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子供に親にしてもらう

子供のころは、『自分は好きでここに生まれてきたわけじゃない。』
って心が叫んでいた気がする。
他の家族は良く見えるもので、
自分は最悪な人生を生きている。なんて馬鹿な事を考えていたこともある。
他人と知らず知らず比較してしまう。
うらやましく思う気持ちは、卑しい気持ちなのかもしれない。

べそをかき、恥をかき、汗をかき、迷惑をかけ、
独り立ちをし、自分に失望し、絶望を味い、孤独を感じ、
愛する人と出会い、守るものができた。

最初はなかなか自分の子供という実感がわかない感覚から
抱っこを覚え、あやすことを覚え、おしめを換え、
お風呂にビビりながら入れ、子供のもどした匂いや、うんちが
臭いのも気にならなくなる。

子供の面倒を見ながら、母親の事が頭に浮かぶ。
父の仕事を手伝いながら、ほぼ家庭の事は母がこなしていた。
事務の仕事をしながら、子供をあやしていた。
忙しい合間、時間を作り子供たちを公園に連れていく。
少し経つと、父親が探しに来て『こんなところで時間をつぶすな!』と
𠮟りつけられていたらしい。

子供たちが学校に行くようになると、
朝、5時に起き子供たちのお弁当を作り、朝食を準備し、
子供たちを起こし、学校に行った後、洗濯、掃除、事務の仕事
好きな映画を録画しておき、睡眠時間を削り夜な夜な映画を見るのが
唯一のストレス発散だったらしい。

自分が子供をあやしていると、自然と涙が出てきた。
親の気持ちが少しわかり始めてきたのだと実感する。
本当の『感謝』というものが心の中で芽生えてくる。
子供が成長するに従い、生意気に言いごたえする。
『自分が子供のころ、こんな事言ってたなぁ』
ふと、こんなことが思い浮かぶ。

親に対する感謝は、自分の子供が成長するにしたがって大きくなる。
そんな気がする。




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