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CL福岡11-3 リサイクルカビゴン (もちもの:クラッシュハンマー)

おはこんハロチャオ。"しー"と申します。

今回の記事は

CL福岡 11-3(46位) 使用者: エスカドラ(X: @kamiharasho1)

の結果を残したカビゴンコントロール(筆者はカビゴン"LO"と言うのが嫌い)について、詳細を解説するものとなります。


CL Day1の構築(Day2はビワを1枚野盗三姉妹に変更)
iNLnnH-4tMPo1-LNL9gi

はじめに


現在出回っている"カビゴンLO"(以後:プレーンなカビゴン)は「回すの簡単だしテキトーにリストパクっていけば勝てるっしょ」というデッキ選択者の安直さがあると思っています。
といいますのも、プレーンなカビゴンのリストでは

・対策されると勝てない
 :エリカの招待ケアで相手がたねポケモンをトラッシュに送る・山札に戻す

・遅延行為ないし長考への対応ができない
  :ホシガリスを出され、かつイーユイexを出してもサイドを取られ負ける

・不利対面にそもそも負ける
  :「古代ビート」「ルギア」等

というデッキ単位の弱点を抱えています。このことから、言ってしまえば「マッチ運に非常に左右されてしまう」デッキとまとめることができるでしょう。

その点シティリーグは"マッチ運ゲー"の側面もあるため、予選においては確かにプレーンなカビゴンでもいいのかもしれません。しかし決勝で勝つ(サイドを4枚以上取られない)ことを考えるといささか不十分です。

私たちはそんなカビゴンが「本当に勝つ山」になるように研究を重ねてきました。



そもそもカビゴンってどういう山なのさ(初心者向け)

「はじめに」でも触れましたが、現状カビゴンは
・立ち回りを知られていないため勝てる
・カビゴン使用者さえ理解していない部分がある
・対策もされていない、または有効ではない
状態にあると思っています。

まず基本戦略をまとめる必要があると考えたためこの章で触れていくことにします。

基礎の50枚

およそ採用するであろうという50枚(確定枠ではない)をまずはピックアップ

■ポケモン
カビゴン
壁(盾)としての運用と、最終的な積み盤面を作る役割の両方を担うメイン

ミミッキュ
都度採用の検討をするカード。カビゴンのように相手を詰ませるというよりは時間稼ぎをするために使う。
基本の使い方はex・V単騎(バトル場のみ)で戦ってこようとする相手に出して、「そくせきじゅうでんを使う時間を稼ぐ」(重要)こと

ロトムV
特性で3ドローする。あらゆる対面ですぐに置きたい。
相手の山にナンジャモが採用されていない、もうナンジャモが打たれない場合はある程度手札を増やしてからボタンで回収する場合がある

イーユイex
上ワザ "ねたみこがす" で相手の山札をトラッシュする。
時間切れや遅延による両者敗北の対策ではなく、ミラーマッチや相手のホシガリス等の対策としての採用。しかしこのカードだけでホシガリスの対策ができているとは言い難いため過信は禁物。
ロスト系統のデッキに対して、相手のリソースを削るために使うこともある

ピジョットV
自分の山切れの対策として採用している節もあるが、その場合はシマボシエール団の応援と選択なので個人的には確定枠ではないと思っている。
といいつつも現環境においてはある対面を見るために著者も採用している。ピジョットVを採用するとロトムにお守りを貼れるメリットがある。(カビゴンを使っている人は普通採用しているため、何を言っているんだと思うかもしれないが…)

■グッズ
カウンターキャッチャー
ベンチポケモンを呼ぶカードが4枚+ボス(1~2枚)というのは実はシビアなので大事に使う必要がある

ネストボール・ヒスイのヘビーボール
ヒスイのヘビーボールは引き込んだらとりあえず使う方が良い。
(ナンジャモ等で山に戻されても、その後引いた時役に立たないため。いわゆる擬似的な山札圧縮)

すごいつりざお
カビゴンを2枚〜戻すために使う。
サイド落ちが困るため2枚採用の場合もある。
後述する エール団の応援 でもポケモンを戻せるため確定枠は1枚

いれかえカート
イーユイをバトル場に出すカードとして使う場合が多い。
"おとぼけスピット"等を2回耐えるための回復手段として使うこともある。
イーユイでワザを使いたいとき、グッズで前に出すことができるメリットはあるが、ボタンが複数枚採用されるため確定枠としては1枚

ともだちてちょう
ボタン、エリカの招待、野党三姉妹、ナンジャモは特定の場面で複数回使いたいことがあるためこのカードで補う

ポケギア3.0
1-2ターン目のペパー(orナンジャモ)のかさ増しや、使いたいサポートを引き込むために使う

■ポケモンのどうぐ
勇気のおまもり
2枚の構築もあるが、ピジョットVを採用する場合(森の封印石をピジョットVに任せられるため)ロトムVの耐久力を上げる重要性を鑑みてもこれらのどうぐは計5枚は採用したい。

[カビゴンに貼るべき対面アタッカー]
・リザードンex(悪) 180ダメージを耐える
・アルセウスVSTAR ダブルターボ込みの180ダメージを耐える

[カビゴンに貼る意味があまりない対面アタッカー]
・ルギアVSTAR 
・ウッウ 110ダメージ×2 (いれかえカートが使えるならこの限りでない)

まけんきチョッキ
マナフィの"みずかけ"、キュワワーの"かいてんアタック"等のダメージを0にするほか、"おとぼけスピット"も2回耐えるようになる。
カビゴンに貼る場合180までのダメージを耐えるようになる

ヒーローマント
・カビゴン: アルセウスVSTARの攻撃を耐える
・ミミッキュ: ギラティナVの"ひきさく"を耐える
・ロトムV、イーユイex: ギラティナVSTARの"ロストインパクト"を耐える
先述の通り呼び出し札の枚数がシビアなため、プライムキャッチャーと選択枠同士(マントは安いためおすすめ)

森の封印石
ピジョットVに貼るが基本的に使わず残しておく(ピジョットVも出さない)
ビワ、エリカ、ナンジャモがどうしても欲しいときなど使う場合もある

■サポート
ペパー
初動でロトムV及びカビゴンのサイド落ち確認をした後、ネストorヒスイを触ることが仕事。
カウンターキャッチャーをサーチすることもあるが、基本的にロトムVで現物を引いておいて他のサポートを使いたい

ボタン
大体はカビゴンを回復するために使う。
サイドの1枚目はボタンを使わずにあげてしまうほうが良い場合が多い。特にリザードンなどのワンパンされにくい対面に対して、次ボスされて返しにボタンが使えるか?というところは意識しておきたい

ナンジャモ
追加の初動札(ネストボールを引き込みたい)としての役割と、トドロクツキ(大小問わず)などの終盤のドローが弱いデッキに使いたい。
ビーダルが立つと多くの場合無力

ビワ
入れ替え札、ミラージュゲート、ふつうのつりざお(エネルギー回収札)、手帳、ハイパーボールなどをトラッシュしたい。
例えネストボールしかトラッシュできなくても、手札を見ることで相手の次の動きがわかるので非常に強力(グッズなしで動けるデッキは少ない)

野盗三姉妹
いれかえを引かれたら負け、というシーンに遭わないために序盤から使ってもよし、その場面になってから使ってもよし。
ビワに比べるとサイドレース(というか詰みvsサイド取りのレース)にあまり貢献しないため個人的な評価は低い

エリカの招待
特に非V・非exの単騎プランに対しての回答。
のちにアタッカーとなるポケモンをバトル場に呼び出すことも、エネルギーを要求できて時間を稼げる。
エネルギー総数が少ないデッキに対してはエネルギーが足りなくなる盤面を作ることも狙う。
ビワで手札を見てから使えることも多い。
(バトル場に出す効果は強制なので、既に相手が止まっている時はビワ無しで使うのは危険)

ボスの指令
カウンターキャッチャーの5枚目、6枚目。
キャッチャーがサイドに落ちなければ別にボスは必要ない対戦が多い。
ともだちてちょうで戻せることもあり、そのターンにビワやナンジャモを打つ必要が無いならキャッチャーよりもボスを使いたい

■スタジアム
ボウルタウン
カビゴンを並べる札。
相手は縛られうるポケモンは出しにくいので大体自分だけ使える。
小ツキ(あだうちやばね)対面などでは貼りたくない。
カビゴンは思ったより並ばないためできれば採用したい(カビゴンを呼ぶためだけにペパーを使う動きは弱い)

シンオウ神殿
これまではロストギラティナに対して特に雪道を割るカードとして複数枚必要だったが、現在は多く入れる必要はない。
不意のジェットエネルギーに負けないように、これを貼ってからイーユイexで詰める動きができる場合がある。
1枚だけの採用ではルギアにはそんなに刺さらない

■エネルギー
炎エネルギー
イーユイexによる山削りはあらゆるシーンで逆転のワンチャンスを作れることもあり、サイド落ちを拾えないなら2枚入れたい。
スタートしたロトムVやイーユイexに貼って逃すこともある

選択枠

ここからは選択枠

マンタイン
ワザでやまびこホーン。
サイドを1枚献上することになるので複数回使うのは困難。
またエリカの招待で有効札があたりにくいデッキは小ツキくらいであり、小ツキはプレイングでカビゴンに勝てる(カビゴンが不利)ため採用するメリットが薄い。
とはいえ「エリカの招待をケアするためにマンタインは諦める」プレイが実際正しく多くのプレイヤーがそうするので、エリカの招待で当てる自信がない人は入れたい。
ビワを多く入れることでハイパーボールや大地の器がトラッシュできる都合上手札のポケモンを捨てさせにくくすることもできるので、個人的にはビワを増やすことを勧める

プライムキャッチャー
ヒーローマントとの選択。
キャッチャーに余裕を持たせることの1番のメリットは、最終的には縛れない(アタッカーとなりうる)が、今エネルギーがついていないポケモン(例:かがやくリザードン)などを呼び出して時間を稼ぐことができるようになること。
カビゴンに慣れるまではカウンターキャッチャーを大事にプレイして、ヒーローマントを採用することを勧める。ボスの2枚目も採用しよう

エネルギー転送
ペパー1枚でイーユイを起動できる確率は上がるが、選択枠1枠としてのバリューは低い。
マンタインを入れるなら価値が高い

ロストスイーパー
緊急ボードをつけているキュワワーやブーストエナジーをつけたテツノカシラexをバトル場に呼んでイーユイで山を削る際、相手の要求を上げられる。
このカードで相手のスタジアムを対策する必要性は低い環境なので、入れなくても良いと思っている

アルセウスフォン・ナナミの手助け
セットで使う。サイド落ちしたカードを拾うことができるが実用性は低い。
サイド落ちして困るカードの枚数自体を増やすことをお勧めする

ピーニャ
アルセウスVSTARの殴り出しのためのダブルターボを割ったり、ルギアに少しでも抗うために採用を検討する。
イダイナキバLOに対しても使う

フトゥー博士のシナリオ
ポケモンのみを手札に戻せるボタン。カビゴンはどうぐが大事なデッキのためこのカードの優先度は低い

シマボシ
コイン次第だが必要札(カウンターキャッチャーやともだちてちょうの場合が多い)を山札の上に戻せる。ピジョットVが入っていない場合、詰み盤面を作った後にシマボシ・ともだちてちょう・エール団の応援で山札を回復し続けるループ(俗称: シマボシループ)を行う

エール団の応援
前述のシマボシループの他、ポケモン・サポートを3枚まで戻せることから使い勝手はいい。シマボシを入れない場合でもこのカードは入れても良いと考えられるポテンシャルのあるカード

ミストエネルギー
トドロクツキexの"くるいえぐる"やギラティナVSTARの"スターレクイエム"を無効化できる

嘘カード・嘘対策カード

ルアーモジュール
使って嬉しい場面がない。カビゴン側が展開できないと感じるならボール・ボウルタウンを増やせばよい。エリカの招待を使いやすくするカードでもない。終盤、相手の山札を削る札にもなり得ない

ハンドトリマー
???「カビゴンって山が1枚になるまでドローするじゃないですかー。そこでハンドトリマー打ってナンジャモで逆にLOさせることができるんですよー」
確かにロトムVでたくさん”引け”ますが引ききってピジョットが山に戻るのは最終盤で、それまでにビワでハンドトリマーがトラッシュされます。

プレーンカビゴンサンプルリスト
2024/2/15 シティ(秋葉原チェルモ)優勝構築

プレイの大まかな流れまとめ

①盤面を展開する
  :バトル場にカビゴン、ベンチにもう1体のカビゴンロトムVがいる状態が好ましい。(※ロトムV森の封印石をつけてスターアルケミーを宣言するのは、ポケモンがロトムVのみかつ手札にペパーorナンジャモがない場合のみ)

②手札にあるサポートを使いながらロトムVの特性でドローする
  :盤面が完成していない場合、ペパーを使用してポケモンを展開。勇気のおまもりをつけるポケモンは基本的にバトル場のカビゴンロトムV。
 
盤面が整ったら手札に引き込んだビワエリカの招待野党三姉妹を使用(エリカの招待ビワで手札を見てから行う方が良い)。基本的にロトムVの特性は毎ターンやることがなくなったら宣言し続ける

③相手がサイドを取ったらカビゴンで縛る
  :ビワエリカの招待で見た相手の手札から、攻撃できなさそうなポケモン・バトル場に出されると困るポケモンを推測しカウンターキャッチャーで呼び出す(バトル場に縛る)。②時点でもボスの指令が手札にあり、縛れそうな場合であれば行う。
呼び出し札の枚数(サイド落ち)を考慮し、あと何回呼び出せるか・相手の残りエネ枚数はどれだけかを考えてプレイすること

④相手が縛りを解除して攻撃してきたらボタンを使用
  :サイドをなるべく取られないように、攻撃されたポケモンをボタンで回収しカウンターキャッチャーで縛りを再開する

⑤相手が逃げられなくなったらイーユイexのワザで山を削る
  :万が一逃げて攻撃してきてもいいように、イーユイexヒーローマントを貼る。ともだちてちょう等でボタンを再度使えるようにしておくことも大事

⑥様々な理由でイーユイexが攻撃できないと…(俗称: シマボシループ)
  :これがカビゴンが毛嫌いされる原因と言っても過言ではない。サイドを取り切られないように③・④の工程を繰り返す。
 相手が行動できなくなったら「シマボシともだちてちょうを戻し、ともだちてちょうシマボシを戻し…」を繰り返し相手の山札がなくなるのを待つ。(シマボシで2回コイン裏だった場合はピジョットVの特性で山札を増やし、次のターンにエール団の応援シマボシを戻す)

これが基本戦略です。勝つためのプランが "相手に何もできなくさせるためには?" をひたすら追い求めることだけなので、考えることが少ないのが特徴といえます。(そのため練習せずに大会に持って行ってしまう不届き者も…)


カビゴンを研究するに至った経緯


私たちはワイルドフォース・サイバージャッジ発売後のデッキシェア率tierを1月26日時点で

Tier1 : 悪リザードン
Tier2 : パオジアン、サーフゴー、(プレーンなカビゴン)
Tier3 : アルセウスギラティナ、ロスト系統、キバLO

として研究を始め、シティリーグの結果から最終的に

Tier1 : 悪リザードン
Tier2 : パオジアン、アルセウスギラティナ、ルギア、(プレーンなカビゴン)
Tier3 : 古代ビート、ロスト系統、キバLO

と仮定、考察していました。


筆者がコントロールデッキを好んで使うことや、エスカドラくんが単騎に近い山が得意かつカビゴンコントロールに造詣が深いこと、カビゴンにプラスアルファすることで環境への通りがより良くなると容易に考えられたことからカビゴンコントロールを研究する流れに。

ビワが発表された時点でカビゴンは「握る価値あり」となり、ヒーローマントが後押ししました。元々ロトムVを早期にきぜつさせられると厳しい山であり、その点が解消されるだけでも山として非常に強いものになる確信がありました。


リスト解説


ここまで読んで頂きありがとうございます。以降有料となります。

・カビゴン敬遠してたけど握ってみたくなった人
・カビゴンで勝ちたい・カビゴンに勝ちたい人
・"CLベスト16にカビゴンが3山入っているからさすがに知りたい"という人

に購入していただけると幸いです。

(また、注意点として「絶対に勝てる」山ではないことをご留意ください)

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