恩人.二度目の"後悔"

 既視感の正体を思い出した。それは中学の頃まで遡る。
   当時の僕にはA子さんという本当に僕にとっての
          「恩人
なので正直A子さんさえ居てくれれば周りの人達から陰口を言われようが何されようが気にならないと思っていた。しかし何故かは分からないがこんな僕に優しくA子さんと同じ様に接してくれる人がもう1人いた。
                                 Nさん
        またしても女の子。
この子の事は入学式の時から存在は知っていたが放課後に学校に行った時A子さんと話をしていてそこから話す様になった。その子も頭がとても良く僕のイメージでは図書室にいるかずっと本を読んでいる。Nさんはあまり自分の事を深く話したりはしないがA子さんと3人で話したり僕と話したりしている時にずっと笑って聞いていた。
その笑顔を思い出した。中学2年の頃に僕は追い込まれ過ぎこの世から去る事を考えた事があった。しかし腰抜けな僕は「最期にA子さんに感謝の言葉を伝えたい。」と思い一旦去る事をやめ次の日の放課後教室に行くとA子さんはいなくそこにはNさんがいた。(後から聞いた話だがNさんも少し不登校の時期があったらしい。)
「あ、Nさん」(僕)
「あ、〇〇君来たんだ。今日はもう来ないじゃないかってさっきまで先生と話してた所だったんだよ」
「A子さんは?」(僕)
「今日早い事授業が終わったからもう帰ったんじゃないかな。部活の先生達も会議とか言ってたし。」
「そっか。」(僕)
「A子さんになにか用事でもあったの?」
「いや、ただ話したかっただけ。教えてくれてありがとう。」(僕)
「うん。バイバイまた明日」
「じゃあ。また明日。」(僕)
また明日と言ってしまった。じゃあ明日来ないとNさんに嘘をつく事になる。この最後のやりとりのおかげなのかは分からないが去る気は何故か無くなった。去る手前まではいったがその時に、A子さんとの思い出。あの3人で話した空間。Nさんの笑顔そして最後の「バイバイまた明日。」あのシーンがフラッシュバックした。
「去ったらもう会えないし嘘をついてしまうのか。」
と思い去る事をやめた。
    そのおかげで今の僕はこの世にいる。僕の
          「命の恩人
そして現在
「Nさんだ。あの時の」
その時脳裏に電撃が走った。
ずっと覚えていた訳では無いがこんなふとした事で思い出す位には記憶の手前にあった。(後から話を聞く感じ相手はこの事を覚えていないっぽい)
そして学校が終わり、家に帰り僕は中学校の卒業アルバムを探した。しかし無い。思い出した。中学を卒業したばかりの僕は拗らせていて卒アルなんていらねぇとか言って捨てようととした。しかし理性が働いて捨ててはいないはず。確か。そう思い探したが見つかる事はなかった。今の僕にとって
NさんA子さんとの
               「思い出
当時の俺をぶん殴ってやりたいと思った。大事にしろって。
そして探すのを諦めベッドに入った。
思い出してみると確かA子さんにもNさんにも卒アルにメッセージを書いてもらった気がする。しかし今の僕にはそれを確かめる方法はない。(探せばいいだけだけど)
そしてなんとなくスマホの画面を開きTwitterやゲームをしふとインスタを開いた。今使っているインスタ垢は中学を卒業した後になんとかA子さんと連絡を取れないかと始めたものだ。結果未だに見つかってはいないがその他色々な同級生のアカウントは見つけた。それをただ見つめ頑張ってんなーリア充だなぁーって思うだけの垢。時々オススメのアカウントを見て同級生を探している。そしてその日もなんとなくオススメのアカウントをみるとそこにNさんの名前と同じ名前があった。まさかと思った。こんな偶然。見に行くがNさんかどうかわかる様なものがなかった。
        「これじゃ分からない」
ふとストーリーをみると僕の知っているNさんとは違ったがそこには確かにNさんが写っていた。このアカウントは間違いなくNさんのアカウントだ。そして勢いのままフォローをしてしまった。僕はただ見るだけのアカウントだったので名前もアイコンもプロフもまったく自分と関係ない誰かも分からない状態でやっている。
その為なんだこいつって思われないかなって思いヒヤヒヤしながら毎回フォローしているのだが今回は勢いでやってしまった。そして大抵誰ですかってDMが来る。大抵無視しているが。するとそこには僕は初めてNさんのアカウントを見つけたと思っていたのに5年程前にNさんからDMが来ていた。「私の事覚えてる!?」自分はその時初めてDMが来ている事を気付いた。また自分ってダメだなって思った。この時に連絡していたら気付いていれば。そう思い今回は自分からDMを送ってみる事にした。しかし今の考えるとヤバいけど初手😂このスタンプを送った。頭がおかしいとしか思えない。もはや無視されてブロックされても文句は言えない。しかし思いの外早く返信が来た。
「誰」
そりゃそうだ。名前も訳の分からない奴からいきなり😂このスタンプが飛んでくるんだから。自分だったらもうブロックしてるかもしれない。そして今回こそはと思い自分が誰かという事を言う事にした。それで覚えていなかったらブロックしてさようならしインスタのアカウントも消して「あの頃」の事を忘れ新しいアカウントを作ろうと思っていた。正直当時中学の頃話をしていたとは言え俺が同じ立場なら連絡を返そうとは思わない。しかし
「え!〇〇!!!!」(原本そのまま)
まさかだった。
正直ホッとした。覚悟はしていた「誰?」って言われる。しかし返ってきて久しぶりのこのなんとも言えない感情におそわれた。そしてこの後自分は少しやりとりしたら終わるんだろうなって思っていた。しかし最初に反応があってから時間だけでいえば12時間ほどのあいだやりとりをしていた。もちろん相手にも生活があるのでずっと話していた訳ではないが。
正直自分はその日の授業はまったく頭に入ってこなかった。専門学校は辛い訳ではなかったが可もなく不可もない毎日を送っていた為相手と顔を合わしたり声を聞いてる訳じゃないがとても楽しかった。今の思えば相手からの返信に秒で返してたのは少し気持ちが悪いかもしれない。しかしそれほどその時間は楽しかった。色々な話をした。あの頃の思い出や5年ぶりとは思えない程深い話もした。互いに。
そして僕は最大の過ち取り返しのつかない事をしてしまった。話の中盤辺り。僕の恋愛話をしていた。不幸なのかはたまた幸運なのかは分からないが自分は7年付き合っていた彼女とつい先日別れた。しかも超が付くほど円満も円満。それが故にとても辛かった。何で仲が良くてなんなら明日水族館行こうと誘えば来てくれる程の関係なのに。まぁそれが原因。仲が良すぎでそれ以上の関係をお互いが求めていなかった。そして今僕の話している人は命の恩人だと思っている人。しかも5年ぶりに話してる。のにこんなに親身に話をしてくれいる。それは今の自分にはクリティカルな存在だったのかもしれない。
                        「〇〇は彼氏いんの?
テンションの上がっていた自分は言ってしまった。別に聞くのが悪いとは思わないけどこの関係性で聞くのはヤバい。
ここから先は相手に迷惑がかかるかもだから伏せるが色々恋愛ついて熱く語った。
そして色々な話を聞いてるうちに心の底から
                   「この子の理想になりたい
と思った。ここまではいい。思うのは勝手だから。
それをその子に言ってしまった。まぁまぁの長文で。ストレートでは無いけどほぼ告白の文章みたいな物を
          5年ぶりに
          インスタで出会った
         命の恩人にDMで
ダメな事のオンパレード。役満。そこからしばらくその子から返信が来なかった。そして自分も冷静になり謝り今日の事は忘れてくれていいよと送った。(何様こいつ)
かなり時間が経ってから全然気にして無いから良いよお風呂入ってたと連絡がきた。なんとも言えない気持ちだった。ホッとした気持ちとモヤモヤした気持ちが入り混じってグレーって感じだった。そこから1日に少しだけ話す日が続いた。
自分でもそんなに深く考えていたつもりはなかったが夜遊びが多くなった。友人達と昼間から朝まで遊んでる時が一番色々な事を忘れられたから。そして今回も思うのは、自分は学ばない。昔同じ様な経験で後悔したのにも関わらず同じ様な境遇でまた同じ様に後悔する。バカとしか思えない。しかしバカにでも出来ることはある。だから「ある目標」に向かって頑張るそれはバカでも出来ると自分自身が証明した事がある。このストーリーはその目標が達成出来た時また動き出すかもしれない。それが遠い未来なのか近い未来なのかは分からない。でも、

          頑張れ自分

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