母の認知症

昨日母親の物忘れでお酒を飲んだ父親が自分のところに来た
両親は上の階に住み、我々は下の階
『また母さんがカギと財布がないって騒いでるよ~。悪いけど
探してやってくれ。俺もうやだよ。』と酒を煽っているときは
怒りっぽくなる。

今まで色々愛情を注いでくれて来た母親はどうしても
ぶっきらぼうな父親よりは親身になって母親の世話を焼く
息子は母親の方が好きなものだ

一生懸命母親の部屋を探しても出てこない。
『お風呂に入る前に小物入れのカギを閉めて、この引き出しに
入れたのに、ふろ場からもどったらカギがない。』という。
そのテーブルの引き出しを何度も何度も探す母親
『お風呂に入っている間に父親が取った。』と心の声が聞こえる。

認知症になると近しい人を疑いだす。
普段入れないところに物を隠すようになる。
お金も色々と分けてわけのわからないところに隠す。
昨晩は母親の部屋を探し、洗濯機を見て、ふろ場を見た。
ふろ場がカビだらけ。

背骨がつぶれ手術をしたのが7年前、それ以来出不精になった母親には
掃除をするのがひどくつらい。だから父親が一生懸命やるが
大雑把な父親はカビなど気にならない。
カビは人を病気にするから、昨晩中にカビキラーをスプレーしておいた。
そこら中に。明日の朝シャワーをかけて両親のふろ場を掃除しよう。
そう決めて、鍵探しもあきらめた。

今朝、10時前に上に上がり、ふろ場を見るときれいになっていた。
父親が朝から掃除したみたいだ。自分にカビだらけだと言われたのが
気になったみたいだ。母親がずっと文句も言わずに毎日毎日やっていたこと
子供にも迷惑かけまいと父親が一生懸命やったんだろう。
それでも細かいところはカビだらけだったので、自分も率先して掃除した。

ふろ場の壁に取り外し可能な棚が3つある。
それを取り外すと裏面がカビだらけ。
一つ一つ丁寧にきれいにしていくと、ティッシュでくるんだものが出てきた。母親のカギだ。その横にはビニールに入った小さな小銭入れ。
それも母親のカギだ。なんでこんなところに?

最近天候がぐずつくと、認知症である母親の人相が変わる。
非常に険しくなり、自分の言っていることがつじつまが合わなくなると察すると、声のトーンが大きくなり『私に構わないでよ。いいから出て行って!』と現状から逃避する行動に出る。
でも不思議なことに4月からイーマサウンドというものを母親に施術し始めたら、そんな現象が起きなくなった。

昨日のカギの紛失に対しても、いつもだったら父親を疑い悪口を何度も何度も言う流れになるはずが言わないのであった。
話を繰り返したり、つじつまが合わない話をしたりするときに、家族はそれを否定してはいけないのが認知症患者を抱える家族の決まり事であるが、
バカな自分はそれを言ってしまう。
『その話もう何度も聞いたよ。』
『駄目だよもう相手はそれができないから。』と
母親を否定してしまう言葉を言ってしまう。

そのような言葉を投げかけると特に天気が悪い日は、形相が怖くなり
その話から逃げようとする。が、昨日は微笑んでいた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?