飛行体の夢


航空自衛隊のデモンストレーションか、暮れ始めた空の中を複数の飛行体が一列に連なってジグザグに流れるように滑らかに飛行している。先頭の二機はステルス型戦闘機であり、機首を真上に向けてこちらに腹を見せている。機体はシルエットのように真っ黒い。二機のステルス型戦闘機に続く四機の飛行体は四角い透明の箱であり、それらはステルス型戦闘機に連結されているわけではなく、それら自体が飛行能力を持っているらしい。箱の内部は桝で仕切ったようになっている。一つ一つの桝の中は事務所になっていて、事務服姿の女性たちが忙しく動き回っているのが手に取るように見える。


暗くなり始めた空の中を飛行体が飛ぶ。細長い立方体の柱状の飛行体であり、柱の左右には格子状の翼らしきものがある。飛行体は格子状の両翼に赤い光を明滅させながら、どす黒い桃色の夕空に見え隠れしつつ進んで行く。
標的を発見したのか、飛行体は柱の先端から盛んに火を発し始める。火の雫が左右に散って落ちて行きながら、夕空に浸み込むように消える。

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