ランヤへ二パウイルス (LayV)
2022年8月12日、日本国内のニュースで中国で新しいウイルスが見つかったということが一部報じられました。この新種のウイルスは「Langya henipavirus (LayV):ランヤへ二パウイルス」と名付けられたそうです。野生動物の検査の結果、ウイルスの宿主はトガリネズミであるそうです。
(YouTubeに速報ニュースの動画があがっています。以下の動画を参照)
(この他、Web上で閲覧可能な記事にも本ノートと同様の内容が掲載されています。例えば、https://www.afpbb.com/articles/-/3418849 など。)
本noteでは、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEという医学論文誌に掲載された論文に記されている内容を紹介します。文献に関する情報は以下の通りです。
まとめ資料
上の資料に、論文の内容のうち、医学研究者でない私のような人も気になるような内容をまとめました。
(上記資料はGithubでも公開しています。)
感染者の症状
論文ではLayVの感染事例が35例確認されたことが記されており、そのうちの26例について、症状の分析を行ったということが記されています。
その結果、26例全てで発熱が確認されたこと、またすべてではないものの、下記の症状がみられたことが記されています。
疲労感
咳
食欲不振
筋肉痛
吐き気
頭痛
血小板の減少
白血球の減少
肝機能障害
腎機能障害
感染経路、感染事例について
現時点ではランヤへ二パウイルスのヒトからヒトへの感染は確認されていないそうです。今回確認された事例の感染者同士が濃厚接触者の関係ではないこと、また一部について、家族など濃厚接触者の調査も行われてヒトからヒトへの感染は確認されていないことが述べられています。感染の連鎖は現時点では報告されてなく、散発的に感染事例が確認されているという状況です。なお、ヒトからヒトへの感染について、サンプル数が少なく適切な評価ができない状況であることも述べられています。
論文中では感染者の属性をまとめた図(以下の図1を参照)が掲載されていました。感染者のほとんどが農業従事者であることが図からわかります。
本記事について
本記事の内容は上述の文献を読んで作成したものです。
私自身は感染症の専門家でも、感染症を専門に学んでいる学生でもありません。内容や専門用語の訳し方などに不備があるかもしれません。もし、本記事の内容及びまとめ資料に誤りがある場合は、noteのコメント機能で教えていただけますと幸いです。
本記事の内容及びまとめ資料は2022/8/12時点での情報(上述の文献のみ)を基にまとめたものです。今後も機会があったときに、ランヤへ二パウイルスに関する情報を更新したいと思います。更新時に最新の知見によって、一部情報が修正される可能性もあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?