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彼らとの『4年後』にはなにがあるのか

2024年。
UNISON SQUARE GARDEN、満を持しての結成20th アニバーサリー イヤー。

喜ばしい1年の幕開けと共に、公開されたバンド公式ホームページには『20年目のプロローグ』の文字。2020年にリリースされた、『Patrick Vegee』収録の「101回目のプロローグ」からの引用であることは明白であった。

この「101回目のプロローグ」、曲の終盤に「本当の気持ちを話すのは   4年ぐらいは後にするよ」という歌詞が登場する。
リリースされた4年後、バンド結成20周年を迎える彼らが話す"本当の気持ち"に思いを馳せてしまうが、本題はそこではない。

なぜ、4年後に本当の気持ちを話すのか。
脳内にいるクソロボットが「5年周期の方がキリがいいのに」とか言っている。


UNISON SQUARE GARDENの言う「4年後」は、ある曲の象徴としても浮かぶ。
『10% roll,10% romance』がシングルとして発売された際の帯、「どうせ4年後も君が好き」。そして曲中でも「君がどんなフレームに僕を入れるのか 知りたいけど4年ぐらいは後でもいいか」、と歌われ「4年後」がかなりのキーフレーズとして使われている。


「今も好きだけど、4年後はもっと好きになる!」というポジティブな気持ちに読み取れるが、個人的には少し陰を含んでいると思った。
それは、歌詞の中にある「知りたいけど4年ぐらいは後でもいいか」という言葉に、その間に気持ちが(物理的にも)離れてしまう諦めのようなものを感じたからである。

ここから、「人の好きな気持ちは、4年で終わってしまうものなのか?」という疑問が浮かんだ。

早速、検索してみる。

検索  「好き  4年  冷める」

こんなワードでも、「人の恋愛は4年で終わる」ことを書き連ねたブログがわんさか出てきた。生きてきて初めて知った概念である(無知)。
色んなサイトで得た情報をまとめてみると、こんな感じらしい。

世界的に見て、結婚して「4年」で別れる夫婦が多い。(『愛はなぜ終わるのか』ヘレン・フィッシャー著)
⇒恋愛ドーパミンは脳に負担がかかる為、長続きしないようになっている(薬物、ギャンブル依存にも起因)。脳科学的に、情熱的な『好き』という気持ちは3年程度で冷める。
⇒パートナーといる時のドーパミンが減少すると、リラックス状態になると出る「βエンドルフィン」が反比例して増加。

⇒ドーパミンが減少するタイミングの4年目に、この移行を行うのが恋愛を長続きさせる要因。


『恋が愛に』、というのは聞いた事があるが年数と共に分泌されるホルモンの違いによって、人の恋愛が4年周期であることが左右されているらしい。
そして、4年以上共に過ごした相手とは、一生共に過ごす傾向にあるという。(10年近く交際した相手と別れた直後に別の相手と結婚する、というケースもあるけれど、今は目を瞑らせてください。すみません。)


ここで、話をUNISON SQUARE GARDENに戻したい。
世間に蔓延っている(らしい)『恋愛は4年で終わる論』により、彼らにとって「4年」という年数は、「お互いに好き以上の、かけがえのない存在となりうる年数」なのではないかと思った。

ここ暫く、ブログに綴られた「邪魔しないでくれ」、2023年にリリースされたフレーズボトル・バイバイの「一聴じゃわからないなら 再来年頃(アニバーサリーイヤーが終わる2025年を指している?)にすれ違うとしよう」あたりから、特に外野に20周年のお祝いを邪魔されることを特別嫌がっているように感じている。内輪であることを喜ぶような。

この喜ばしい1年をお祝いできるのは、UNISON SQUARE GARDENが活動した20年の中でふるいにかけられ、残った物好きだけ。

この物好きに向かってだけ、「101回目のプロローグ」から4年後に「本当の気持ち」を話してくれる。

4年後も彼らの事がどうせ好きだったことを誇りに、九段下へと向けられた気持ちが昂る。
…こんな色々考えて、MC無かったらどうしよう。

(この文章はユニゾンのファン4年未満の人を否定するものではありません。悪しからず。)

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