怒1

土曜日は犬、夫、私で白馬に遊びに行った。とりあえず湖で水遊びをした。で、今年に入ってから白馬に有名アウトドア用品メーカー直営の複合施設が新しく作られたときいてずっと気になっていたので、行ってみることにした。アウトドア用品販売所、多目的広場、飲食店、キャンプ場から構成されているとのことだ。私がスマホのグーグルマップで経路を確認し夫が運転するかたちで向かったのだが、所在地を検索する際「白馬 ◯◯(アウトドアメーカーの名前)」と入力して一番上に出てきた施設への経路を追っていたら、そこも確かに件の有名アウトドアメーカー直営ではあるが目指しているところとは別のキャンプ場兼宿泊施設であることが判明した。ここは本当に車が通っていい道なのか?と不安になるような細く険しい山道を経た末によくわからんスキー場の駐車場に辿りついたところでナビ役の私はめちゃくちゃ機嫌を悪くし「紛らわしい名前の施設を二つも作るな」「グーグルマップのサジェスト機能がクソ」「どうせ私のこと無能だと思ってるんだろ」「夫がトイレ行ったぐらいでキャンキャン鳴くな」などとアウトドアメーカー、グーグルマップ、夫、犬の各方面に当たり散らし座席前方の収納ボックスをガンガン蹴りつけた。どう考えてもそんなにキレるような事ではない。夫は横で失笑していた。ひとしきり怒りまくって気が済んだらなんか恥ずかしくなったので「でも山の景色はよかったと思う」「取り乱してすまんかった」と犬と夫に謝った。夫は「ほんとに短気だよねえ」と苦笑した。

ようやくたどりついた目的の施設はなんかお洒落っぽい建物で、でっかいスタバとレストランと出店が並ぶ広場があって、アウトドア用品もいくらか売られてたけど思ってたよりはこぢんまりしてて夫と私にはあまり響かない感じの場所だった。むろんうちの犬も野放しの自然で駆け回るのが好きな性分なので、お洒落な店があろうが心に響くはずもない。勢いよくリズミカルに水を噴出するスプリンクラーが広場に2台設置されていて子供達が水の軌道を追いかけてはしゃいでおり、それだけはちょっといい光景だなと思った。犬は敷地の外にある用水路の水に浸かってにこにこしていた。ベンチに座ったり散策したりしている大人たちからはうっすらとした倦怠感と憂鬱さを感じた。こういう遊興施設で過ごしている大人はだいたいちょっとだけ退屈そうにしている気がする。もっとも、私がそういう場所で退屈してしまうきらいがあるから周りの人達の様子に自分の心持ちを投影しているだけなのかもしれない。アウトドア用品の方は、ポケットがたくさんついてるベストがキャンプ作業や犬との訓練時に使えそうだなと思って軽い気持ちで値札をみたら3万円を超えていて貧民に厳しかった。

私はやっぱりモンベルが好きです。

終わり

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