ラジオを思う

茨城県に来て思うのは、茨城県特有のテレビ茨城とかラジオ茨城とかそういうローカル局が特に無いんだなぁということ。今まで住んだことのある幾つかの県にはどこにもそういうのがあったので、吃驚仰天まではいかないが「へえ、無いんだ」ぐらいのことは思う。文化的な帰属意識が淡白なのだろうか。私が住んでいるところは千葉県との境界すれすれだからか、カーラジオをつけるとベイFMという千葉県のラジオが聴ける。こないだ日立市にある爬虫類ショップへ行こうと思い、車で海岸沿いをずっと北の方へ進んだところベイFMの電波が入らなくなり唯一NHKのラジオしか選局できないという不毛地帯に入った。しかもその時の放送が能を音だけで楽しもうという趣向のもので我々にはハイレベル過ぎたので、ラジオは止して50TAとかSOUL'd OUTとかのCDで曲を流したのだった。うちの車は旧式なうえにUSBケーブルを繋ぐ装備が壊れたまま放置されているのでCDしか聴けない。なにもかも古い。そういうふうにしてさびれた街をいくつも通り過ぎ、曇り空のせいでくすんだ感じになっている海の風景を眺めてはコンビニで買ったやたら酸っぱいグミを咀嚼した。

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