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公衆電話でレミー

アメリカ放浪中のハナシ

アメリカ横断旅行で
2ヶ月ほどプラプラしてまして
カルフォルニアに滞在していた時に
L.A.のライブハウスで
(おそらくウイスキーアゴーゴー?)
なんと!
インフェクシャスグルーヴが
ライブをやるとの事!

どうにかしてこうにかして
チケットを手に入れて
ライブを満喫!

さて帰る時は
友人が車で迎えにきてくれる段取り
当然ですが携帯電話がない時代
公衆電話から電話をかけようと
何度も何度もトライするが
電話がかからない…

かなり焦り始める自分
あとで知ったのですが
アメリカの公衆電話は
番号を押してから
コインを入れるシステムなんですね

周りから見れば
ひとり街角で
公衆電話と格闘し
困り果てている
謎のアジア人
そして夜はふけていく…

途方に暮れていると
なんか暗闇からやってきた
オジサンが急に話しかけてくれて
一瞬
ヤバイかと思って身構えたけど
「ヘイっ!
 ボンズっ!
 (若者に話しかける時よく言うのかな?)
 どうした?困り事が?
 この街で困ったことがあるなら
 俺にまかせろ!」
みたいなことを言ってきました

正直なところヤバイ人だと思いましたが
正直ヤバイ状況だったので
必死に片言の英語で
状況を一生懸命説明したら

肩をポンポン叩かれて
「あわてるなボンズっ!
 俺に任せておけ!
 電話番号のメモとコインをよこしなっ!」
とオッサンは
颯爽と公衆電話へ

何かポチポチガチャガチャして
しばらくすると何か話してる
すると
首をクイッと電話を替われのジェスチャー
受話器を取ると
電話先には友人が!

「なんか知らないオジサンから
 電話がかかってきてビビったけど
 場所も聞いたから
 いまから迎えに行くよ〜!
 公衆電話くらい
 使いかた知っとけよwww」
と会話ができて
ホッと一安心

振り返ると
オジサンは腕組みして
サムズアップして笑顔

よく見ると黒づくめで
ロックスタイルの渋い出たち
オシャレにハットかぶってるし

よくわからないけど
嬉しすぎて感謝を伝えて
握手したりハグしたり

すると
「ココで待つと危ないから
 ココが見えてる
 そこのBARで待つのがいいぞ!」
とBARに連れて行かれ
なぜか自分は未成年かと思われたのか
入り口で止められたけど
オジサンが店員と何か話したら
OKが出てカウンターへ

まぁ
自分にはお酒ではなく
ライムソーダ?
が出されました

お礼もしたかったので
オジサンの分も含めて
お金を払おうとすると
オジサンが
「ココはオレの奢りだ
 次に会った時か
 他に困っている人がいたら
 おまえが助けてあげて
 同じように奢ってやれ!」
みたいなことを言いながら
乾杯してくれました

今日は何故ここにいる?
音楽は好きか?
日本はどんな国だ?
とか
たわいもない話を
片言で会話していると
友人の車がやってきたので
最後に
固い握手とハグして別れました

公衆電話でパニックになっていた自分
遠く離れた異国の地で
声をかけてくれたオジサン
マジで感謝しかない

ただ
ひとつだけ気になったのは
どう見ても
そのオジサン

モーターヘッドのレミーなんだよな

まぁ
日本人から海外の人
あまり見分けがつかなかったりするから
レミーによく似た
オジサンだったんだろうな…

迎えに来た友人
車に乗りこむと
「待った〜?
 まさか
 公衆電話がかけられないとはwww
 オジサン笑ってたぞ!」
と茶化してきました

おじさんが助けてくれて
BARで奢ってもらって
片言で話したこと

そして
モーターヘッドのレミーに
そっくりだったこと
車内で話してたら

「そのオジサン
 電話でレミーって
 名乗ってだぞ…」

えええっ!
マジ?
本人だったのか?

今となっては
本当かどうかも調べようがありませんが
たしかに
レミーはL.A.に住んでいたっぽいし…

少ししゃがれた声で
「Hey ! Bonds !
 What are you doing ?」
と声をかけてくれたこと
一生の宝物です

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