見出し画像

イタリア留学記Ⅰ~初めての旅行編~

なぜ、イタリアなのか。。。

イタリアへの留学を決めたときにまず聞かれるのがこの問いでした。
語学留学というと、まずは英語を学ぶために英語圏を選ぶ人が多い中、英語も満足に話せないのにイタリアを選んだ私。英語も話せないのにいきなりイタリア…不思議か。

今回は、私がイタリアに惹かれたきっかけ、そして初めて訪れたときのことを自分自身の記録としてまとめます。ここからしばらくは旅行の記録になります。うろ覚えな部分が多いですが、この旅行で見たこと、感じたことをそのまま書いていけたらと思っています。

『イタリアに行ってみたい。』
そう思ったのは中学生の時。社会の授業中に大好きな資料集を熟読していたある日。世界最小の国、バチカン市国の紹介箇所がふと目に留まりました。
詳しい説明までは覚えてませんが、その景色、神秘性に
強く心動かされたのは今でも覚えています。その時から一番行ってみたい国NO.1の座はずっとイタリア・バチカン市国でした。

その願いが叶ったのは宝塚に入って5年目の時。
『パルムの僧院』という作品でヒロインをさせてい頂くことが決まり、その勉強のため相手役さんと一緒に訪れることになったのです。
ツアーではなく個人で、作品の舞台にもなったパルマを第一目的に、ヴェネツィア、ミラノ、そしてローマを巡りました。

初めてのヨーロッパ。しかも大好きな方と。
わくわくしながら12時間のフライトの後、飛行機はイタリアの上空へ。
夢に見ていた景色が実際に目の前に広がっていました。
初めて訪れたのに、初めてな気がしない。むしろ懐かしい気さえする。。。そんな不思議な感覚もありました。

降り立ったのはローマ、フィウミチーノ空港。
そこから電車で駅へ。空港で、預けた荷物がなかなか出てこないというトラブルもありましたがなんとかその日泊まるホテルへ到着。

まずはローマに3泊。(だったかな。)
コロッセオにフォロ・ロマーノ、スペイン広場、真実の口にトレビの泉(トレビの泉はまさかの工事中でコインを投げ入れることはできませんでしたが、天使たちが鉄骨に囲まれているという珍しい姿をみることができました)。

画像1

大好きなローマの休日に出てくる有名な場所を実際に訪れ、映画の世界観に浸り、写真を撮りジェラートを食べ、現地の人々と言葉を交わす。
英語はほとんど話せないので、指差しとジェスチャーで意思の疎通を図ってみる。この時に聞いた現地の人のイタリア語が、音もリズムもとても綺麗で耳に優しかったので、英語が話せるようになりたいと思ったのと同じくらい、イタリア語を話せるようになりたいと思ったのでした。

言葉の壁を感じる瞬間は多々ありましたが、残された数々の歴史的建造物に圧倒され、悠久の時の流れを感じ過去と現在が絶妙なバランスで共存している様子にロマンを感じ、そして、イタリア人の人の好さ、明るい国民性に度々救われていました。

(拙い英語でも道を聞いたら丁寧に教えてくれたり、鞄は前に持ってスリに気をつけるよう注意を促してくれたり。
ふらっと入ったピッツェリアでは、素敵な店員さんがさりげなく紙ナプキンにハートマークを描いてくれたり、目が合うとウインクしてくれたり。。。
日本ではまず経験しないようなことばかりで常に刺激をもらっていました。) 

ローマ滞在最終日。いよいよ憧れのバチカン市国を訪れる日。
バチカン行きのバスに乗り揺られること十数分。
10年以上恋焦がれていたその地がだんだんと近づいてきます。

バスを降りドキドキしながら歩みを進め入国の瞬間を待っていました。
いざ!思い焦がれた地に足を踏み入れ、震えるほどの感動が。。。

と、書きたかったのですが実はそれほどの感動がなく。。。

というより
”ここからバチカンですよ!準備はいいですか!?
‐—―はいっ、ようこそ!!”

というような明確な境界線があるわけではなかったので
気づいたらバチカン市国に入っていて(笑)ものすごく期待していた分、少々拍子抜けしたというのが正直な感想です。

しかし、入ってみるとやはり私の憧れていたバチカン市国。
入り口までの広場には立派な天使の彫刻がたち、壁には美しい壁画。
神々しい光に包まれて明らかに空気も違っていました。

澄んだ空気に心が洗われ、目の前にある素晴らしい建造物、美術品の数々。
そして資料集でみて心奪われた景色と同じものがが目の前に。。。

画像2

この風景を写真で見て恋焦がれてから10年。
実際に自分の目で見ているはずなのにまだ夢のような感じがして暫くボーっと見とれていましたが、周囲から聞こえてくる話声やほほに触れる風に現実であることを教えられ、やっと、憧れの地に立てていることを実感し、思いがけず涙が出そうになったことは今でも覚えています。

ここでは思い出にクロスのペンダントトップを購入。
この旅行の後に控えている公演で身につけ(彼女は敬虔なカトリック教だったので)、ひとつの作品を共にし、今でも大切にしています。

画像3

(一緒につけているメダイについては、嬉しくて大切な思い出があるのでまた改めてヴェネツィアの時に。)

ローマを堪能しつくし、次に目指すのは、この旅行のメインであるパルマ。
出発の前日から、電車や宿泊先を入念に確認しいざ出発。

イタリア留学記。
ミラノ留学にいたるまでまだまだ先は長いですが、この旅行を語らずして私の留学は語れないのでまずはこの旅行記にお付き合いください。

次はパルマ、ヴェネツィアを。文字数が許せばミラノまで。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
星乃 あんり Twitter/Instagram


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?