ひとの恋バナ

同僚が、最近Twitterで話題のとある漫画を読んでるという(タイトルは失念した)はなしを聞いた。冴えない男子高校生が学校中でモテモテの可愛い女子高校生になぜだか好かれてしまうという内容の、冴えない男性の夢と願望がつまった漫画であるらしい。同僚は、その漫画を読んでいると好きな女の子に振られ続けた悲しい中高時代を思い出して胸が疼くのだがそれがクセになってなんか読んじゃう。と言っていた。彼は成人してから好きな人と付き合えて結婚して子供をもうけており、じゃあ良い人生じゃねぇかと思うのだが全然好きな女の子と付き合えなかった冴えない十代の頃の思い出が胸に劣等感としてくすぶり続けているそうで、それを聞いた私は「そうなんだ〜」と思った。

10代の頃の私はというと、性格的にも外見的にもカワイイ女子中高生とはかけ離れていたので男に言い寄られるなどの恋話とは一切縁がなく、振られて悲しいとかいう以前にそもそも恋愛をしたことが無かった。空疎な青春には、失恋の悲しみすら存在しないのである。その頃の私は恋愛話はファンタジーで自分とは関係のない宇宙人たちの営みだと思っていたふしがある。そういえば当時は風と共に去りぬとか山田詠美の艶っぽい短編集とかの恋愛要素を含んだ小説を読んだりもしていたのだが、どちらかと言えばエスエフを読んでいるような心構えで読んでいた気がする。

そんなわけで私は恋愛的に冴えない10代を送ったことに特にひけめを感じることなく愉快に暮らしています。私は興味ないひとの恋バナには全然興味がないのですが、自分が親しみとか好意を持ってるひとの恋バナを聞くのは多少は楽しいなっと思いました。

終わり

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