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脊髄造影(頚椎腫瘍 3)

 入院した日に担当の看護師さんから、毎週月曜日に手術の予定が決まると聞かされた。
「じゃあ、私の手術がいつになるか、来週決まるんですね?」
 とたずねると、
「手術を待っている人はたくさんいるから、アンヌさんのが来週決まるかどうかわからない」
 という返事だった。

 がっかりしていたら、翌日、N先生から来週の月曜日(22日)に手術することになったと告げられた。
 入院するように言われたのが前の週の木曜日で、火曜日には入院できた。そして、水曜日には翌週の月曜日に手術することが決まったのだ。なんと素早い対応だろう!

 後でわかったことだが、私の足の症状が急激に悪化していたため、手術を遅らせれば遅らせるほど回復できなくなるおそれがあったそうだ。中井先生の英断に感謝!

 11月17日(水)尿検査、血液検査、血液凝固検査、頚椎と胸椎のMRI。
 11月18日(木)脊髄造影検査、CT。

 脊髄造影検査は、背中に麻酔を打って、脊髄に造影剤を注入しながらのレントゲン撮影だ。
 N先生の説明によれば、脊髄の神経は硬膜という膜におおわれた髄液の中に浸っていて、言わば水栽培の植物の根のような状態になっている。
 そこに造影剤を入れて、腫瘍が神経にどんな状態でできているかを調べるのだが、私の場合は腫瘍が大きいので、下から入れた造影剤がせき止められて、下側の状態しかわからないかも知れない。もしそうなら、首の上からも麻酔を打って、新たに造影剤を入れなければならないとのこと。

 あらかじめ、造影剤が脳に行くと頭痛や吐き気が起こるので、頭を下げないようにと注意されていたから、首の上から造影剤を入れたりして大丈夫だろうかと心配になってしまった。

 レントゲン装置は特殊なもので、患者が立って台に寄り掛かっていると台の方で横に倒れる。私は背中に造影剤の針を刺されているので自由に身動きできず、「体をエビのように曲げて」と言われるままに丸くなっていた。
 先生や技師さんたちが何人もで台の向きを変えたり、患者の向きを変えたり、大変な作業だった。

 有り難いことに、造影剤は腫瘍の上までうまく回りこんだらしく、首から新たに注入されずに済んだ。

 その後続けてCTを撮るということで、ストレッチャーに移って隣の部屋へ運ばれ、寝たままCTの台に移された。
 このとき体を水平にされたので、頭に造影剤が行ってしまうのではないかと気になった。
 技師さんに聞いたら「大丈夫ですよ」と言われたが、CTを撮る時間がいやに長く感じられた。

 検査の後は水をたくさん飲んで、造影剤を早く出してしまうように言われていたので、ペットボトルの水を何本も用意しておいた。
 ベッドの頭の方を上げて寝たまま、ベッドから起きても歩いてもいけない。水を飲んでトイレに行きたくなったら、看護師さんに車椅子で連れていってもらう。
 水は1リットル以上飲むように指示されたが、どうやら飲み方が足りなかったらしい。

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