日曜日の幻想

 

上記の夢に補足すると、舞台は氷山に囲まれた寒い海と森林であった。また、海中に漂う黒髪の女の子の死体(目が皿のように大きい)がこっちを見てきてじわじわと墨汁のように拡散していく場面などもあった。たぶん、朝見たアニメで女の子が河童に溺れさせられるシーンがあってそれが頭に残ってたんだと思う。昔はずいぶん幻想的でおもしろい夢を見たものだが、歳をとるとありふれた日常生活のワンシーンをなぞるようなさほど面白くない夢ばかり見るようになった。今日は珍しくおもしろい夢だったので記録しておく気になった。
 数ヶ月前、河合隼雄『明恵 夢を生きる』という本を読んだ。もしかしたら以前の日記にも少し書いたかもしれない。明恵(みょうえ)は鎌倉時代に生きた高名な仏僧で、生涯にわたって夢の記録を書き続けたことでも知られる。自らの思想や悟りの道を深めるインスピレーションを得る目的で記録していたらしい。夢日記をつけると明晰夢が見やすくなるとか、現実と夢の区別がつかなくなり精神が破綻するとかのオカルト掲示板で囁かれているような胡乱な話とは趣がちょっと違う。精神医学や心理学や夢分析などが発達していない時代に夢に着目して記録分析を試みたというのがすごいし、書をなすほどの示唆的な夢をたくさん見ているのもすごい。私の夢はというとただひたすら小便を我慢しているとか上司に叱られるとか、日記に書くのもくだらないと思えてしまうようなものばかりだが、これから試しに夢を覚えていたら日記に書き加えるようにしようと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?