妊娠生活 切迫早産と37週への道のり

13 mm

入院中の36w4d 私の子宮頸管の長さ

お腹が張ってないと15mm

切迫早産発覚時は27mm

転院時は22mm

転院1週間後の診察で経過は良くなく、午前診察だったが、その日の午後に入院指示。

入院したら、子宮頸管の長さが戻るかと思っていた。

トコちゃんベルトをしたら、ちょっとはよくなると思っていた。

安静にしたら長さが戻るかと思ってた。

そんなことなかった。

24時間点滴、シャワーは1週間に1度。ベッドでなるべく横になっている入院生活。水は毎日2リットル飲んだ。 

入院して1週間後、子宮頸管は5mm短くなって17mm になっていた。

どうしてこんな辛い思いをして、お腹が張らないように努力してるのに、短くなるんだろう。

我が子はどうなってしまうんだろう。

胎内で我が子は元気一杯なのに、私の体のせいで成長が進む前に生まれてしまったらと落ち込んだ。

シャワーを浴びてしまったからかな?など己の行動を振り返っては落ち込んでいた。

落ち込んでたって長さは戻らない。

そう思って、より一層安静にした。でも、現実は無情だった。

その1週間後、私の子宮頸管はさらに4mm短くなっていた。その長さ13mm。

入院しているのに、1週間で5mmずつ短くなっていく。

37週の正期産まで子宮頸管がもたない。

そんな思いが診察中頭をかけめぐっていた。13mmと告げられた瞬間は、目の前が真っ暗になって、自分の鼓動がやけに聞こえ、何か冷たくて硬く重いものがお腹にゆっくり落ちていき、血の気がひいていったを今でも覚えている。

お腹の上からエコーを見てもらっている間、先生の「赤ちゃんは元気ですよ」の一言に泣きそうになった。

赤ちゃんは元気で喜ばしいことなのに、母体の私はなんて駄目なんだという思いが渦巻いて苦しかった。

先生に、「赤ちゃんは早くお母さんに会いたいんだろうね」と言われ思わず

「でも、お母さんはまだお腹の中にいてほしい~」と診察室で泣いてしまった。

子宮頸管が0になったからといってすぐ生まれてしまうわけではないこと、子宮口が閉じていること、初産婦だからすぐ出産にはならないこと、先生が説明してくれて、私の体は頑張ってる方だよと励ましてくださった。

大部屋に戻って、タオルを口にあてて声を殺して泣いた。

赤ちゃんが自分の体のせいで生まれてしまうかもしれない不甲斐なさと恐怖が波のように襲ってきて、食欲もなくなり、前向きになんてなれなかった。

その日の夜から、薬の濃度があがった。

動悸が少ししたけれど、少ししたら慣れる、子どもの為だから耐えられると心と体に言い聞かせた。

消灯してもいつも以上眠れず、胎動を感じる度に「元気でいいね。でも、もうちょっとお腹の中にいてね」と心の中で繰り返していた。

夫は俺に似てせっかちだから仕方ないって言葉をくれたが、私の母体がしっかりしていればと自分を責め続けた。

翌日も気分は落ち込んでいた。一週間後の検査時はどうなってしまっているんだろうと怯えた。

トイレに行くのも怖かった。私の何気ない行動が子宮頸管をより短くしてるんじゃないかと気になって仕方なかった。

そんな時に、点滴と赤ちゃんの心音をチェックしにきてくれる看護師兼助産師さんから話しかけられた。

薬の濃度あがったんですねという会話から始まり、子宮頸管がどんどん短くなっていて怖いということを話した。

「○○さん、すごい頑張ってるよ。安静にしてくれてる。薬の濃度が上がっても耐えてくれてるし。お腹があんまり張ってなくてもどんどん短くなる人もいるし、逆にすごく張ってるのに子宮頸管がそのままの人もいる。人それぞれで分からないこともいっぱいなんだよ。短くなっちゃうのは○○さんが悪いからとかじゃなくて、そういうもんだから仕方ないんだよ。すごくやれることやってくれてるし、頑張ってるよ」

と励ましてもらったのだ。何だかずっと肩に力が入って私がちゃんとすれば良くなると頑なに信じていたのだけど、そっか、私が頑張っても仕方なかったり報われないこともあって当然なのかと少し気持ちが楽になった。

回復じゃなくて、現状維持を目標にしようと思い始めた。

そんな合間にも不安や恐怖はおそってくる。今、生まれてしまったらNICUに入れる週数じゃないなど、ぐるぐる考えて心身ともに疲弊したり、私がこんなんじゃダメだと空元気をだそうとして失敗したり、気分転換しようにも場所的な制限もあってあまりうまくいかなかった。好きな音楽も耳を上滑りしていって、聴いてられなかった。

コロナでより早産の対応ができる最寄りの他病院が封鎖され、最悪の場合は車で1時間以上かかる隣市への転院もありうる状況。

メンタルはボロボロ。
思い描いていた穏やかな妊娠はどこにもなかった。

そんな中たまたま、安住紳一郎さんのラジオをきいた。こんな心情なのに心の底から笑ってしまったのだ。

軽快なしゃべりとエピソードと合間に挟まれるエッジのきいた一言。タオルで笑いをかみころさないと大部屋に私の爆笑が響いてしまうぐらい面白くて苦しかった。

心の底から笑えるなら、私まだ大丈夫だなと思った。安住さまさまである。

少しずつ、気持ちが浮上してきた。

とりあえず、1週間現状維持を目標にして1日を積み重ねていこうと前を向き始めた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?