wondering

最近は不思議で不気味なテイストの動画を公開しているYouTubeアカウントを好んで観る。雨穴やバーバパパ(紛らわしいがここではフランス絵本のキャラクターではなく日本の動画投稿者)のミュージックビデオ、日常生活の死角で生じたバグのようなものやどこか別の世界で起こった出来事をテーマにした動画が特に気に入っている。こういった作品のコメント欄を眺めていると、「精神的につらくて何も観たり聴いたりする気が起きない時でもこれは無理なく視聴できるし落ち着く」という感想を頻繁に見かけるのに気づいた。自分もまさにそう感じていたので、他の人もそうなんだ。なんでだろう。と思った。
昔「鬱っぽい時は怖い話とか殺人鬼の記事とかを読むと癒される」という日記を書いたことも思い出す。あの時は、擬似的に生命の危機や他人の不幸を追体験することで自分の冴えない日常から気を逸らすことができ気が楽になるんだろうぐらいに解釈していたが、それだけではないのかもしれない。怖いという感情と不思議に感じることは非常に近い。不思議だな、よく分からないな、もっと知りたいなと思うことが生きる原動力になり、むしろ生そのものなのかもしれない。私が好きなホラー作家もインタビューで何故怖い話に惹かれるのかを質問されて「こんな時代でもまだ解明されていないこと、不思議なことが存在するというだけでワクワクして世界がパーッと開ける気がする」というようなことを言っていた。

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