![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105176305/rectangle_large_type_2_24729f33fea6a3cf85ba239f32418e0a.png?width=800)
蟲神器で強くなるために、その①情報を獲得せよ!
よく来たな!
私は長らくカードゲーム(以下TCGと省略)をしている。しかも、それを仕事にしている。かれこれ9年ちかくになる。TCGのプレイ自体は、1996年から遊んでいる。人生の半数以上の期間をTCGしているクレイジーガイって訳だ。
それなりに、長く携わっているので、TCG初心者よりも、有利にゲームを展開する方法を心得ている訳だ。
だけど、これらの多くは、私よりも、もっともっと強い、いわゆるプロと呼ばれているような、もっとクレイジーで弾けたプレイヤーから教えて貰ったことが多い。なかなか自分では気づけないものだ。
そんな気づけない、ちょっとしたTips(秘訣やヒントって意味)を紹介する第1回がこの記事って訳だ。
だが、まぁ、そんな難しい話をするつもりはない。あくまでも、初心者に向けた私からのプレゼントだと思ってくれ。
これを読んで、はじめての大会への不安の払拭や、勝つために何かを掴んで欲しいと思う。
情報を手に入れろ!
TCGは情報勝負だ。
いや、待て、カードリストをすべて覚えろとか、そういう話じゃない。そんなものは、プレイしているうちに勝手に覚える。お前が負ける度に、お前を倒した憎きカードを覚えるだろう。勝つたびにそれに貢献したカードはお前のかけがえのない相棒になる。無理に覚えようとするなどナンセンスだ。
私が話したいのは、ゲームの中で情報を獲る方法だ。
ゲーム中は盤面に出ている虫だけでなく、驚くべき程、いろいろな場所に情報が隠されている。それは、大海賊時代の財宝並みに、盤面という大海原からサルベージできる。
しかし、どこに何があるのかわからなければ、その財宝も探せず、お前は先の時代の敗北者となってしまう。
良かったな、お前はラッキーだ。この記事に出会ったのだから。もう、探す場所に迷うことはない。大会でのプレイの指針としてくれ。
エサ場のカードを見ろ!
相手のエサ場は、情報のオンパレードだ。1ターン目に何をセットしたのか?何ターン目にセットしなかったのか?それで見えてくるものが多くある。
![](https://assets.st-note.com/img/1683663647965-tNNYoTKSN7.png)
例えば、1ターン目に<ゴライアスオオツノハナムグリ>を相手がセットしたのならば、ほぼほぼ相手のデッキにはもう1枚同じカードが入っているだろう。そうなれば、2/20のカードが相手のデッキに入っていることがわかる。これは相手の秘匿されたデッキの10%に相当する。大きな情報アドバンテージを獲得している、まさに財宝だ。
また、ここから、相手の縄張りに、<とびだす>が入っている確率が減ったことも判明する。なんたって、最強の<とびだす>虫、<ゴライアスオオツノハナムグリ>は半分も減っているのだから。
もし、相手が2枚目の<ゴライアスオオツノハナムグリ>をエサ場にセットしたのなら、お前は最高にハイな気分になるはずだ。
相手の縄張りから、100%<ゴライアスオオツノハナムグリ>は飛び出さないのだから。
<ニセハナマオウカマキリ>がセットされたら?
![](https://assets.st-note.com/img/1683663697479-z0zUzRuCw0.png)
すべての蟲主の憧れともいえる<ニセハナマオウカマキリ>を相手が1ターン目にエサ場にセットしたら、2個の情報が得られる。
①<蜉蝣の閃き>でエサ場から場に出す算段があるかもしれない。
➁後半に出す予定だったカードが初手に来てしまい止む無くセットした。
①の場合、相手は1ターン目から虫を出してこない場合が多く、逆に➁の場合は1ターン目から虫を必ず出してくるだろう。
これだけでも、相手のデッキの全体像が何となく見えてくるはずだ。➁なら早いアグロ系デッキだろうし、①なら相手は手札を温存して一気にこちらの負かしにくるだろう。
相手の出方がわかれば、それに合わせて戦えばいい。
手札を増やしたい相手には、手札を増えないように戦えばいい。
さっさと倒しに来るデッキなら、耐えて、こちらが有利なコスト帯まで粘って、どっしり構えれば良いわけだ。
情報は、相手の弱点を浮き彫りにする。見えているウィークポイントをつくのが嫌いな奴はいないだろう?私だってそうする。TCGは勝負なんだから。
2ターン目に相手がエサ場にセットしなかった
このときに、何か警告が頭に鳴り響くのなら、お前のセンスは抜群だ。街中にふれ回っても恥ずかしくない。
そう、2ターン目にエサ場にカードをセットしないのはどう考えてもおかしい。危険信号だろう。
①相手は、お前をぶちのめせるほど、強い手札かもしれない。
➁もしくは、ぶちのめすために、手札を温存したい。
③または、セットできるカードが手札に無い。
①と➁はほぼ重複するが、まぁ、獲れる情報はこんなところだろう。
![](https://assets.st-note.com/img/1683663901961-ZZaQ5F8Etk.jpg?width=800)
相手が不可解な行動をするとき、その理由が必ずある。それを探ることで大きな情報を得ることができる。
そして、お前は選択しなければならない。相手をさっさと追い込んで、手札がそろう前に相手を倒すか、相手が対処しなければまずい状況を作り出す。もしくは、防御に徹し、相手の思うようにプレイさせず手札を増やさせずに自分の有利なコスト帯まで粘るかだ。
だが、この情報を獲たことで、お前が有利になっていることは変わりない。お前の選択でゲームがどう動くかを決めることができるのだ。情報があることがゲーム全体をコントロールすることにも繋がる。そろそろ情報の重要性が理解できたんじゃないか?
お前、そのカード今引いたな?
相手のプレイの流れから、手札と引いたカードをある程度予想できる。これも大きな情報アドバンテージだ。
例えば、相手が先手で、1ターン目に、エサ場をセットしてターンが返ってきた。お前も返しのターンにそうしたとしよう。
2ターン目、相手はさらにエサ場をセットして、<モンシロチョウ>を出して攻撃してきたとしよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1683664006369-aNrVCfYGOf.png)
この<モンシロチョウ>を相手はいつから持っていたのか?
今だ。2ターン目のドローでやつは<モンシロチョウ>を引いたと考えてよいだろう。
ナゼなら、1ターン目に出さない意味はほとんどないからだ。
あぁ、お前は賢いから、『1ターン目にゴライアスがとびだすのを怖がったんじゃないの?』とかをわかった風な顔で言うかもしれないが、そんなことを考える奴は2ターン目でも<モンシロチョウ>で攻撃してこない。残念だったな、だが、選択肢の出てくるお前の想像力は、TCGにおいて最も強い武器だ。悪く思うなよ、そこのスニッカーズでも食って落ち着いてくれ。
おっと、話がそれたが、合理的に考えてその行動と違う行動を相手がしたとき、相手が合理的な行動ができなかったと考えると相手の手札がある程度透けてくるわけだ。
例えば、ほかの場合だと、お前の出した<モンシロチョウ>を、相手は、次の次のターンに<塵芥虫の爆熱弾>で破壊してきたとしたら?
そうだ、賢いお前ならもうわかっただろう。相手は今しがたこのカードを引いてきたって訳だ。それは、お前が破壊した縄張りから獲たかもしれないが、何にせよ1つ前のターンにはその札は無かったって訳だ。祝いのバーボンだ、グッとやってくれ。
お前のデッキには<とびだす>はないな?
相手の縄張りを破壊するとき、お前は何を考えている?
<ゴライアスオオツノハナムグリ>の野郎がとびださないように、八百万の神に祈っている?
ノーノー、ナンセンスだ。
この時、一番考えないとならないのは、『相手の縄張りに果たして<とびだす>の虫がいるのか?』だ。
そのヒントとなる情報が縄張りの破壊時に隠されている。
そうだ!相手がどう、縄張りを取ったかだ。
相手が縄張りのカードを確認もせずに手札に加えたのなら、その縄張りには高確率でもう、<とびだす>の虫はいない。なぜなら、相手はそのことを知っているからさっさと手札に加えているのだ。
それらの虫をもう、手札に抱えているかもしれないし、なんなら、すべての<とびだす>虫がエサ場にセットされているかもしれない。
この情報を得れたのなら、相手をあと何回攻撃すれば、お前の栄光の勝利を手にできるかが見えてくる訳だ。
情報は勝利に直結する、だから、はじめにTCGは情報戦だと言ったわけだ。
お前はこれを知ってどう使う?
さぁ、読む前よりもお前は確実に強くなっただろう。相手の弱点を知る方法を獲たのだから。
何も最初からこの方法がすべて使えるわけじゃない。TCGは他にも考えなければならないことが山のようにある。
しかしだ、これを知っているのと知らないのとでは、今後の対戦で見る目が変わってくるだろう、それを人は成長と呼ぶ。
強くなること、それはすなわち成長することだ。お前の強さの糧に私がなれたのなら、この記事を書いた意味をあるってもんだ。そんときゃ、一緒に祝杯のエール酒でもやろうじゃないか。チアーズ!
さて、こんな最後まで読んでくれたお前に、私からもう一つはなむけを贈ろう。
お前が、もっともするべきは、情報を獲ることよりも、情報を獲らせないことだ。
今日、お前は情報の獲方を知った。これは相手も知っているかもしれない。なら、最大限お前は情報を相手に与えるべきじゃないだろう。
1枚エサ場に<ゴライアスオオツノハナムグリ>をセットしていたのなら、2枚目のそれをセットするのは相当に追い込まれたときか、手札でそれ以外を餌場にセットできないとき以外はやるべきではない。
相手に不用意に情報を与えないのなら、相手は指針が無くなる。勝手にゲームの海で迷って、誤った選択をしてくれる可能性があがる。
お前は今日から、縄張りを取るときは、<とびだす>があるフリをして、取るだろう。それでいいんだ、私たちはいつだって闘いの渦の中心にいるのだから。
もう、お前はさっきまでのTCGひよっこじゃない。荒野にかける戦士の道を歩み始めたのだ。旅はまだ始まったばかりだ。だが、お前はもっと強くなる。それは、お前が想像もしなかったほどに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?