ショーペンハウエルの本に線が!
図書館でショーペンハウエルの『読書について』を借りたら、以前借りた何者かの手により鉛筆で何ヵ所も線が引かれていて腹が立った(体毛が挟まっているより腹が立った)。2、3ヶ所・数行程度ならまだいいが、数十ページに渡ってである。1ページまるまる線を引いている箇所さえあった。断言するが、線を引く行為自体に満足してろくに理解を深められない自己陶酔タイプの輩に違いない。他の人も読む貴重な本を汚す行為も嫌だし、自分がメンションした箇所を他人に見せても平気、むしろ見せびらかしたいと思ってそうなところが腹立つ。古本屋で安く買った本に前の持ち主のひいた線や書き込みが残っているのとはわけが違う。読もうとしてもイライラして内容が頭に入ってこないし、図書館の人に私が書いたのだと思われでもしたら癪だと思い消しゴムですべての線を消した。こうなってくると、ペンでなく鉛筆で筆圧弱めに線をひいているところも狡猾に逃げ道を用意している感があってますます腹が立つ。図書館の人もちゃんとチェックしてくれよ。リカバリーできない汚損がある本は通常ラベルにその旨表示してあるのだが、この本には何も表示してなかった。まあ、けしからぬ傍線はぜんぶ消したのでこれでやっと本の内容に取り掛かれる。『読書について』である。ショーペンハウエルという哲学者の、本という媒体や読書という行為についての考えがいろいろ書かれている。まだちゃんと読んでないが、大衆に迎合した本を何冊も読んで読書家でございと威張っても仕方ないとか、一気にすばやく読みきるのを競うのは無意味で繰り返し読んで考えを深めるのがいいとか、そういったことを書いているのは確認した。図書館の本に線を引くやつはアホだという記述もあって欲しい。
線を引くのは自分の本だけにしてね。
終わり
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