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過去の経験から学ぶ

今は50過ぎのオヤジだが、若かりし頃2-30代ころ
女性に対しての扱いというものを分かっていなかった。
そりゃ世の中には悪魔のような人間がたくさんいる。
そんな奴らと比べれば、自分は武道もやっていたし、空気の読める若者であったと思うが、女性を思いやると言う気持ちが少々かけていたのかもしれない。その為、幾人かの女性とお付き合いさせてもらい学ばせてもらった。

人の人生は”もしも”と言うことはない。
しかし、もしもあの時違う選択をしていたら?
と考えると今とは全く違った人生を歩んでいただろう
と考える時があるだろう。
今が幸せでない人は、そのような振り返りが多いはずだ。
そうでない人は、そう振り返ったとしても『失敗している。』
と考えるのではないだろうか?
今の自分があるのは過去の経験から学んだお陰であるから。

一つの恋愛が相手の浮気の告白で終わり、
その恋愛からまだ心が解放されていないうちに、
違う人と付き合ってしまう。
そんな関係を持ったことはあるだろうか?
傷ついてしまった。そんなダメージを癒すために他の誰かと
関係を持つことで前の女性を忘れる。
相手にとっては決してフェアーではないはず。
また、自分の孤独さや寂しさでいっぱいな心を少しでも埋めようと
人のやさしさを頼りにしてしまう。
本来はその孤独さが自分を強くするための試練であるが為、
人間関係で重要な過程であると今は気付く。

しかし、人は弱い動物。
人のぬくもりが欲しい。
屈辱的な思いから、そんな女性を早く忘れたいし、
大した女性ではない。そんな女性に固執したくはない。
そんな思いもあったのだろう。
だから次に付き合った女性にとっては自分の気持ちは好きではあったが、
純粋な恋愛100%ではなかった。
だから、『大学が終わったら、自分はバックパッカーで一年中南米へ旅にでる。君との付き合いは1年余りだ。それでもいいなら付き合おう。』
よくまぁそんな事を彼女に言えたものだ。

彼女は武道で知り合い、お父さんがデンマーク人でお母さんがアメリカ人。
両親は離婚していて二人とも別々の家族を持っていた。
両親とも会ったことはあるが、(別々の家族に訪問した)
なんだか親という感じがしないな。
なんとなく、彼女からは寂しさを感じていた。
そんな女性に期限をつけて付き合おうなんて言ったのか。
今思えばひどい『しどい!』

そんな彼女と同棲を半年ほどしていた。
小さいアパートの部屋。彼女は日本語を外国語として選択していた。
もっと丁寧に教えてあげてればよかった。
だけど、週何日か彼女がキャンパス付近で働くレンタルビデオ屋さん
によって、彼女が終わるのを待ったものだ。
そこには少しだがロッククライミングが練習できるところがあった。
一緒にburritoをよく食べたな。

一緒に山を歩き、彼女が川で転ろび、水にぬてれしまった事があった。
すかさず、俺は水に飛び込み俺の方が濡れたぜ!って笑わせた。
家庭環境からか、彼女には一面ふっと悲しげな顔を見せる時がある。
今思えば、家庭環境もあるのかもしれないが、いつか俺が去ってしまう。
そんな思いだったんだろう。

ある日、彼女が妊娠してしまう。
その時、彼女はまだ大学生あと2年で卒業。
『産むことは考えられない。だから病院へ一緒に行って。』
彼女の女性としての決定だ。俺は文句は言えない。
それとは裏腹に『あぁ良かった。』と思っている自分がいた。
いたわるつもりで常に彼女に寄り添った。


本心は100%そこにはいなかったのだと思う。
彼女を守り続けたいと思うだけの愛情が無かった。
ましてや20代前半自分の精神年齢は10代前半。
『一人旅をしたい。』夢の途中
正直、彼女の存在は重かった。
将来の計画など全くない。
一年後また会う事を約束した。

メキシコ、旅の途中
数ヶ月経ち、彼女が会いに来る。
数日一緒に居たが、彼女の涙が別れを意味する。
旅の終わりまで待てないと。
最初っから彼女は分かっていたのかもしれない。
自分の心は彼女には無かったのだと。

数年後、日本で働く自分にSFからポストカードが届く。
『いつ会える?』カジュアルに思えたが、
彼女の抱えいた悲しげな自分への思いが蘇る。

あの時、子どもが出来ていたらどうなっていただろうか?
アメリカに住んでいたんだろうな。
アメリカ人の生活に、カリフォルニアの生活にあこがれて
5年もいた。
その子は今頃、25歳。
立派な大人になって何をしているのだろうか?
いや、一緒に日本に来ていたかもしれない。
離婚したかもしれない。
朝5時に色々考えてしまった。

今の私には二人の小学生の子供がいる。
毎日抱きしめて、頭や頬にキスするのが日課
愛していると言う感情がで過ぎてしまう。
こんな自分でいられるのも、過去の彼女のお陰なんだろう。











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