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「女性の健康」事業を開始!

今日は女性政治家でもある高市早苗代議士が取り組んでこられたことで、以前から聞いてみたかったことを伺います。
高市早苗代議士は自民党の政調会長を3期務められました。
2012年12月25日に初めて就任され、その直後に政調会に新しく設置された、女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチームではどのような課題を扱っておられたのでしょうか。

ゼロから新設したプロジェクトチームなんですけれども、要は私たち女性の体というのは、ホルモンバランスの変化によって大きな影響を受けます。
まさに思春期にはもちろん、周産期、それから更年期、ご高齢の世代になっても長期にわたってホルモンバランスの変化によって影響を受けます。
ホルモンバランスの変化によって「体調が悪いな」というようなことも当然あるんですけれども、ホルモンバランスの変化による体調が悪いというのは、割と男性には理解をしていただけない環境にあって、男女ともにそういったことに知識を深めて、学校でも職場でもご家庭でも、理解を広げることが必要だなと思ったんです。

もう一つは単なる体調不良ということじゃなくて、高年期になると女性がかかりやすい病気というのもあるんです。
できたら大学の医学部の段階で、全ての学生さんに女性のホルモンバランスの変化によって、特に高年期にかかりやすい難病というのがあるので、そういったことの知識を全ての医学生が学んでいただいて、病院に行って女性がどの診療科にかかっても、早期に正しい診断をしていただく、この年代の方はもしかしたらこの症状は難病と違うかなというようなことに気付いていただくということで、早期治療ができたら女性の難病を悪化させないことにもなるし、そうすると社会全体の医療費の節約にもなります。
そういうことで、女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチームを立ち上げました。

どういったことがきっかけで、その政策の重要性に気づかれたのか改めて教えていただけると嬉しいです。

あんまり言いたくはないんですが、自分自身の経験だったんです。
私はホルモンバランスの変化によると思われる、高年期障害が割と早い時期に出たんです。
普通40代後半とか50代に出る人が多いんですが、私の場合は44歳ぐらいから変な症状が始まりまして、44歳の時に私は初めて大臣になりました。
初入閣した日に記者会見を行います。
当時は官邸の記者会見室で入閣した人が順番に所信を語って記者からの質問を受けるんですが、その時に全く緊張もしてないし、その部屋は暑くもなんともなかったんですけれども、高年期障害の典型的な症状である、ホットフラッシュというんですが、急に暑くもないのにバッと汗が吹き出すという症状が記者会見の後半あたり、質疑を受けているあたりから始まって、顔中汗まみれになったんです。
その結果、マスコミには、つゆだく大臣と書かれまして、それはそれで自分でも悲しいと思ったことではあったんです。
その時は自分が何にかかってこういうことになっているのか、というのが全然理解できてなかったんです。
またその後、選挙もあって、わりとこの暑い時期に3キロぐらい歩いた後に街頭で演説するという時に、マスコミの方が集まっていてバーッと写真を撮られました。
暑い中歩いたから汗をかいてて当たり前なんですけれども、洋服なんかが汗で濡れてますよね。
その写真を掲載されて、そこに不潔だというような表現をされてて、自分でもそれなりに傷つきました。
お医者さんに行ってみると「これは早いけど更年期障害ですね」って言って、普通の錠剤なんですけれどもいただいて、それを飲んだら治っちゃいました。
でもそういうことって自分も知識がなかったし、考えたら自分もすごく若い頃に、私より年が上の女性秘書がいて、彼女が「更年期障害でしんどい、しんどい」って言ってたんだけど、まだ初当選したばっかりで32歳だった私は、更年期障害がどんなにつらいとかそういうことをあんまり理解してなくて、どういう辛さなのかっていうのは分かってなかったなと思って、自分がかかって初めて分かったんです。
女性用のクリニックなどに行って、私たちは乳がん検診ですとか子宮がん検診を受けますから、そういう時にお医者様に相談したら「それ更年期障害ですよ」って言って「ホルモン治療っていって、こういう錠剤ありますよ」って言っていただいて、すっかり症状は改善しました。

それからもう一つ、これも私自身が実際の更年期と診断された後まださらに後になるんですけれども、ものすごく足が痛くて痛くて、両足が痛くて急に立っていられない状態になったんで病院に行ったんです。
もちろん足の痛みだから整形外科に行って、レントゲンを撮っていただいたりしたんですけれども、お医者様は「歩きすぎとか走りすぎじゃないですか」とその時は選挙近かったんでものすごく街頭演説して走ったり、いろんなことをしてて、1日何時間も歩き続けたりしてた時期だったんです。
「歩きすぎです」と痛み止めと湿布薬をいただいて、選挙とか終わって、また何ヶ月か経っても足が痛いんです。
もう一回病院行って「もう少し検査してもらえませんか?」って言ったら「やっぱり足の疲れです」ということで、また痛み止めと湿布薬をもらって帰ったんですけれども、結果的にその数年後、その症状が治らないので東京の病院で、それでも3箇所ぐらい回ってようやく、それが難病であると皆様ご承知だと思いますが、関節リウマチであるということが分かりました。
治療が非常に遅れたので、その後大変だったんですけれども、そうやって病名が分かるとちゃんと治療薬はあるので、おかげさまで今では走ることも十分に歩くこともできます。
そういった知識っていうのは、やっぱり全ての診療科の医師の方が持っていれば、この年代だったらこういう病気なんじゃないかなっていうのは早く気がついてもらったら早く治療もできて元気に働けますんで、そういった自分の経験から、他の女性議員にも話してみたら「やっぱりそうだ」ということで、プロジェクトチームを立ち上げたんです。

多くの女性が悩まれてるってことはもちろんそうですが、高市さん自身が女性の健康課題を抱えられていて、そういったバックグラウンドがあるからこそ、このプロジェクトに情熱であったりとか、熱量を持って臨まれたんだなということが非常に伝わりました。
続きまして、女性の健康の包括的支援に関するプロジェクトチームの活動は効果をあげたのでしょうか?

私自身はプロジェクトチームを、自民党政調会に新たに設置したとき、初代の座長は高階恵美子さんという、看護師出身の女性議員にお引き受けいただいたんです。
本当に彼女は医学の知識も豊富ですから、これはものすごく重要な課題だと一生懸命頑張ってくれました。
ただ残念ながら、最初は厚生労働を担当されている男性議員の理解がなかなか得られないというか、実感として分かっていただけないというので、成果が見えてくるまで、何と概ね10年かかって、ようやく2023年からこの効果が出てきました。

一つ目の効果は2023年にこのプロジェクトチームはずっと続いていたので、そのメンバーに入っていた男性議員たちから喜びの声を聞いたんです。
このプロジェクトチームで、すごく勉強して深い知識を得て女性の健康への理解が深まったと。
その結果、そういうことを多分ご自宅でも帰って話されるんでしょうね。
「急に妻や娘が優しくなった」「このプロジェクトチームに参加してよかった」というのと、やはりプロジェクトチームでかなり深く勉強されてますから、選挙区に戻られても演説会などで女性のホルモンバランスでこういったことがある、だからやっぱり女性の健康を守るために自分たちはこういう政策を考えている、ということを言うと非常に女性の有権者の方々から喜ばれたという声を伺った、それが一つ目の効果です。

2つ目、これが大きいんですけれども、なんと厚生労働省がようやく2023年新規事業として「女性の健康ナショナルセンター機能の構築事業」というのを始めるということを決定してくれました。
令和5年度補正予算、2023年成立した補正予算に、まず新規事業として5.4億円計上されました。
そして、2024年の通常国会で、これからご審議をいただく、令和6年度の当初予算案に、なんと21.7億円計上されました。

補正予算と令和6年度の当初予算というものを合わせますと、合計27.1億円でこのプロジェクトがスタートします。
この女性の健康ナショナルセンターというのは、基礎研究・臨床研究・情報収集をする、そして発信・政策提言をする、それから女性の体と心のケアの支援を行うというようなことを目的としています。
大きな一歩を踏み出せた、でも10年かかっちゃったということで「でもすごく嬉しいね」っていう話を2023年の12月に来年度予算案が決定したときに、初代座長の高階議員と喜びあったところです。

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