初歩のロシア語を聴いている

 政治情勢のせいで、noteで日記を書くときロシアという単語を出すと上部に「政治関係のデマに注意せよ」という無粋な警告文が出てきて気に食わない。私は単にロシアの小説とか風習とか言語とかについて感想を書きたいだけなのに。noteの機能には気に食わないところがあって、以前ヘッドマッサージが気持ちいいという日記を書いたところ「性的な内容である可能性が考えられるので見た人に警告文が表示されます。異議がある場合は送信フォームに理由を書いて提出してください」というメッセージが表示され、アホか!と思った。日記を書くのにふさわしいインターネット上の場所については今後もさがしていきたい。なんとかバズって名をあげたい、金を稼ぎたい、民を扇動したいと願うやつらが蠢くのと同じ場所で日記を書くのがなんだか面白くないのだ。じゃあパソコンのメモ帳にでも書いてろよと思うだろうが、全く人目に触れる可能性がないというのはそれはそれで嫌なのだ。なのだなのだうるさいな。下種野郎。と、これは自分に対して言っています。

 放送大学の『初歩のロシア語 ’22』をradikoで聴いている。正式な受講ではなく、テキストを購入して参照しつつラジオで聴いているというだけだ。ロシア語は英語にくらべてアルファベットも全く違うし細かな規則が多くすべて把握していくのが難しいが、おもしろい。そもそもtwitterでこんな課目が開講されるよという情報を見かけてなにげなく聴き始めたのだが、講師の話しぶりがはきはきしていて心地いいのと、ちょっと息抜き的なミニコーナーで紹介されるロシア文学の解説がおもしろくて興味が出てきたので講師の名前をネット上で検索したところ、有名なロシア文学者であることがわかった。東京外国語大学の教授でロシア文学の翻訳やエッセイ執筆も手掛けているという、沼野恭子氏だ。私は普段ロシア文学ロシア文学と騒ぐわりにこういう常識を知らない。新たな著作者を知れて本を読む楽しみが増えたと前向きにとらえよう。この間あらためてプログラムの紹介を聴いたところ、放送大学でロシア語の課目が開講されるのはじつに十数年ぶりだと知った。聴けてラッキーだと思う。ロシア語を勉強して何をしたいかというと、いつか旅行してドストエフスキーの小説の舞台になった土地を見て回りたい(サンクトペテルブルグなど)というのがあったが昨今の情勢を見るに一生むずかしいかもしれない。でも、ロシア語でロシア語小説を読めるようになったらさぞかし気持ちいいだろうなという希望もあるので、いずれにせよ勉強は続けたい。
 講義では沼野先生ともうひとりの講師であるアナトリー・ヴァフロメーエフ先生とのかけあいも味がある。そんなに雑談はないのだが、最初の課のほうでロシアのどんな飲食物が好きかという話題になり、アナトリー先生が「暑い時期に飲むクワス(ロシアの伝統的発酵飲料)がいいんですよねえ」とうっとりした感じで話していたのを覚えている。ちなみに私は去年の夏クワス作りに挑戦し、お腹をこわしたことがある。また作りたい。

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