【第1章無料】 電子書籍 第65弾 完全投入のスキル~徹底的に学び、徹底的に行動する技術~

はじめに

 いつの時代でも、成功している人は、徹底的に学んで、徹底的に行動して、徹底的に努力をしています。この法則というのは、いつの時代でも同じで、これからどんなに時代が変化しても変わらない法則なのです。

 どんな夢であっても、目標であっても、努力をしなければ実現させることはできません。ただ、待っていて、偶然導かれるということはないのです。待っていれば、誰かがチャンスを与えてくれるということはないのです。多くの人は、漠然とした奇跡を期待しているのですが、基本的に奇跡というのは起こらないのです。

 徹底的な努力をしている人は、奇跡を起こしているのではなく、必然的な結果を得ているということです。偶然的な結果というのもありますが、偶然というのはそう長くは続かないのです。徹底的な努力をするためには、偶然を期待する考え方を一掃しないといけません。

 偶然ばかりを期待する人は、自分がやるべきことが、見えなくなってしまうのです。やるべきことが見えなければ、当然何にも投入することができません。今の時代に、暇つぶし、時間が余っている、というのは考えられないのです。どんなに学んでも、学びきれないし、どんなに行動して、努力をしてもしきれないので、いくら時間が有っても足りないくらいなのです。

 ほとんどの人は、毎日を漠然と生きていて、流されるように生きています。過去の時代は、安心安定が得られた時代であったので、何とかなった時代だったのですが、今の時代、これからの時代は何とかなりません。そこそこの頑張りで、乗り切れるような単純な時代ではないのです。高度な専門知識、専門技能を身につけていかなければ、益々厳しい時代になっていきます。

 この危機感を感じている人は、ごく一部の人だけなのです。ほとんどの人は楽観的に考えていて、根拠が無いことを漠然と信じているのです。根拠というのは、具体的な数字を見れば分かることなのです。今の日本は総人口が減り続けています。毎年50万人ずつ人口が減っていて、少子高齢化が加速されているのです。

 なので、現実的に何とかならないような状況に、追い込まれているのですが、楽観的に考えている人が多いのです。とは言っても、現実の私たちにできることは、ごく小さなことしかできないのです。大きな流れを止めることはできないので、できることに最善を尽くしていくことしかできないのです。

 本書は、「完全投入のスキル」ということで、完全投入をしていく方法をお伝えしていきます。今の時代、これからの時代は、今までのような安心安定が得られる時代ではないので、自分で努力をして、実力を身につけなければ、厳しい時代になっていきます。当たり前のことなのですが、努力をしなければ、実力は身につきません。

 どんな人でも、努力をした分しか身につかないのです。知識にしても、技能にしても、学んだ分、行動した分しか身につけることはできません。そして、そこそこの頑張りでは実力は身につかないのです。実力は「完全投入」をしていくことで、身についていくのです。完全投入を続けていくことができるようになれば、必然的な成功を収めることができるようになるのです。

2018年5月 安田 悌

目次

はじめに

第1章 完全投入のスキルとは?
・全てを出し切る、やり切るスキル
・実力を上げていくスキル
・完全投入で1位を目指す

第2章 なぜ完全投入ができないのか?
・平均を意識する教育の弊害
・平均を見る習慣が身についている
・他人の目を気にしてしまう
・完全投入をして失敗することの恐怖

第3章 完全投入が必要な理由
・宇宙は真空を嫌う
・完全投入で実力が身につく
・一時的な投入は全く意味がない
・本能を認める
・本能に逆らうスキル
・中途半端な人は最悪になる

第4章 完全投入をするための考え方
・常に努力不足を感じる
・高い基準の人に合わせる
・怠け者は相手にしない
・自力を全うする
・他力を一切期待しない
・時代が変化しても自力は必要
・不安な時代だからこそ投入できるチャンスがある

第5章 完全投入を習慣にする方法
・習慣化を身につけるコツ
・時間とエネルギーの使い方をマスターする
・優先順位を決める
・行動を優先させる
・シンプルさを意識する
・本気力を育てる
・徹底力を身につける

第6章 モチベーションが高ければ完全投入ができる
・モチベーションを下げない休み方
・ダラダラしない歩みをする
・どんなことにも終わりがあることを悟る
・新記録を狙う歩みをする

おわりに

第1章 完全投入のスキルとは?

完全投入とは、ありったけの力を投入することである。

力を出し切ることで、実力を身につけることができる。

・全てを出し切る、やり切るスキル

 完全投入というのは、出し切って、やり切ることです。今できることは、思いつく限り、全てやるということです。言葉自体は簡単に理解することはできると思いますが、実際にやるとなると簡単ではないのです。なぜなら「完全」なので、文字通り「完全完璧」だということです。

 「完全投入」というのは、ある意味、机上の空論でもあるし、理想論やきれいごとでもあります。現実の私たちには、できないことではあるのですが、理論、理屈の基準としては知っておく必要があります。一切妥協がない基準を知っておかないと、目指す基準が無くなってしまうので、完全投入ができなくなってしまうので、理論、理屈だけでも知っておいてください。

 私たちは、完全完璧の基準までには至らなかったとしても、最善を尽くすことは必要なのです。今現在の知識や技能の中で最善を尽くしていくことで、完全投入の基準に近づくことができるのです。

 例えば、100平方メートルの畑仕事をするとします。2人の人がいて、1人は100平方メートルの畑仕事をする実力しかなくて、もう1人は200平方メートルをする実力があったとします。この時点では実力は単純に2倍の差があるのですが、100平方メートルの実力の人が、100平方メートルの畑仕事をする場合と、200平方メートルの実力の人が、100平方メートルの畑仕事をする場合、どちらが最善を尽くしているでしょうか?

 言うまでもなく、100平方メートルの実力の人なのです。自分の実力を出し切っているのです。200平方メートルの実力の人は、手を抜いているということです。最初は実力に差があっても、実力を出し切っている人は、その実力を伸ばすことができ、110平方メートル、120平方メートル、130平方メートル・・・と限界点が上がっていきます。

 やがて、200平方メートルの実力の人は抜かれるようになり、手を抜いた分、実力も衰退していくのです。出し切る、やり切るというのは、他の人を基準にするのではなく、自分の実力のベストを尽くすということです。「手を抜きたい」という思いは誰にでもあるのですが、手を抜くようになってしまうと、最初はゆっくりであったとしても、だんだんと衰退していくようになってしまうのです。

 ・実力を上げていくスキル 

 常に最善を尽くしていけば、実力が上がるのは当たり前なのです。どんな人でも、最初から実力があるのではありません。どんなに持って生まれた能力があったとしても、その能力を磨かなければ、実力を上げることはできないのです。

 よく「あの人はすごい」と、やたらと褒め称える人がいますが、何を尊敬するべきかの観点がズレてしまうと、「自分にはできない」となってしまうのです。人の能力にはほとんど差はないのです。好きか、嫌いかの差はありますが、嫌いなことでも大抵のことは人並みの実力を身につけることができるのです。

 努力をしていけば、実力は上がっていきます。ただ、完全投入、最善を尽くした努力をしなければ、実力は上がっていかないのです。簡単に腕立て伏せが10回できる人が10回だけを続けても、腕は鍛えられないのです。現状維持を保っているつもりでも、やがて衰退していくのです。

 これは100回の腕立て伏せが、簡単にできる人でも同じです。簡単にできることを繰り返していても、人は成長しないので、やがて衰退していくのです。人は成長するか、衰退していくかのどちらかだけです。現状維持というのは錯覚で、成長していないのであれば、衰退しているということです。

 私たちの本能は、手を抜きたいのです。今できることだけを、続けていきたいのです。ちょっとした無理もしたくないので、同じことだけを繰り返していたいのです。この本能を見抜けないと、ちょっとした無理ができなくなり、実力を上げることができなくなります。実力を上げる理屈は簡単なのです。今現在できることを、1回でも、ちょっとでも無理をしていけば、実力を上げることができるのです。

 完全投入、最善を尽くすというのは、手を抜かないで、無理をするということです。常に無理をしていくことで、無理をする基準が上がっていくので、実力を上げることができるのです。ただ、無理をするといっても、急激に無理をしてしまうと、挫折してしまうので、どのくらいの無理ができるかの匙加減が必要です。とくに今の時代は実力が必要なので、最善を尽くしていきながら、実力を上げていくことを意識してください。

・完全投入で1位を目指す

 今の時代はどんな分野であったとしても、「1位」を目指していくべきなのです。1位を目指すとなると、そこそこの頑張りでは無理だと思うので、完全投入をするしかない状況に追い込まれます。この追い込まれがあるからこそ、努力ができるのです。

 どんな分野にも上には上がいるのですが、必ず1位になっている人がいます。その1位になっている人を基準にしていくことで、努力ができる原動力を保っていけるのです。現実的に圧倒的な差があるのであれば、同じ分野であったとしても、1位を狙えることで1位を目指してみてください。

 例えば、野球で1位を目指す場合、バッターであれば、ヒット数、打率、ホームランという、1位を狙えることが複数あります。これは、現実の私たちでも、同じ分野で狙えることがあるということです。何を狙えるかは、人それぞれで違うのですが、完全投入をしていくことで、狙えることが見えてくるようになります。

 1位を目指すといっても、一生をかけても無理なことを目指しても、途中で挫折してしまうので、現実的に狙える1位を目指してください。最初は何を狙えばいいのかが、分からなくてもいいので、とにかく完全投入をしていくことだけを考えてください。目指すことがあれば、モチベーションを上げることができ、保っていくことができます。

 そして、1位を目指すためには、長期視点も必要です。最低でも10年という年月が必要なのです。今最善を尽くしていることが、10年後に実っていくと考えるようにしてください。現実の成功者と言われている人も、最低10年はかかっていますし、場合によっては、20年、30年かかっているのです。

 どんなに最善を尽くしても、完全投入をしても、結果を実らせるには時間がかかります。
これはどんな分野であったとしても、同じなのです。ほとんどの人は、「今やっていることを10年後に実らせる」という発想がないのです。なぜなら、10年かけて実らせるというと気が遠くなるように感じるからです。

 誰でも努力をしたら、すぐに結果を出したいのですが、努力をしてすぐに結果を出した人は一人もいないのです。どんな天才的な人であっても、最低10年の努力が必要なのです。10年を気が遠くなる年月だと感じても、現実的に10年が必要なので10年後に向けて、今できることに最善を尽くしてください。


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