見出し画像

上からものを降らす犯人確定! でも・・・

「上からものを降らす人は一人じゃなかった!?」の続編です。

友人Nちゃんは階上から落ちてくる髪の毛やゴミに何年も悩まされてきた。
そしてとうとう耐えられなくなり、苦情メモを犯人だと思った部屋(〇〇号室)のポストに入れてしまったのである。
ところがその隣の住人(△△号室)がゴミを落としているのを見てしまい、Nちゃんは勘違いしたかも!?と〇〇号室に再び謝罪のメモを入れたのであった。


結論から言うとあれからすぐに事態は急展開したのである。
Nちゃんの以前からの苦情に対して管理組合の対応が今どうなっているか、ポスト入れてしまったメモが無罪の住人を犯人扱いしたかもしれないこと、がすごく気になって仕方ない。
Nちゃんは管理人さんに話を聞くことにした。
まずは苦情に対しての対応だ。
階上から落ちてくるものは髪の毛やゴミ、ひどければタバコの吸殻まであるらしい。
それらを全部引っくるめて「捨てないように」と注意喚起した書面を回覧板で回してくれる事になった。
もうすぐそれはNちゃんの家にも犯人の家にも回って来るはず。

そこでNちゃんは正直に
「髪の毛落ちてくるのが耐えられなくなって〇〇号室のポストに苦情のメモを入れてしまったんです…」
「でもその後、そのお隣の△△号室の人がゴミを捨ててるのを見てしまって…」
「もしかして間違いかもしれないと思って、謝罪のメモをもう一度〇〇号室に入れたんですよ…」

管理人さんは
「あぁ…  なるほど…  実はね…」
「〇〇号室の方は亡くなったんですよ、それで今は空室なんです」
Nちゃんは息が止まるほど驚いた。
えっ!?   亡くなっていた!?
そんなことって…
亡くなっている人を勝手に犯人だと思い込み、苦情メモまで入れてしまって、なんて残酷な事をしたのだろう。
自分のしたことがショックでしばらく呆然としていた。
知らなかったとはいえ自分の愚かさを恥じた。

管理人さんは以前から〇〇号室の方が亡くなった事を知っていたと思う。
だが個人情報の関係からか、昔のように何号室の誰が亡くなったかは公に知らされなくなった。
Nちゃんもまさか〇〇号室が空室だとは知らずに隣の△△号室と間違ってしまったのだ。
管理人さんと話すうちに△△号室の住人はかなり問題のある人らしく他の苦情もある事がわかった。
要するにこれだけ問題を起こしながら改善しない人、扱いにくいとでも言おうか対処に困る人である。
Nちゃんはこのような人とは関わりを持ちたくないので、今度髪の毛やゴミが落ちてきても△△号室には直接苦情を言わないでおこうと思った。
今回、犯人が最初から△△号室だとわかっていて苦情メモを入れていたとしたら逆ギレされていたかもしれない。
そのような事は十分に考えられる相手であろう。

住人が亡くなっていた〇〇号室はたまに親族の方が整理に来られるそうだ。
Nちゃんの書いたメモを読んでどんなお気持ちになられただろうか。
誰かと間違ってるなと思ってスルーしてくださったなら良いが、亡くなった相手にこんなひどいことを言われるなんて…と悲しく悔しく思われたかもしれない。
謝罪のメモを後で入れておいて良かったと思う。
亡くなっておられたとは知らずに〇〇号室の方には本当に失礼で申し訳ない事をしました。
この場を借りて心よりお詫び申し上げます。

管理人さんから色んな話を聞いて上からの投げ捨てゴミ問題は急展開となったのであった。
今のNちゃんはさすがに戦意喪失し、もうこれで終わりにしたい気分だ。
管理組合もそれなりの対応をしてくれたし、例えそれに効果がなかったとしても直接対決は避けたい。
まともな話ができそうにない人を相手にするのはかなりのストレスだ。
管理人さんもまた問題が起これば聞いてくださる。
聞いてもらえる相手がいる、△△号室は要注意だと思っている方が他にもいる、もうそれでいいや…と思ったNちゃんだった。

集合住宅は苦情の固まりかもしれない。
ご近所が良い人であれば快適な生活が送れるだろうがそうとは限らない。
これは一軒家でも言えることであろう。
今更ながらご近所づきあいは難しい。
気の合う人合わない人、色んな人がいる。
今の住宅にいつまでいられるかわからないが、ストレスなくそれなりのお付き合いでこれからの人生を送って行きたい。

Nちゃん、もういいよ 楽になろうよ…
                                             あんこ姉さんより


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?