アナログ人間のデジタル化紀行vol.1

私は根っからのアナログ人間でして、スマホもパソコンも持っておりますが上手く扱えませんし、そのあたりの電子機器はおろかテレビ番組を録画するとかなんらか設定をするとかそういうところから得意ではありません。基本的になんでも紙に書けばいいと思っているし、紙に文字を書くのも大好きです。そんな私が急速に最近デジタル化しています。誰が喜ぶのかわかりませんが、その様子をシリーズにしてお届けしてみようと思います。

あれは2月中旬のこと。iPadを購入しました。舞台役者をしているのですが、次々改訂されていく大量の台本や大量の楽譜、役者に関係のない場面でのレジュメへの書き込み等、紙媒体に印刷しなければならないものが増えすぎて大変だったのと、元々気の進まないことはなかなかできない性分ですから、プリンターの電源を入れてパソコンやスマホと繋いで印刷するという手間がまずできないのです。

少し脱線しますがプリンターも言わずもがな電子機器でございまして、これも大変でした。一人暮らしを始めた際、一人でプリンターの設定をしたのですがこれがまた時間がかかるのなんの。私の家族は私以外は電子機器を使いこなしているので実家で暮らしていた頃は私の手で設定しなくても良かったわけですがそうもいかなくなったので、半日ほどかけて初期設定を終わらせました。

そんなこんなで使えるようにはなったプリンターですが、インクを交換したり紙をセットしたりは大変ですし、両面印刷を自動で行ってくれないので自分で紙を裏返さなければいけません。それがまた何度やってもできないわけです。何回説明を読んでも毎回逆向きになってしまい、ここで完璧主義が発揮されると一からやり直しをするわけです。ペーパーレスの時代に多大なるペーパーロスを生む日々でした。

そんな日々に終止符を打つべく、iPadの購入を決めました。iPadというのはすごいですね。起動して「Hello」「你好」「こんにちは」などと次々繰り出される世界の挨拶にお返事をしながら画面を開くとそばに置いていたiPhoneと連動し始め、データを共有し始めるではありませんか。なんという革新的な道具なのかと思いました。

しかしiPadの性能に喜んでいるのも束の間、Apple Pencilをどう使うのか、どうすればページを捲れるのか、指では描けるのかどうなのか、まだまだ道のりは遠いようでした。

まずはPDFファイルを読み込んで保存、書き込みのできるアプリをインストールしてみました。ペンのマークや消しゴムのマーク、◯と△のマーク、点線のマークなど、たくさんのマークをタップして試してみました。◯と△のマークを押すと、なんということか適当な線を引くだけで直線になったり、適当な丸を書くだけで綺麗な円になったりました。これには驚きました。こんなに賢いものなのかと。まるでこちら側の意図を読み取ってそれを整理整頓しているかのようで少しばかり怖く感じもしました。点線のマークを押してみると、自分の描いたものを選んでそのまま動かしたり消去したりすることができました。これにはびっくりです。まさに紙のレジュメにメモをとっていた頃から、もっといえば小学生や中学生の頃から、自分で書いたこの文字をそっくりそのまま移動できたらいいのにと思っていましたから、私のちょっとした願望が叶って嬉しい気持ちになりました。

それにしてもiPad上で文字を書くというのは難しいですね。私は紙に文字を書くのが大好きなので、綺麗に上手く書けないことに少々イライラします。しかしiPadは紙と違って間違っても跡形もなく消し去ることができるのでその点気持ちが良いです。

まだまだiPadを使い始めて1ヶ月にも満たないのですが、それでもiPadの利便性には驚く日々です。アナログ人間のデジタル化紀行、まだまだ続きます。

これにて。2024年3月4日。

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