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独学で編入試験の論述問題・小論文を突破する(基礎編)

 こんにちは、アンコウ(@Ankou_transfer)です。
私は普段から質問箱をやっているのですが、割とよく見る質問に「小論文や論述の対策は独学でできますか?」というのがあります。

 たしかに論述対策は非常に重要です。(経済学部もですよ)
それなのに実は意外と言及している記事って少ないんですよね。そこで今回紹介していきます。

まずそもそもの前提として小論文(経済)を課す大学を独学で突破するのは非常に難しいです。
それでも独学で突破したい人はいらっしゃると思います。
では独学で突破するための戦略は何か?

おすすめの戦略は 英語(TOEIC)でかなり高得点を取って、小論文で無難に逃げることです。

そして今回は小論文で減点されないための戦略(負けない戦略)を伝えていこうと思います。いろいろなNGパターンをご紹介していきます。独学での突破は難しいですが頑張っていきましょう!小論文では無難な戦略が一番強いです。

(注)私はそこまで小論文をがっつりやっていないです。最終的には予備校の人とか添削がちゃんとできる人にも見てもらいましょう。一応この記事になぜそういった第3者の目が必要かも書いておきます。

(第1ステップ) 知識をきちんと身に着けよう

 経済学部の論述には知識を問う問題があります。こういった問題については、いくら書き方が完璧であろうと知識がないと点が取れません。なので知識を入れることは「前提」です。
知識は基本的に努力量に比例します。独学勢は特にここで差をつけられないようにしましょう。実際小論文の試験とはいえ、不合格の原因が知識不足だったのは割とよくある話です。

(第2ステップ)小論文を書いていこう。

1年生の方や経済学部以外の志望者も読んでいると思いますのでなるべく専門的な例は避けます。
またわかりやすいようにシンプルな文章を例に紹介していきます。

それではどうぞ。

テーマが詰め込み教育に賛成か?だとします。
そしてこんな文章を書いたとしましょう。

(例)詰め込み教育に私は賛成だ。
詰め込み教育では子供たちの負担が増えるという意見もあるだろう。しかし、記憶する力や理解する力は大切だ。社会においては覚えなくてはいけないことや相手の状況を理解しなくてはいけない場面が多いからだ。
また、詰め込み教育は知識を一気に詰め込ませる。そのため学習効率は良い。やはり、若いうちに1度は辛い訓練が必要となってくるのだ。
以上の理由で私は詰め込み教育に賛成する。

この文章いろいろと問題がありますよね。1つ1つ見ていきましょう。

NGパターン① 結論を急ぐ。結論の根拠が弱い。
 字数が制限されている場合、結論を急ぐ方がいらっしゃいます。でも小論文では御法度。
 この文章短いってのももちろんあるんですけどいきなり「若いうちは辛いことを経験しろ」って老害みたいな意見になっていますよね?
これを読んだ人は「?」と思うでしょう。なぜなら若い頃の辛い経験がなぜ良いのかに触れていないからです。
例えばここに「社会に出たら忍耐力が必要である。忍耐力を鍛えるためには、つらい経験があった方が有利。つまり社会で生きていくうえで辛い経験は結果として役立つ」を付け加えたとします。
先ほどよりは結論に納得がいきやすいのではないでしょうか?
 このように結論をサポートする理由をきちんと書かないと小論文は減点されます。今回のように極端な例だと分かってくださるんですけど意外と長く書いたりしていると見落としがちですので気をつけましょう。

NGパターン② 反論が雑、反論になっていない。
 小論文の書き方として 意見→それに対する反論→反論して自分の意見を再主張 っていうのを見かけます。
この「型」を知っている方は多いのですが、問題は来るべきであろう反論に対してきちんと反論できていない文章を割と見ることです。
今回私が例であげた文章はわかりやすいと思います。反論できていませんよね?
反論した人(Aさんとします)「子供たちの負担が増えるじゃないか?」と「負担」について言及しているのに、それに対する反論が「記憶力」や「理解力」についてです。これではAさんは「あれ??負担はどうなの???」と疑問が解決しないままです。
つまり今回のAさんの反論に対する反論は「負担」に紐づけられていないとダメです。例えば「詰め込み教育で知識がたくさん身につくと理解力があがる。理解力が上がると勉強の効率が上がる。結果として宿題などが早く片付くなど長い目で見れば、負担が減る」や「負担をかけた方が子供の学力は伸びる。実際詰め込み教育時代の子供の方が学習能力は高い。負担をかけた方が子供たちの能力が伸びる。このように詰め込み教育によって負担をかけるデメリットをメリットが上回る。」 このようにしたらどうでしょうか?

今回は極端な例でしたが、反論がきちんとできていない文章は割と多く、また書いてしまうと減点対象になります。気をつけてくださいね。

NGパターン③(超重要) 自分の中の「常識」を使っていて客観的ではない。
 今回反論として「記憶する力や理解する力は大切だ」と書いてあります。
そして理由として「社会においては覚えなくてはいけないことや相手の状況を理解しなくてはいけない場面が多いからだ。」と書いてあります。
一見悪くなさそうですが、問題があります。詰め込み教育で「記憶力・理解力がつく」というのは正しいのでしょうか?社会において覚えることは本当に多いのでしょうか?
今回一番重要なテーマでもあるんですが、「常識」「言わなくてもわかるだろう」というのは非常に怖いものです。
 
芸能人とかが何か発言をして炎上していたりしますが、彼らの発言は彼らにとっては「普通」のことであったりします。それでも炎上してしまいました。原因はいろいろとあるでしょうが、他の人の「普通」と不一致だったというのも1つあるでしょう。
他の人が理解できないことや違うことをいうと反発を招きます。
小論文でも同じことが言えます。
「(自分の中の)常識」を使って書いてしまうと大きな反感を買う可能性があります。加えて小論文の問題で「常識的に考えてこういう意見です」みたいな論文を書いたら確実に0点です。なぜなら小論文は白黒はっきりしないテーマを持ってくるからです。小論文で「常識」の取り扱いには気をつけましょう。
 この「常識」ってやつは本当にやっかいです。(しつこいようですがここすごく大事ですよ)実際小論文で「これは常識だからわざわざ書く必要がないな」と勝手に省略してしまったり、「みんなこの意見で納得するだろう」という文章を割と見ます。
自分としては良い出来だと思った小論文が、なぜか評価が低いっていうのはもはやあるあるネタだと思います。こうしたことが起こる理由の1つとして自分が読む場合は自分の「常識」が論述の中の弱い部分や抜けている部分を無意識に埋めてしまうからです。
気づくためには、第3者の目が必要です。なので私を含めて第3者に添削をしてもらうことが必要だと言っているのはそのためです。またいろいろな人に添削してもらうことも大事です。
一応添削をする人も気をつけてはいるのですが、やはり「常識」っていうのは恐ろしいもので論理の穴を見落としてしまうことがあるからです。

ちなみに独学の人はどうすればいいかということについては「常識」を疑う癖を身につけることです。本を読んだりしていろいろな意見に触れるようにしましょう。あとは自分の書いた文章に「なぜ?」「ほんとに?」など問いかけをしていきましょう。問いかけをするだけでも全然違ってきます。
こうしたことは論述問題でも大切です。よく論述問題で必要な知識についての補足や記述を省いていきなりどん!と答えを書く方がいるのですが・・結果はわかりますよね。

補足:とはいえ、いちいち全部書いていったら論述が進みませんので、「常識」として書いてもいいことと書いてはダメな境界をしっかりと学びましょう。コツとしては「事実」を書くことです。「詰め込み教育で理解力が上がることが脳科学的に証明されている」と書くのならこれはきちんとした主張になります。
あとは解答例とかの熟読をすることですね。学べることが非常に多いです。

さて、ここでもう1つ別の例を出します。「学歴と成功者」についてのとある方の実際の発言です。
 「大学なんてやめてとっとと起業しろ!!
大学では社会に出て全く役に立たないことしか教えてくれない。ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズ、松下幸之助にマーク・ザッカーバーグ 名だたる成功者たちはみんな大学を中退している!
成功に学歴は不要だ!さっさと起業しろ!」

 まあこうした発言ってTwitterとかで結構見ますよね。さてこの文章もいろいろとまずい点があるので見ていきましょう。

NGパターン④ 極端すぎる例を使っている。
 この人の主張の1つに有名な起業家はみんな大学中退しているからさっさと大学は中退した方がよい。 というのがあります。

でもこれかなり極端な例ですよね。世界中に大学を中退したことがある人はたくさんいます。(なんだったら私も大学中退経験者みたいなもんですが・・)その全員が成功していたらたしかに「成功するためには大学中退が有利」といえるでしょう。ただ、現実には全く成功していない人やそのままニートになっている人もたくさんいます。一方大学を卒業している成功者の方もこれまたたくさんいます。つまりこの主張は反論し放題です。

 小論文において、こうした極端な例を使ってしまう人がいます。自分の意見が正しいことを説明するために極端な例に逃げてしまう・・。
しかし、極端な例だと反論に対しての再主張が辛くなります。結果として弱い再反論となり、なんとなくぼやっとした意見の小論文になってしまう。試験など焦った時に陥りやすいミスですので気をつけてください。

NGパターン⑤  因果関係が弱い
 演繹と帰納という言葉を知っているでしょうか?重要なので知らなかった方はここで覚えていただきたいのですが

演繹→前提から結論・主張を導く
帰納→実例から傾向や主張を導く

演繹の例は例えば「地球上の物質はすべて重力が働く。よって消しゴムを投げたら下に落ちる」のようなものです。帰納は「東京都民や大阪府民の年収は高い。よって都市部に在住する人の年収は高い。」
こんな感じですね。普段の生活の中でもよくやっていると思います。
そして言わずもがな小論文ではこの演繹・帰納をめちゃくちゃ使います。(実は経済学の計算問題でもこの演繹・帰納の考え方って重要だったりするんですけど)
演繹をうまく使えばより強い主張が可能となります。例えば不変の事実を覆すのは不可能です。そのために不変の事実をもとにして書く文章は非常に論理的になります。
先ほどの学歴の話がなぜ弱いのか。大学を中退して起業するべきだという主張になんの根拠もないからです。
例えば(まあおそらくないでしょうが)大学中退した方の方が起業の成功率および幸福率が高いというデータがあったとします。
そうしたデータを踏まえてこれを主張するならだいぶ強い主張になりますよね? このように演繹を使うと論文がきちんとします。

なので小論文を書くとききちんと根拠が書かれているかどうかを意識するだけで全然違いますので普段の練習から意識するようにしてください。ちなみに帰納の方はというと小論文ではあまり使わない気もしますが用語として重要なので知っておいてくださいね。

 短いですが、小論文の簡単なコツを話していきました。
いいたいことがまた出てきたら追記していきます。(そろそろ時間が無くなってきているので、公開を急ぎます)
それではまたどこかで。

 

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