ホラー創作「東京都錫見原市は存在しません」について、感想など

 もちろん現実において東京都錫見原市という土地は存在しない。
表題「」内のユーザー名がついた創作アカウントがtwitterにあるので、まずそれを表示させて一番上にあるプロフカードを読めば作品のコンセプトは理解できるようになっている。アカウントの中の人(錫見原市に住む高校生という設定)の日常ツイートを読み、疑問などがあればどんどん話しかけてほしいとプロフカードにあったのでたまにリプライを送って楽しんでいる。2023年4月17日現在、話は進行中でありどういう結末に向かっているのか見当もつかないが、ちょっとずつ更新されていく出来事を追っていくのは新鮮でなかなかおもしろい。私には考察なんてできないので、自分の頭の整理がてら4月17日時点での感想や印象を書いておく。

【ツイートから得られる情報や推測など】
・錫見原市に住んでいる人で、錫見原市が存在しないことに気づいているのはアカウントの中の人(以後中の人と表記)だけっぽい。中の人の失踪した兄も知っていた可能性が高いらしい。
・いま錫見原市では各所で異様に損傷した人の遺体が頻繁に見つかったり、行方不明者がとても多かったりと不穏な状況。高校敷地内で人間や他の動物の塩漬けにされた眼球がみつかったり、公共コインロッカーに行方不明者とDNA情報の繋がりがある嬰児の遺体がいくつも突っ込まれていたり、神社の鳥居で首吊りをする人が複数いたりなど猟奇的な事件が多い。中の人を含む市民は、物騒なことだという認識はしているもののあまり動じていないっぽいので不気味。
・錫見原市では21時から22時の間には就寝し、夜間は外出しないことが推奨されている。コンビニの夜間勤務に従事しているなどでこの条件からはずれた生活を送る市民もいるが、行方不明になる確率が高いらしい。夜はしっかり眠りについていることが重要らしく、市外からの観光客を多く受け入れている旅館には「寝つきが悪いなどの睡眠障害を持っている人はお声がけ下さい」「もし夜中に目が覚めたらフロントに申し出てください」という注意書きが貼ってある。中の人は睡眠に難がある人はそもそも錫見原市に来ないほうがいいし、健康な人もいちおう睡眠改善薬のたぐいを持っていたほうが安全だと語る。夜間に活発化し人をさらうなどの害を加えるバケモノがいるのだろう。(※後述)
・市内にいるカラス、犬、牛などの動物は喋る。市民はそれを普通のことと認識している。現時点の印象だと、カラスは人間に友好的、犬はまぁ友好的、牛は要注意(危険)なのかなという感じ。見た目も我々が認識しているものとは少々違っていて、カラスは3本脚のヤタガラスっぽい形態だったり牛の脚の数は6本で爪が尖っていたりする。犬の説明だけ「かわいい」「ダックスフントみたいなのもいる」だったのが和んだ。神社の行事などでカラス関連の存在を祭っているのと、日常的にあいさつしたりエサのやりとりをしている描写から人間にはわりと優しいのかなと推測した。不審な事件が起きた場所周辺でカラスが増えたりするので最初こわいのかなと思ったけど、人間のために警戒して見守ってくれているともとらえられる。残された人間の遺体に群がって食べていたりするのも、カラスが犯人なのではなく何者かが殺して放置したのを習性に従って食べてるだけなのかな…?牛に関してはガラの悪い怖い喋り方というのと、ある牧場では喋る牛が産まれたら不吉な予言をしてすぐ死ぬというのがまんま件(くだん)じゃんというのが印象に残っている。最近そういう喋る牛が産まれたら「カラスを殺せ」としか言わないらしい。動物同士でなんか対立しているのかな。これは重要な情報なのかどうかわからないけど、カラスは駅員と喧嘩をするが犬は駅員と仲がいいそうだ。

【気になること】
人間のバラバラ死体の詳細について中の人に尋ねたことがある。断面は滑らかだったり噛み跡が残っていたりと、場合によっていろいろらしい。怖いし心配ですねというと「物騒ではありますけど、人間のしわざじゃないならルールが分かっているので問題ありません。厄介なのは人間がやっている場合です。人間は目的のためにルールを無視しますから」と返答されたのがなんとなく引っ掛かっている。怪異的な存在や何か企んでいる人間は複数存在する?

【おすすめの辿り方】
虚心坦懐に、いちばん古いツイートから順に読むといいです。他のユーザーが質問や雑談を投げかけてそれに返答しているのも読むと新たな発見があったりより詳しい状況が分かったりするので良いと思います。たまに引用リツイートでよくわからない発言をしている謎のアカウントが存在しますが、そっちの動向もチェックするとおもしろいかも。もしかして作品関連のアカウント、他にもあったりするのかな。


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