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高市早苗経済安全保障担当大臣(2024年4月9日)

科学技術政策担当大臣として2件報告を申し上げます。
まずは科学技術について広く国民の皆様の関心とご理解を深め、我が国の科学技術の進行を図ることを目的に、昭和35年から科学技術週間を毎年開催しています。
2024年の科学技術週間は来週4月15日月曜日から21日日曜日までです。
2024年も全国の大学や研究機関、科学館で施設公開や講演会など、多数の関連イベントが開催される予定です。
また文部科学省では2024年のテーマ、世界とつながる数理の一家に1枚ポスターを作成し、全国の学校などに配布していると聞いています。
内閣府としてもSNSやシンポジウム、講演会を通じた情報発信を行いながら、科学技術イノベーション政策に対する国民の皆様の理解醸成にしっかりと努めてまいります。

2件目ですが、本日4月9日に統合イノベーション戦略推進会議のメンバーに対しまして、有識者会議である量子技術イノベーション会議から量子産業の創出発展に向けた推進方策が報告されました。
これまで我が国では量子技術によって実現すべきビジョンや目標、その実現に向けた量子技術の実用化、産業化の方針や実行計画を示した戦略を策定してきました。
一方で昨今、量子技術の著しい進展を背景として、各国での国家戦略の策定、国際連携の活発化など、我が国を取り巻く状況が大きく変化しています。
本推進方策は、我が国の量子技術が世界に伍していくため、量子技術に関する既存の3戦略を補完するものとして、現下の諸課題を整理し、対応の強化・具体化や追加が必要な方策を量子技術イノベーション会議において取りまとめたものです。
特に、量子未来産業創出戦略における国際連携に関する取り組みをさらに強化するため、これまでの量子技術の実用化、産業化の視点に新たにグローバル視点を加え、一体的に取り組みを強化することとしています。
政府として、量子未来社会ビジョンで掲げる2030年目標を実現するための取り組みをしっかりと推進してまいります。
この推進方策の詳細につきましては、科学技術イノベーション推進事務局までお問い合わせくださいませ。
私からは以上です。

先日の再生細胞医療遺伝子治療開発協議会で、大阪大学の内山教授からベクターの製造についての国産化について提案がありました。
大臣としてどのように受け止めているのか教えてください。

大阪大学の内山進教授から、遺伝子治療用のウイルスベクターの国内製造に関しまして、製造や分析装置のほとんどが外国製であり品質が安定しない、価格が高い、技術が蓄積しないなどの課題があることが指摘されました。
国産に置き換えるべきとのご提案がありました。
政府としましても、我が国の創薬力の強化にあたって、ベクターやゲノム編集技術の商業利用が高額となっている現状というのは課題だと認識しています。
AMEDの再生医療等実用化基盤整備促進事業で、既に国内ベクター製造の支援を進めています。
現在、政府内で多様な有識者の方々のご意見をいただきながら、第3期健康医療戦略や医療分野研究開発推進計画に向けた検討を進めています。
内山先生のご提案も踏まえて、検討を深めてまいります。

2点伺います。
まず1点目がAIに関してですけれども、読売新聞とNTTは生成AIの在り方に関する共同提言を公表しました。
提言は選挙と安全保障分野で、生成AIの規律と活用の両立を求めた内容となります。
こちらの提言の受け止めを伺います。
また提言を踏まえ、選挙と安全保障において、政府として生成AIの在り方について、法規制など、どういう問題意識を持って進めていくお考えでしょうか。

今、ご指摘の提言が公表されたことは、よく承知いたしています。
ただ、選挙と安全保障分野での生成AIの規律と活用については所感外ですので、コメントは差し控えさせていただきます。
その上で科学技術政策担当大臣として申し上げますと、昨今のAIをめぐる技術革新は提言にもありましたように、生産性向上や労働力不足の解消など様々なメリットをもたらす一方で、偽情報の拡散をはじめ様々なリスクも存在しています。
内閣府としましては、安全・安心で信頼できるAIの実現に向けて急速に発展している生成AIのリスクを軽減しながら、その恩恵を最大化できるようAI戦略会議での有識者の皆様のご意見を踏まえながら、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えています。

もう一点ですけれども、経済安全保障についてですけれども、読売新聞が行った安全保障に関する調査で、セキュリティ・クリアランス、経済安全保障版ですけれども、こちらの導入について賛成と回答した人は60%に上り、反対と回答した33%を上回りました。
この結果の受け止めをお願いいたします。
また、今後の法案審議は参議院に移る見込みですけれども、どのような審議を続けていくお考えでしょうか。

個別の世論調査の内容についてのコメントは控えなければなりません。
しかし、その上で私も全国各地で講演などをする中で、そもそもセキュリティ・クリアランスとは何かというところから、この説明をしてまいりましたので、ここにおられる報道各社の皆様のおかげでもございますけれども、セキュリティ・クリアランスということについて、ご理解が深まりつつあるということについては嬉しく思っています。
この経産安全保障分野におけるセキュリティ・クリアランス制度の意義や必要性については、これまでの国会審議や私自身の記者会見、メディアへの出演などを通じても説明に努めてきたつもりです。

2つ目の点ですけれども、本日の衆議院本会議で本法律案をお認めいただけましたら、今後は参議院でご審議いただくことになります。
これからも可能な限り丁寧な説明を尽くしまして、より多くの方々のご理解を得られるように心がけて、成立に向けて全力を尽くしてまいります。

セキュリティ・クリアランスが今日の午後にも衆議院に通過する見込みですが、審議時間をめぐっては秘密保護法よりも大幅に下回っており、この審議をめぐって大臣は審議を十分深まったとお考えかというのと、あと野党が指摘する課題はクリアできているとお考えでしょうか。

国会の審議日程につきましては、これは国会でお決めいただくものですので、政府としてコメントする立場にはございません。
衆議院におきましては、3月19日の衆議院本会議で審議入りして、その後、内閣委員会における質疑、また内閣委員会と経済産業委員会との連合審査会、そして先週の金曜日には総理を交えて内閣委員会での質疑が行われるといった形で、様々な観点から精力的にご審議いただいたと思っています。
その中で、例えば国会の関与のあり方ですとか、いわゆる不利益的取扱いの禁止について、野党の委員の皆様とも重点的に議論をさせていただけたと思っています。
こうした議論も踏まえて先週4月5日ですが、衆議院内閣委員会において、野党を含む賛成多数で重要経済安保情報保護活用法案を修正、可決していただきました。
本日の衆議院本会議でまずはお認めいただくこと、次は参議院でご審議いただくことになりますけれども、可能な限り丁寧に説明を行って、成立に向けて力を尽くしてまいります。

今の質問に関連して審議時間が短いことに関して、岸田総理の米国訪問に向けた手土産にしようとしたのではないかという記事も出ていますが、そういう見方についてどう思われるのか。
そもそもコンフィデンシャル級の秘密はイギリス、ドイツで関連組織が廃止されていると。
アメリカもその方向だということで、そもそも必要性が乏しい国際標準という嘘八百を言って、必要性をでっち上げて、高市大臣の総裁選を足掛かりにしているのではないかという疑いも抱かざるを得ないのですが、そもそも必要性についてどうお考えなんでしょうか。
国際標準というのは嘘八百じゃないですか。

まず、総理の訪米の手土産云々ということは全く事実ではございません。
きっちりと審議時間を積み上げて、国会の方で日程をお認めいただきました。
そのとおりに私は委員会に出席をし、懸命に答弁を続けてきたということです。

それから国際的に通用するかどうかということが嘘八百だという表現をされましたが、それは全くあたりません。
本法案を作成する過程におきまして、有識者会議でも各国の法制度もしっかりと見比べていただきながら、また様々な機会で各国と意見交換をさせていただきながら、しっかりと通用するものになったと思っています。
特に例えばG7、日本を除く6カ国やオーストラリアとの比較表ですが、それは今おっしゃったフランスやイギリスの制度も含めて明記したものです。
2023年3月の有識者会議で配布をさせていただいています。
イギリスでは2014年にコンフィデンシャルの廃止を含む見直しが行われていますが、その理由は紙ペースの情報管理が念頭に置かれた複雑な仕組みを改める一環として、簡素化の観点から変更されたということです。
フランスでも2021年からコンフィデンシャル級については無くしたということですが、両国ともコンフィデンシャル級としていた情報をシークレット級として保護することなどによりまして、秘密情報を2段階で保護する形に整理し直したものだと承知いたしています。
この情報保全制度というのは、法体系も含めて、また秘密区分も含めまして、国によって多様です。
既存の秘密情報の指定件数も大きく異なりますので、単純に比較することは困難です。
ただ、どの国でも絶対これは要件にしなきゃいけないということ、それは何が日本でいうと重要経済安保情報になりますけれども、秘密にするべき情報なのかということを明確にする、これはちゃんと表示をするということ、そして情報保全のためにセキュリティ・クリアンス、いわゆる信頼性の評価も行う、そのための調査も行うということ、そして漏洩した場合にはしっかりと罰則が措置をされていると、この基本というのは各国共通ですので、それが整えられましたら、しっかりとこれは通用するものになると思っています。

なんでイギリスとフランスと揃えないんですか?

イギリスとフランスと揃えちゃいますと、そのほかトップシークレット、シークレット、コンフィデンシャルの3段階になっている国と揃わなくなってしまいます。
ですから、世界的に通用する、特に同盟国、同志国と通用するという意味では3段階のほうが多いです。

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