人力舎【 #ルーキーネタライブ Summer】感想
(めちゃくちゃ敬称略です)
(めちゃくちゃ素人が偉そうなこうした方が良かったんじゃない?とか言ってるんでここでレポした芸人さんが1人でもキレたことが確認できたら消します)
(ネタタイトルのバラシになる部分はもちろん隠してます)
【第一部】
<オープニング>
MCジョンドウ&めおしぼたん立石
→ジョンドウ皆川がコントかってぐらい出てくる時に出トチり。
でもあれで正直そんなに入っていなかったお客さんの変なところで笑ったら悪目立ちするかな感が消えた気がするのでアレは不幸中の幸いかも。
何故か呼び出された立石(めおしぼたんは第二部)がなんか上手いこと先輩に突っ込んで笑いを取っていた。なんかライブシーン界で上手いことMCの地位を掴みそうである。
①山羊園「漫才:ステーキ屋」
1年目でトップバッターになった割には(後々第二部中MCで話していたがルーレットでネタ順決めたとかなんとか)、笑いはちゃんと取れていたと思う。
「ツッコミが来店してボケが様々なキャラとして登場する」系の漫才で、なんか神谷の細かいマイムがちょっと上手いの裏笑い的だけど面白かった。
しっかりした漫才コントで技術面も特に問題なかったと思うので、ここはシンプルにいかに「なんかどっかで見たこと・聞いたことあるボケ」を減らすかが勝負かも。
あと、今日のヘアセットを単に失敗したのか、本人のクセなのか、神谷が左前髪を直す回数多いのだけは気になった。
②ビックブック「コント:推し」
ここも1年目でこのクオリティ出せるのかという驚き。
設定が新しく、「展開」自体はちょっとベタだけど、「展開のさせ方」が割と新鋭的で、再来年あたりにひょっこりツギクルの決勝ブロックあたりにいても驚かない。
③さかずき「漫才:料理番組(ネタ飛び)」
ビックブックが舞台上に落としていったとある小道具でバッチリ客をツカミ、神宮のキャラも伝え、さて本ネタ…の最初の方でネタ飛ばし。
キャラ的に「ネタを飛ばしたことをネタにして、ネタ本編に復旧できそうなタイプ」ではあったがなかなか立て直しも効かず、ツッコミ新井も焦りなのか元から早口なのか分かんないけど、ちょっと余りにもネタ飛ばしに対しての言葉の出てくるスピードが早すぎてあんまり笑いにならず。
復旧後は面白かったけどさすがにこの感じで100%の伝わり方はしてないと思うので、ここはちゃんとしたバージョンで見たかったなー。
④窓辺のピーマン「漫才:SFのアレ(ネタ飛び)」
顔面の特徴でツカんでさて導入…というところでまさかの2連続ネタ飛ばし。(さかずきは本編入ってからすぐ、こっちはネタフリと本編の間ぐらい)
こっちのボケ阿部はキャラ的に押し切れず、というか『「共感できないことを言い続けるというボケ」をする阿部が、「わたしは共感できないことを言うボケ役です」を客に伝える前にネタが飛んでボケの素が見えちゃった』ので再加熱も出来ず。
⑤ジョンドウ「コント:教師の説教」
とあるきっかけで展開が変わる、前半と後半に分かれた(と言ってもめちゃくちゃ変わるわけではないけども明らかに展開は動く)コントで、
前半の冷・熱のギャップはしっかりウケていたものの、後半ちょっとトーンダウンしたかな…というか、前半の皆川のキャラに対する渡の「なんなんコイツ…」と、お客さんの「この後どうなるんだというワクワク」が上手いことシンクロしてたので、なんか展開をドンと強く動かさない方が良かったかも。あのままオチまで持ってくってのも大変だとは思うけど。
⑥サモエズ「コント:渡すもの」
良い設定、良い感じのキャラで上がっていったんだけど、
「あるものを落として展開が加速する」という、その「あるものを落とす」タイミングがもったいない!すごいもったいなかった!もっと素晴らしいタイミングで落とせたはず…。完全にシーンとした無音の中に着地音が響いた方がそこきっかけに爆発の連続を生み出せた…と思うんだよな個人的に…。
⑦海底金融「コント:資料制作を忘れた」
ボケくりやまのこの感じのコントで演じるキャラ、今すぐにテレビ伝わらないかもしれないけど、なんか芸歴が進むごとに味が出てよりウケる気がする。売れて見つかったら演劇舞台に呼ばれそうなタイプで、誰を感じたかというとフラミンゴ竹森。今日も充分ウケてたけど。
ツッコミ糸柳のハキハキとした、立場をズラさないツッコミ(このコントでちょっとでもボケに共感したら多分凄いブレる)もよく、ここは第一部の中でもトップウケに近かったと思う。
⑧きり「コント:プラネタリウム」
てっきり経歴的にピアノ使ったネタかと思ったら普通の1人コント。
優しい口調でとあるめちゃくちゃな行動を起こす、というのがメイン軸のネタなんだけど、行動のキレをもうちょい良くして瞬発の笑いを出すか、逆にかなりゆったりやってスローのじわじわ笑いを引っ張り出すか、
どっちかに振った方がもっと「めちゃくちゃなことをしている」感が出て良かったかもとは。
でも、このタイプのコントは今若手女ピン芸人にいないので、こっち方向に突き詰めるのもアリだなー。
⑨メメ識「漫才:推し活」
酒井が実際にアイドル好きということもあってか「推し活」のディテールが細かく(多分アイドルへの表面上だけの知識でこのネタ作ったら出てこないフレーズが多くて納得できた感じ)前半の「流れの中でのボケツッコミの応酬」は良かったものの、後半1ボケに対して1ツッコミするスタイルになってからは苦戦。
----以下個人的に思うこと----
ハヤシドリルのツッコミって「川の流れのような流暢な酒井の喋りに対して、その流れの中にツッコミという名の動かない岩を置いている、話のスピード展開に乗ってないツッコミスタイル」だと思うので、しゃべくりの中でツッコむ感じだと観客も酒井に流されていく中で「ハヤシが置いているツッコミの岩を見ながら流される」ことが出来るけど、
1ボケ1ツッコミだとボケる→ツッコミ置くで流れがどうしてもその1ターンで途切れちゃうし今度は「置いている」が悪い方にでちゃうので、
あのツッコミ方を続けるなら、メメ識の正解はコントに一切入らず、酒井が喋り続けてハヤシはついていくしゃべくり漫才かなあ。
⑩こはるバスケ「コント:久しぶりの再会」
振る。振る。ひたすら振り続ける…という笑いのない芝居のシリアス時間がながーく続き、
客も流石に「これは振りだと分かるけど、こんなに振ってそのハードル超えれるの?」という感じになって、いよいよその振りを開放した瞬間一気にシリアスもへったくれもないバカコントに。
今回のネタに関しては、そのワンアイデアのみだと流石に振った時間とのバランスを取れてるか微妙な気はしたけど、
1年目の新人が「このワンアイデアで1本コントやろう」と思った勇気は凄いと思う。
⑪ぶれんどしっぷ「漫才:面接でよく聞くあの質問」
良かった。ボケ小林のイノセント感とツッコミ藤原のええ声のロートーンで突っ込んでいくスタイル。1年目の「ネタでの即戦力」はココだと思う。
⑫駄々脱兎「コント:食育」
やりたいことはめちゃくちゃ分かるし、それは面白いことだと思うんだけど、
なんかこう狙ってやってるであろう、ボケもツッコミも「立たせないのっぺりシュール感」がこのネタに関してはそもそもの「パワー不足」に繋がっちゃったかなあ…。
⑬写実派「コント:事故」
正直1本のコントを見る環境として、見た目とかの要素に余計なものが多すぎたんだけど、2人のマンパワーでその辺を強行突破した感じ。「昭和のシュールコメディかこれ?」ってずっと思いながらずっと見てた。服装もなんか今風じゃなかったし。
(なんかネタを急遽変えたらしいので、服装に関してはその影響あったかも)
⑭エクレアパープル「漫才:デート」
何でか知らんけど「メルヘン倶楽部です」っぽい名乗り。
ここまでいなかった、若さとひょうきんさでGO!タイプ。元気よくポンポンボケるので、そのテンポに置いていかれなければしっかり楽しませてくれるタイプ。まずはショートネタでテレビにサクっと呼ばれてそう。
⑮トツカミツカ「漫才:本を読んでる」
ここも熱と冷の対比タイプ。
クールそうな方がクールにボケて、熱く行きそうな方がそのまま熱いので分かりやすいし、若手にありがちな「熱量というか音声のデカさだけあってツッコミのフレーズがスカスカ」ということもなく、(色々あって香盤順が変わったらしいんだけど)トリっぽいしっかりした漫才で良かった。
【第二部】
①カヌン「コント:タクシー」
暗転中に客に向かって一礼したあたりでコント好きなんだなこの2人と思った。なんかもう名前出して言えないけどあのコンビっぽいコント愛の感じ。タクシーネタもあったもんね。
最初の笑いどころでドカンと掴めてからはしっかり客の心を離さず、中盤にもう一発ドカンを決めて最後まで失速を感じさせず逃げ切り。オチは若干ご都合主義だとは思うけど、まあコントってそんなもんだもんな。
強いて言うなら一発目のドカンが一部二部通して最大の爆発と言っても良かったので、どうせならオチ付近でもう1回利用してもお釣りありそうではあった。
②ミスターアンディ「漫才:海賊」
展開全体はおバカ系統なんだけど、割とボケ方としてはフレーズ性やワードパワーが強いタイプ。1個「それだけでボケとしてちゃんと完成してたのに、更にツッコミを重ねることによってもう1レベル上の笑いをゲット」というパートがあったので感心。今回はホームだったと思うので、アウェーの場でこの巻き込み方ができたら凄い。
③パブン「漫才:エコ」
本当に人力舎の2年目?吉本の7年目じゃない?というぐらいの堂々とした感じ。ネタ本編もめちゃくちゃドカンという爆発することはなかったけど、バカボケありフレーズセンスボケありと充実した漫才。
多分ここは「大きく売れるかどうか」は時代の流れや運次第だけど、「芸人として食えるようになる」のはかなり近いと思うので、なんとかM-1の3回戦まで上がって、まずはライブシーンに見つけてもらうのが良さそう。
④コードレス化ポルカ「漫才:合コンの練習」
とあるシステムを使った漫才。この形式だと一言一言の打率をどうしても求められるのでなかなか厳しいハードルだとは思う(実際ウケたフレーズとそうでもないフレーズの差はあった)けど、
全部を当てられればあっさりとステップアップできそう。ここも2年目感はなく堂々。
⑤凪「コント:合コン前」
ここも第一部でもあった「前半ウケたけど後半失速した」コンビ。
というかネタ全体が「最初の2分、真ん中1分、後半1分、オチの一言」みたいに4つに分かれて見えてしまって、最初の2分とオチの一言でウケた感じ。
⑥くろイルカ:漫才「チャーハン」
ボケの間違えた論理に振り回されるツッコミという漫才。
地震後で客席が固く笑いづらい環境の中ではあったけど(中MCでどうにかあっためてた)、ボケの奇妙かつどうしたって異常な感じでなんとか巻き込みきれたと思う。
中MCでもイジられたけど、石渡はクイズ王、というかダイエット前の古川洋平に似すぎている。
⑦センチメンタルズ「コント:カップルコンビの漫才」
反則までとは言わないけど裏技ではある、名前が知れてない若手がやったらM-1でもKOCでも多分1回戦で落とされちゃうタイプのネタ。なのでこれは賞レースとかバトルライブとかでは使わない寄席盛り上げメタネタだろうと思う。使ってたらごめん。
⑧デイドリーム「コント:友達」
コントと書いたけど、ジャンルとしてはJKたちの青春の1ページって感じ。
笑いどころはもっと増やせる(ふうと軸のところはもっと変なヤツ感出せたと思うし、ふうとがフリできこ軸のところは単に打つ数が足りてなかった)とは思うけど、
オチを2択で選べる中でそっちを選んだということは、多分このコンビがこのネタで表現したいのはこういう甘酸っぱさなんじゃない?という点でこの笑いの量でも良いかなって気がする。個人的には好きだし、好きな人はかなり好きなコンビ。
⑨タルタル関数「漫才:悩み」
フリ良し、バラシ前の軽いボケ良し、バラシでの爆発良し…と来たんだけど、
バラした後が「芸人×(とある設定)」の単発大喜利チックになってしまったのが残念。この設定ならボケは逆に完全にコントインしてツッコミは外からツッコんだ方が良かったかも。
⑩楽願「コント:事件解決」
令和の今、そのキャラクターやるんだ…というところでひと笑い。モノマネもなんか似てなさすぎだろ!ともツッコミずらい、客にムズムズ感を与える微妙な再現率だったんだけど、そのムズムズ感がこのコントの笑いどころの1つだったのでキャラクターとしてはいい感じではあった…が、
ムズムズ感じゃない方のもう1つの軸はもうちょっと掘り下げて欲しいのと、流石にそのサイズのそれではそんなに広くない高円寺ジュンジョーでも何が書いてあるか見えん。
⑪野良凡夫「漫才:いらないと思う授業」
ここも落ち着きあり、というかむしろドッシリ感あり。13年目ぐらいに感じた。ネタ本編は面白かった。
ただなあ…最後の大脱線、いるか…?
⑫めおしボタン「コント:サウナ」
第一部のオープニングMCで引っ張り出された立石がツッコミのコンビ。
ここは神崎のボケボケしいボケキャラ良し、立石のしつこいけどしつこすぎないツッコミ良し、と1年目とは思えない有望株っぷり。コントで1番ウケてたのはここだと思う。
神崎にボケキャラに誰かの影があるなコレと思ったら、ホームチーム時代の与座だ。この若さであのコメディアンっぷりを持ってるのは凄いと思う。
オチ付近が若干急ではあったけど、最後のオチの一言とその行動でもう1つ跳ねたので良かった。
⑬キャラメルパンダ「漫才:動物園デートの練習(ネタ飛び)」
ここもまさかのネタ飛ばし。飛ばしたおじょうちゃんがニコニコ顔で切り抜けようとしたけど上手くいかず、ワンダーの昭和高音ツッコミでかろうじて対応したけどかなりフォームが崩れちゃってた。
ただ、このツッコミをワンダーが持ってるなら、明るいおじょうちゃんと振り回されるワンダーのもっとシンプルな漫才の方が2人には向いてそう。
⑭マンマチーノ「コント:落とし物」
トリオのバカキャラコント…に見えたんだけど(トリオの人数メリットはあるにせよ)意外と展開が豊富で見てて飽きなかった。なんか誰も特にマークしてない内にダークホース的にネタ番組に選出されそうである。
あと、これは個人的に良かったなと思ったポイントとして、
キーとなる小道具が「誰がどう見てもアホな小道具として利用しているんだけど、登場するキャラが熱量を持つのは分かる、『とある部分』がちゃんとしている」という細かさは好きだった。多分大してこの部分に意識はしてないだろうけど、もしちゃんと考えられてそうやって作ったんなら凄い。
⑮あい色ラグーン「コント:不良」
すんません。これは完全に僕の中の「悪いお笑いファン」が出てきてしまい、
ふたくだり目の最初でオチまで全部分かっちゃった…。これは完全に悪いファンと化したこっちが悪い。
⑯磯崎慎也「コント:野球部監督」
笑いの「質」はかなり高かっただけに、笑いの「量」が欲しかったというのが正直なところではあるけど、
たっぷり間を取った正統派ピンコントであり、ピンが故にこれ以上笑いを無理に足すと質が悪化しそうな気もするので、
このコントの最大限の良さはこれで出てたと思う。
<ネタ以外について>
・1年目芸人、一発ギャグの振り方がなんか変なので先輩のギャガーに「ギャグ本編」ではなくて「ギャグの振り方」を聞いた方がいいかも。
・メメ識酒井が明るい声と笑顔で中MCの裏回しをしてて凄いと思った。「お笑い芸人としての強さ」というよりは「頭の回転の良い人が、その場で自分が何を発すればいいか? 止まりかけている空気を助けられるか?を分かってる」って感じ。
・中MCの「MC陣」で1番良かったのはマンマチーノ御立田。「救う」「乗っかる」「突き放す」「どんな人か分かっている相方でまず笑い取る」というポイントでちゃんと振り分けられて、2年目で内輪感も出さず1年目をピックアップしてた。
以上!!!!!!!!!!
長い!!!!!!!!!!
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