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#08 イジワルだった子供の頃…

子供の頃、わたしはとても意地悪だった。

三月初日は驚くほど穏やかで暖かく、タイムリーに仕事も休みだったので、まったりしたり、軽い運動をしたりして過ごした。
さて。
次は何しよう。
ふとぼんやりした瞬間、水の底からぷかりと空気の泡が浮かび上がるように思い出したのは、子供の頃のイジワルな自分。

雨の日だった。
わたしは小学生だった。
あの頃は、近所の子供たちで班を組んで、一列に並んで登校するのが決まりだった。
わたしの前を歩く、少し年下のあの子。
わたしより年下なのに、背はわたしより高かった。
大人しくて物静かな子だった。
わたしはなぜか、その子の事が気に入らなかった。
だからイジワルをした。
雨の日って、歩いていると、自分で自分の足に水が跳ね返ってきますよね?わたしは歩くのが下手らしく、雨の日はいつも、ふくらはぎがびしょびしょでした…。
わたしはその日、それを装って、その子の足に水を飛ばしていたんです。
足を上げる時、わざと爪先を跳ね上げて、靴についた水滴を『ぴっ』って飛ばして、前を歩くその子のふくらはぎにかける…。
あの子、何度も後ろを振り返って、足を確認してたなぁ。
多分、わたしがやっているって気が付いていたと思う。
それでもじっと耐え、前を向いて歩いていたあの子。
思い返すと自責の念に堪えない。

っていうか、わたし、ヒドイな!?

作家ぶってこんなん書いてる場合か!?
今振り返ってみると、子供の頃のわたしは、

お前はスサノオか、暴君ネロかよ!?

っていうくらい、傍若無人な振る舞いをしていました。
大人になって社会に出て、色々あっていろいろ勉強して。
だからこそ、時々思い出される青き日の過ちに、どうしようもなくいたたまれなくなることがある。
あの時に戻って、あの子に謝ることはできないけれど。
でもせめて、この場をお借りして謝りたい。

本当に幼稚で申し訳ない。

こんなヤツでも、平和に生きて、大人ってヤツをやれています。
なんかホント…スミマセン…。

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