ずるずるべったり

 通勤時に車で通る交差点では、選挙前に政治演説をしている人たちがいる。田舎の街と街をつなぐ中継地のような場所であり付近に心ひかれるような施設もなく、交通量はそこそこ多いものの歩行者はほとんどいない。みんながただ通り過ぎるだけの場所だ。そんなところで演説をして効果があがるのだろうか。渋滞で信号待ちの車列がちょっとずつしか進まないような時間帯であればドライバーの耳に多少届くかもしれないが。土曜の朝、動物病院へ行く為にその交差点を通ったら何やら演説をしている人達がいた。なにかの選挙があるんだっけ?にしても、土曜の朝だから平日より車通りは少ないし大部分の車が信号にひっかかることなく一瞬で通り過ぎてしまう。場所も時間帯も良くないんじゃないか?と助手席から注目したところ掲げてあるパネルのつくりも何だか雑で、真っ白な紙に黒い手書き文字で

ずるずるべったり 〇〇党(※ 今の政権与党の名)

と書いてあるきりだ。一瞬で通り過ぎてしまったので与党がなんらかの営利組織と癒着しているのを批判してるのかな?ということぐらいしか分からなかった。インディーズの思想団体だったのかもしれない。その日一日は我が家でずるずるべったりというフレーズが流行した。

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