一部の人しかいないのです。例えば、スポーツ選手は自分のやりたいことをやって、多くの人に夢を与えています。

 スポーツをやらなくても、見なくても、生きていくには何の支障もありません。ただ、生きていくだけであれば、スポーツ観戦ほど無駄なことはないし、贅沢なことはないのです。戦後間もない時代で、生きていくのも大変な時代であっても、スポーツ観戦があったのですが、そんな時代であっても、自分のやりたいことを貫き通した人がいたので、夢を与える人がいたのです。

 なので、過去の時代でも、ごく一部の人はやりたいことをやっていたのです。いくらやいたいことであっても、苦しいこともあるし、辛いこともあるのです。まして、勝負の世界はリスクが高いし、保障が小さいので、やりたいことでなければ、続けることはできないのです。

 今の時代は、ごく一部の人だけではなく、誰もがやりたいことができる時代になっています。ただ、あまりに情報が多すぎるので、何がやりたいのかが、分からなくなっている人が多いのです。価値観が多様化されることで、自分のやりたいことが見えなくなっているのです。その中でやりたいことを見つけるのは、簡単ではないのですが、今の時代はやりたいことをやるべき時代なのです。

 強制的な言い方をすれば、やりたいことをやらないといけない時代だということです。今までやりたいことを否定されてきた人にとっては、今の時代の恩恵を感じられるのですが、逆に今まで否定されてきたが故に、切り替えができない人が多いのです。「今さら、やりたいことを見つける」ということに、抵抗感を感じてしまうのです。

 ・やりたいことをやらないと、価値を生み出せない

 今の時代は、価値を生み出して、価値を提供する時代です。価値を生み出せない人は、提供するものがないので、生きにくくなります。価値を生み出すには、やりたいことをやらないと生み出すことはできません。

 価値というのは「希少性」なのです。つまり、珍しいものに価値があるのですが、珍しいものを生み出すことが、価値を生み出すということです。人それぞれで個性が全く違うので、どんな人でも珍しいものを生み出す力があります。同じ分野で、他の人と真似をしていても必ずズレるようになるのです。

 やりたいことをやらないと、極めることができないので、価値を生み出すことができません。他の人と同じレベル、もしくは低いレベルでは価値は感じられないのです。夢を実現するというのは、新しい価値を生み出すということなのです。新しい価値を生み出すには、実力が必要なのです。

 誰でもできることというのには、価値はありません。その人にしかできないことに、希少性があり、価値があるのです。なので、「やりたことがない、分からない」というのは、価値を生み出せないということです。だからこそ、無意識にやりたいことが分からないことに、深刻さを感じている人がいるのです。

 多くの人は時代が変わっていることを、何となくでも感じています。過去の価値観が通用しなくなり、新しい時代に合わせていくべきだということも、何となくでも感じているのですが、変化し続けていることに、どう対応していいのかが分からないのです。時代の変化を敏感に察知している人は、迷うことなく新しい時代に合わせようとしていますが、周りの環境に合わせてしまう人は、今の時代の変化に気づいても、何も対応できずにいます。

 早かれ遅かれ、時代は必然的に変わっていきます。新しい時代に合わせるしかないのです。「やりたいことをやる」という考え方が当たり前になり、常識になっていきますが、やりたいことを極めるには、時間が必要なので、時代が変わってから極めようとするのではなく、早めに気づいて、新しい時代の準備をしてしまった方がいいのです。

・答えを自分で見い出す時代 

 過去の時代は、答えがあったのです。過去の価値観は「良い学校に行って、良い会社に就職をして、安心安定を得る」というのが、ごく普通の人の価値観であったのです。その価値観の通りのことが、実現できる時代であったのです。

 ただ、今の時代は答えがありません。答えは自分で見い出さないとないのです。私たちが受けてきた教育は、一つの答えに辿りつくような教育であったので、唯一の答えを求める思考になっています。学校では一つの答えしかないのですが、社会には無限の答えがあるのです。そして、答えが増え続けているのです。

 共通の答えがあるとしたら、「やりたいことをやる」というのが、共通の答えなのですが、その答えは一人一人違う答えなのです。与えられた答えであれば、覚えればいいのですが、自ら答えを見い出すとなると、「覚える」という考え方ではなく、「思考をする」という考え方が必要になります。

 とくに今は、「頭脳労働時代」なのです。身体を使う時代ではなく、頭を使う時代であるので、最も過酷な労働をしている時代であるのです。多くの人は、肉体労働の方が過酷だと思っていますが、頭脳労働の方が過酷なのです。なぜなら、頭脳労働というのは、答えを生み出す労働であるので、単純な労働ではないからです。

 その過酷な労働が今の時代に求められているのです。単純な労働を繰り返しやっていても、何の価値も生み出せないのです。価値がない労働は、必然的に自動化、ロボット化されるようになるので、価値を生み出せる頭脳労働ができるようになる、必要があります。時代が進むことで、価値を生み出せない人は、労働ができなくなります。

 過去の時代は、ごく一部の人が価値を生み出していたのですが、今の時代、これからの時代は誰もが価値を生み出すべき時代なのです。価値を生み出すには、答えを自分で見い出す力が必要なのです。答えを探す力ではなく、自分の中から生み出していく力を身につけることで、今の時代に求められる人財になることができるのです。

 時代が変化すればするほど、答えも変化していきます。変化が早い今の時代は、答えの変化にも敏感になっておかないと、知らず知らずのうちに時代遅れになってしまいます。

・仕事が減る時代 

 これから既存の仕事は、どんどん減っていきます。同時に新しい仕事が生み出されてきます。今までの仕事は、自動化、ロボット化されて、人にしかできないことが求められてくるようになるのです。

 AI(人工知能)が身近になれば、AIが効率よく仕事をするようになるのです。AIを上手く使いこなせるようになれば、そこから新しい価値を生み出すことができるのですが、AIが使えないとなると、仕事ができなくなるのです。これから生み出される新しい仕事は、現時点では分からないのです。

 今の子供たちが将来やる仕事は、65%は今存在していない仕事になるのです。なので、既存の仕事は跡形もなく無くなるということです。これを「AIの脅威」と捉える人もいますが、どんなに脅威を感じても、時代の変化は誰にも止めることはできないのです。なぜなら、日本だけの問題ではないからです。いくら日本の現状が、少子高齢化だとしても、世界は人口が増え続けているので、世界の動きに合わせていくしかないのです。

 仕事が減るというのは、会社がいらなくなるということです。会社の中でも、中間管理職がいらなくなるということです。あまりも無駄が多いのが、中間管理職であり、会社と会社の間にある中小企業なのです。無駄な中間管理職や会社が減っていけば、効率を上げることができ、より価値を生み出すことができるのです。

 無駄が増えたのは「おいしい」ところばかりを、持っていこうとする人が多いからです。あまりにも派遣会社が増え過ぎてしまって、中には派遣の派遣という会社のつながりもああるのです。無駄が増え続けてきたのですが、その無駄が削ぎ落とされる時代になっていきます。

 残る会社は、価値を生み出し続けることができる会社であり、人にしかできないことをやっている会社です。なので、今までは起業するよりも、就職することの方がリスクが低かったのですが、これからは、就職することの方がリスクが高くなります。なので、やりたいことをやるべきなのです。なぜなら、やりたいことを極めることで、価値を生み出すことができるからです。

・仕事を娯楽にする時代 

 「仕事」というと、「大変」「辛い」「我慢が必要」という印象を持っている人が多いのですが、これからの時代は、趣味なのか、仕事なのかが分からない時代になっていきます。夢中になっていることが、そのまま仕事になるということです。

 やりたいことがそのまま仕事になれば、仕事という感じではなく娯楽になります。娯楽になれば、夢中になれるし、没頭することができるので、極めることができるのです。今までは、仕事に合わせて苦痛を感じる時代であったのですが、これからの時代は、仕事を娯楽にする時代になっていきます。

 真面目な教育を受けてきた人は「仕事なんだから、辛いのは当たり前」という、教育を受けてきたのですが、その辛い仕事はどんどん減っていきます。逆に娯楽を感じられる仕事が増えていくのです。やりたいことを、仕事にすることができれば、何時間も働きたくなるのです。本当の働き方改革というのは、労働時間を減らすことではなく、誰もが生き生きと仕事をすることであるのです。

 どちらにしても、仕事は減っていくので、新しい仕事を生み出すしかないのです。なので、やりたいことをやるべきなのです。やりたいことをやらないと、何もやることがなくなってしまうのです。「何もやることがない」という苦痛は、忙しい苦痛よりも大きいのです。何の生きがいも感じられないので、空しさばかりを感じるようになるのです。

 子供がゲームに夢中になれば、寝食を忘れて夢中になります。この夢中さが仕事になれば、寝食を忘れて仕事をしても、疲れないのです。それこそ、休みもいらないし、曜日も時間も関係なく、仕事に没頭することができるのです。仕事をするというのは、必ず「お客さん」がいます。そのお客さんというのは、お金を払ってくれる人なのです。

 そのお金を払ってくれる人に、価値の提供をしていくのが仕事なのですが、仕事に苦痛を感じながらでは、価値の提供はできません。今までの仕事には無理があったのです。苦痛を感じながら、価値の提供をしていたので、仕事のストレスを感じ、ひどくなると鬱病になる人もいるのです。

 仕事が娯楽になれば、どんなに仕事をしても苦痛を感じないし、仕事をすればするほど、ストレスが解消されていくので、ストレスを発散する必要がなくなるのです。

・「CtoC」ビジネス時代 

 今までのビジネスは「BtoB」もしくは「BtoC」であったのですが、今は「CtoC」が成立している時代です。「BtoB」とは、会社同士の取引であり、「BtoC」とは会社と顧客の取引なのですが、「CtoC」とは、個人同士の取引になります。

 つまり、会社を経由しなくても、ビジネスができるということです。すでに「メルカリ」では、「CtoC」ビジネスを提供しています。個人で価値を生み出して、個人に価値を提供できる時代だということです。しかも、インターネットであるので、国を越えてのビジネスが成立しているのです。

 なので、やりたいことやって、価値を生み出すことが必要なのです。価値を生み出すことができれば、誰でもビジネスを成立させることができるのです。今は個人が最も強い時代なのです。なぜなら、何のしがらみもないし、小回りが利くので、いつでも始められるし。いつでもやめることができるからです。

 会社が大きくなればなるほど、面倒なしがらみが増えてくるし、小回りが利かなくなるし、出来上がった仕組みを壊せなくなるので、悪化し始めると会社が大変になっていくのです。今は、大企業の倒産は珍しくないのです。まして、中小企業であれば、悪化し始めたら、余力がない分、早く倒産に追い込まれる可能性があるのです。

 なので、就職することの方がリスクが高いのです。社員には会社の本当の内部状況は分からないので、ある日、突然、倒産するということもあり得るのです。時代の流れは「CtoC」ビジネスの方向に流れていますので、個人で価値を生み出せる実力が必要になっていきます。

 「CtoC」ビジネスを極めることができれば、仕事に困ることはなくなります。どんなことでも仕事にすることができて、誰でも国を越えたビジネスを成立させることができるのです。インターネットがない時代では不可能であったのですが、インターネットによって、「CtoC」ビジネスが当たり前にできるようになりました。

 個人で価値を生み出して、価値の提供をするためには、やりたいことをやる必要があるということです。

・心理的な自由を感じれる時代 

 どんな人でも、自由を求めています。ただ、自由には責任が伴なうので、その責任を負いたくないので、自由になることを諦めてしまうのです。責任を負ってまで、自由になりたいとは思わないのです。

 ただ今は、最も自由になれる時代なのです。同時に自己責任が問われる時代でもあるのです。自己責任は今の時代になってから、出てきた言葉ではなく、元々どんな人にもあるものなのです。同時に自由も今の時代だから得られるのではなく、元々全ての人は自由であるべきなのです。

 自由といっても、私たちは時間と空間の制限からは逃れることはできないし、今の環境や状況を極端に変えることはできないのです。自由というのは、心理的に感じることなのです。心理的に自由を感じることで、自由な発想ができるようになり、その発想から新しい価値を生み出すことができるのです。

 新しい価値を生み出す人というのは、心理的な自由を感じています。何かに縛られている窮屈な状態では、新しい発想はできないのです。今の時代に最も求められているのは、「創造力」なのです。創造力はある人というのは、色々な観点から考えることができ、自由な発想ができるのです。

 創造力は誰にでもある能力なのです。もし、全ての人が自分の創造力を発揮することができたら、今の科学技術以上の世の中になっていたのです。今の時代でも、ごく一部の人しか、創造力を発揮していないのです。持っている能力を発揮できていない人が、圧倒的に多いので、科学面でも、心理面でもまだまだ解決されていないことがあるのです。

 やりたいことをやるためには、心理的な自由が必要です。たとえ、制限があったとしても、心理的な自由を感じることで、やりたいことに集中することができるのです。今は、過去の時代のように縛られていては、身動きが取れなくなってしまうのです。身動きが取れなくなってしまうと、新しい発想ができなくなるので、何も創造することができなくなります。心理的な自由を感じられる時代に、自由を感じられないとなると、過去の時代以上に窮屈さを感じるようになってしまいます。

・本来あるべき姿に向かっている時代

 時代が進んでいる方向は、「本来あるべき姿」の方向に進んでいます。なので、今の時代の問題というのは、過去の事例からでは解決できない問題ばかりなのです。「本来あるべき姿」を先に描いて、現実とのギャップを埋めていくというのが、今の時代の問題解決法になるのです。

 「未来は今よりも良くなる」というのは、真実なのです。過去の時代よりも、今の時代の方が確実に良くなっているので、これからの未来は、今の時代よりも確実に良くなっていくのです。ただ、今は時代の転換期であるので、過去の価値観と新しい価値観の狭間で混沌としているので、未来が今よりも良くなることが信じられないのです。

 希望というのは、未来に描くことなので、未来が良くなることを信じられない人は、希望を持つことはできないのです。「本来あるべき姿」というのは、希望中の希望になるのですが、その希望を感じられていない人が多いのです。なぜなら、時代が進んでいる方向が見えていないからです。

 時代が進むことで、科学技術は益々進展していくのですが、どんな時代が来たとしても、人の本質は変わりません。より便利になり、より快適になり、より効率的になっていくのですが、人の生き方の本質は変わらないのです。どんなに時代が進んでも、成長するための努力は必要なのです。

 時代の恩恵で効率よく努力ができるようにはなりますが、その効率化によって、より身につけていくべき、技能も増えていくようになります。なので、決して楽ができる時代ではないということです。いつの時代でも、楽をしようとする人は、成長することはできないのです。努力をする人のみが、成長することができるのです。

 科学技術が発展すればするほど、より高度な知識、技能が求められてきます。なので、より努力が必要になっていきます。楽をしようとしている人にとっては、生きにくい時代ではあるのですが、「本来あるべき姿」に向かおうとしている人にとっては、希望の時代なのです。

・チャンスが多いから簡単ではない

 今の時代は、よっぽどズレていないのであれば、何をするにしてもチャンスがあるのです。何をやってもチャンスがあるが故に、簡単ではないのです。なぜなら、誰でもチャンスには敏感なので、何とかチャンスを掴もうとするからです。

 チャンスが掴めないのは、チャンスがないから掴めないのではなく、多いから掴めないのです。同じビジネスをしても、ある人は成功しますが、別のある人は失敗するのです。同じような条件であっても、成功する人と、失敗する人に分かれるのです。この違いは、考え方の違いが大きいのですが、その考え方の違いが表面的には分かりにくいのです。

 同じ時代に生きていながらも、チャンスを感じる人もいれば、絶望と感じる人がいるのですが、その差は考え方の違いなのです。今の時代にチャンスを感じられれば、これ以上の希望はないのですが、絶望を感じれば、これ以上の絶望はないのです。時代は必然的に変化し続けるようになっています。その変化を楽しむことができれば、チャンスを掴むことができるのです。

 「やりたいことをやるべき時代」をチャンスと捉えることもできるし、絶望と捉えることもできるのです。やりたいことが、無限に湧き上がってくる人にとっては、常にチャンスが見えていますが、やりたいことが無い人にとっては、一歩も前に進めないので、絶望に感じるかもしれません。

 多くの人がやりたいことが見つからなくて、深刻に悩んでいるのは、何となくでも時代の変化に気づいているからなのです。過去の時代のように、何の目的もなく、何も目指すことがない状態では、生きにくいということを感じているから、深刻に悩んでいる人が多いのです。

 時代が変化するにつれて、人が求めることも変化していくのです。過去20世紀はモノが不足していたので、モノを求める時代であったのですが、今はモノが余っている時代であると同時に、心の不足さを感じているので、心が満たされることを求めるようになっています。「本来あるべき姿」は、内外に満たされている姿であるので、より内的なこと、本質的なことを求める人が多くなってきています。


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