語学力

先日入ったある部署の長はハーフブラジル人
日系4世だという。
ファルラーレ ポーチュゲシュと唯一覚えているポルトガル語を
言うと、『えぇ?あなたポルトガル語できるの?』と驚く。
もう、30年近く前になるだろうか、ブラジルにバックパッカーとして
通過したのは。。。

マナウスから船でべレムに3₋4日船に乗って下った。
ハンモックで寝て過ごす、スペイン語が少しできたので
昼間は地元の子供たちと追っかけごっこをして遊んだ。
皆暇そうにぼーっとしている中、自分は子供たちとはしゃいでいた。
子どもも遊び相手が欲しかったから、格好の相手であったに違いない。
と無邪気に遊んでいると、突然目の前に
モレノ(茶褐色)の長い髪の毛にカールのかかった美女が
ワンピースを着て自分の前に立ちふさがる。
何の目的か?不思議に思った自分は彼女を見入ってしまう、
と突然、自分の顔を平手打ち『ビシャ』っと
あっけにとられた自分は何が起きているか、瞬時に理解ができない。

遊んでいた子供の親?
別に悪い事はしていないし、この子は二十歳そこそこで、年は若すぎる
と一瞬にして脳裏に色々と浮かび上がってくると、
次の平手打ちが飛んでくるのを察した。
同時に、その手をつかみ、平手打ちを逃れる。
そうするとも一つの手で平手打ちをしようとする。
顔面を逆の手でガードして、
どうしても殴りたいというそぶりで腕を振りかざしてくる彼女に対し
こっちはたまらず、胴にしがみつき、彼女を持ち上げ
船のデッキから川へ落そうと、彼女の身体を船の外に出す。
『これ以上殴ろうとするなら、落とすぞ!』と
ギリギリのスペイン語で説明する。英語だったかなぁ。。。
何語を話していたか忘れた。

『私の旦那は警察官よ。この先で私を待っているの。そうしたらあなたを捕まえるわ!』というようなことをポルトガル語で言っていたような気がした。あくまでも遊んでいた子供たちと会話していたのは、自分の初級スペイン語と、10歳以下のポルトガル語で、相手が自分を理解していたかはわからない。そんなもんだろう子供なんて。創造力が豊かだから。。。
結局その女性は、自分をもう殴らないという事で、船のデッキに戻し手上げた。それ以来自分には近づいてこなかった。

何故、彼女は俺を殴ったのだろうか?
そんな疑問が拭えなかった自分は、周りにいた人に聞いてみた。
『なんで彼女は自分を殴ったのか?』という事を。
その人は言う『お前が子供たちとだけ遊んでいて、彼女に注意を払わなかったから。』だという。
『え?』よくわからなかった。
が、暫く話していると、『目立つお前が、彼女を相手に話をしなかった。』
ようなこんな美人が一人でいるのに、お前の意識に彼女がいなかったことに
彼女は腹が立ったんだ。という。

ある停留所で船が止まる。数時間の停泊だった。
『アレグレ山』という場所だったと記憶する。
船から降りてくる人たちを出迎えてくれる人々100人ぐらいいただろいうか。軽く田舎の町を見てみようと降りたら、ある女性が駆け寄ってきて
『結婚して!』と叫ぶ。
『おっ?俺に言ってるの?』と自問自答する。
確かにこっちを見て行っている。
すれ違うまで彼女は俺に叫び続けている。『私を連れて行って!』
これまた美人女性でワンピース姿。

なんて国だ。

子どものお母さんと話をしていた。
ポルトガル語とスペイン語の会話なので、しかも自分のスペイン語は中級ほど、(アメリカで数年勉強していたから)相手の言っている事ははっきりと理解していないかもしれないが、『マフィオゾ』という言葉が何度か出てきた。
日本人はマフィオゾだという。
『あぁマフィア?ヤクザの事?』と思っていたら、そうでないらしい。
子どもをはらませて、逃げてしまう。そんな男性の事を
『マフィオゾ』というらしい。
最悪な日本人だ。

8年ほど前にあるブラジル人に出会って、その話をしていると
今はそういう積極的な女性はもういないという。
つまらない事でもこうやって語学を使っている事で
だいぶ向上するんだなぁと振り返る日々が続く。

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