4.お芝居の嘘

お芝居の嘘
お芝居の世界でよく言われることの一つに「お芝居の嘘」という話があります。お芝居自体が作り物の虚構だと言われればそれまでですが、そういうことではなく、お芝居の中でついてはいけない嘘がある、という話です。お芝居の嘘とはざっくり言うと、演者自身が舞台の上に作っている世界を壊す芝居をすることです。描いている時代や国・文化、その役の年齢・身分・性格、存在するはずの大道具小道具などが、一瞬にして崩れてしまい、お客さんに違和感を与えることになります。お芝居の嘘をつくことはお客さんを騙すことであり、芝居の世界が壊れることはお客さんを冷めさせてしまいます。

まずはお芝居の嘘の具体例をいくつか挙げてみます。

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