好きな話

町田康の人生相談の本が好きでたまに読み返す。色んな人の悩みが載っているが、特に好きな相談と回答がある。「とにかく欲という欲が無くて、全てがむなしい。悟り開いちゃったのかも、俗っぽい欲が自分にもあればむしろ幸せだったのかナー」みたいな相談？ボヤき？に対し、町田康が「言いにくけど、それはもしかして貴方は色んな経験があまりにも乏しくて、欲望を抱くレベルに到達していないだけなのでは」と答えててウケた。確かに、トンカツの存在を知らない人がトンカツ食いてえとは思わないし、女体の存在を知らない人が女とセックスしてえとは多分思わないだろう。私はこの相談にウケると同時に苦々しくも思っている。相談者と自分のメンタリティが非常に近しいような気がするからだ。

終わり