🐈と同姓になるまで。(1)


中学生から約7年付き合った彼氏とそのまま結婚することを夢に見ていた私は突然、このままでいいのかと不安になり、安定した幸せを手放す。

その後、今の旦那くんと付き合って半年でゴールインした当時22歳。


今までの恋愛遍歴を少しだけ紹介させてもらうと、私は面食いだ。顔が好みでなければ、自分が惚れ込んでなければ付き合った事がなかった。
ただ、旦那くんは違った。

全くと言っていいほど、顔が好みではない。

今でも覚えている。
大学四年生の国家試験の試験前々日。
ひと段落勉強を終え、お風呂に入ろうと携帯を脱衣所に置いたところだった。

ディスプレイに表示されている名前

……🐈くん

私の頭の中はハテナだった。
なんの用事だろうか?真剣に考えた。
その当時はただのバイトの後輩だった。
たまにわたしが恋愛の愚痴を聞いてもらっていた。

電話に出ると、

お疲れ様です!試験明後日ですよね?明日はバタバタしてると思ったので今日電話かけました。
試験頑張ってください。
試験終わったら打ち上げでもしましょうね!

それくらいのことを言って切った。

人にサプライズをする事はとても好きだが、気づかないサプライズをされる事はあまり経験がなかった。

シンプルに嬉しかった。

何が嬉しかったかというと、試験の日にちを明確に覚えていて気を遣ってくれた事だ。

その後試験が終わり、2人でボルダリングに行こうと言っていた。

当日は現地集合し、ボルダリングをした。
ただただ楽しかった。

その後ご飯に行こうと言われ、ついて行くとめちゃくちゃムードある水槽がいっぱいのレストランだった。

私はハテナだった。

まぁいいかとご飯を食べ終わると、店内から誕生日のサプライズの歌が流れ出した。

誰か誕生日なんかなーいいねー!なんて言いながら口いっぱいに食べ物を頬張っていると…

🐈あなたです!!

と。

私?10日も前の誕生日の私?

と思ったが、素直にありがたかった。
付き合ってもいないし、ましてや告白もされていないのに何故かお店の人に促され、ツーショットの写真を撮った。

トイレに行ってさぁお会計…と思ったら

🐈もう払ってます!!帰りましょう!!

なんと出来た後輩を持ったのか。

わたしはほろ酔いで自分の電車に乗ろうとした。
何故か🐈もついてくる。
私の知っている🐈の家は真逆だ。
ついてきたはいいが、何かを話す訳でもなく、🐈は電車で寝ている。

何をしているのか?
本当に分からなかった。

なんだかんだで家まで送ってくれ、帰宅した。


私は訳が分からず、家に帰った。

すると電話がかかってきた。


……🐈。

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