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参議院本会議(令和5年3月15日)ガーシー議員懲罰に対する弁明

ガーシー君から本院規則第240条 ただし書の規定により浜田聡君をして、代わって一身上の弁明をさせることを求められています。発言を許します。

浜田聡です。
会派の同僚ガーシー議員に代わって弁明申し上げます。
これから読み上げる弁明にはいくつか憲法の条文が出てきます。
平等権を規定した憲法十四条、公務員の選定が国民固有の権利であることを規定した憲法十五条、法の適正手続を規定した憲法三十一条、特にこれらに注目してお聞きいただけますと幸いです。

第一に弁明の要旨を申し上げます。
一、除名処分要件に該当しない
二、仮に処分要件に該当するとしても、本事案について除名処分を下すことは憲法十五条一項 国民の選挙権、憲法三十一条 適正手続の保障、憲法十四条一項 平等権に違反し適用違憲である
第二に、弁明の理由を説明していきます。

一、まず除名処分要件に該当しないことを申し上げます。

憲法五十八条二項の規定により、貴院は参議院規則二百三十五条にて議員を騒がし又は議員の体面を汚し、その情状が特に重いものであることを要件に除名処分要件を判断されたが、当職は当該要件に該当しない。
憲法五十八条二項は議員の除名要件を規定し、これを受けて参議院規則二百三十五条によって除名の処分要件を定めるが、議員を騒がし又は議員の体面を汚して、その情状が特に重いとの要件は極めて抽象的かつ広範な規定であり、その要件該当性は極めて主観的評価に依存するものであり、恣意的判断の危険が非常に高い。
除名とは議員の資格喪失を持つ処分であるから、これを抽象的かつ広範な事実や判断をもとに処分を許すことは、憲法十五条一項の国民の固有の公務員選定及び罷免権を失わせるに等しい。
日本国憲法十五条一項は公務員を選定し及びこれを罷免することは、国民固有の権利であると規定しており、国民の選挙権が憲法五十八条二項の上位価値に当たることは言うまでもない。
そして、国民の民主主義の根底に当たる選挙権を否定し、議員の地位を奪うことは国政上、最も厳格に解釈されなければならず、これを出席議員の三分の二以上という議決要件のみをもって安易に認めることは、我が国の民主主義は三分の二の多数派によって少数派が支配されることを意味し、我が国の代表民主制を根底から否定し、ひいては国民主権を破壊する結果となる。
これら憲法規定を目的論的に解釈すれば、議員を騒がし又は議員の体面を汚し、その情状が特に重いとは処分対象議員の存在を許すことによって、同等の価値以上の国民主権や選挙権を奪うこと、つまりは他の国会議員の正当な活動を妨害しこれを許すことによって、議場での討議や議決を著しく阻害するに等しい行為と解さなければならない。
本件事案における事実は次のとおりです。
当職は物理的手段をもって他の議員の活動を一切妨害していない。
当職は物理的手段又は発言によって議院を騒がせていない。
当職の非行は不登院という一事に尽き「公開議場での陳謝」処分を受けたが、議員の体面を汚したという点においては、既に審理が尽くされており、重ねて当該要件をもって処分を下すことは、 一事不再理効に反する。
当職は前回の処分に加重して「情状が特に重い」と認められる行動は行っていない。
当職は既に一般国民に向けて「公開議場での陳謝」処分によって作成された陳謝文を読み上げ、国民に向けた真摯な謝罪を行い貴院に対してもこれを提出した。
歳費に対する批判については、今考える最善の方法が何かを判断して、党への寄附、そして党から地震被害の大きいトルコへの寄附という形で責任を果たすつもりである。
連日のように日本国内のテレビ報道では「ガーシー憎し」と印象を抱かせる偏向報道が横行している。
本件事案における要件適合性について申し上げます。
当職のこれまでの「不登院」との非行に対し、前回下された「公開議場での陳謝」処分については当職も妥当と受け入れ、その陳謝の意思は既に表明した。
しかしこれまでも一貫して説明しているとおり、日々変化していく状況の中で、当職の日本国内における身辺の安全性は十分に保障されているとは言えない。
日々マスコミが「ガーシー憎し」の報道を続け、党に寄せられる多くの国民からの苦情や怒りの感情と接するに、自らの生命や身体に重大な危険が及ぶ可能性は安易に否定できず、帰国に応じる判断が極めて困難である。
この状況は緊急避難に相当すると弁護士からも意見を頂いている。
なお、この件に関して昨今話題の放送法四条は遵守されていないのは明らかである。
であれば放送法四条を廃止し、電波オークションの導入などで多チャンネル化を推進すべきと考えます。
当職の「除名」処分を判断するに、前述のとおり処分対象議員の存在を許すことによって同等の価値以上の国民主権、つまりは他の国会議員の正当な活動を著しく阻害し、これを許すことによって議場での討議や議決が著しく妨害されるに等しい行為と認められなければならない。
この点、当職は物理的・心理的な方法をもって参議院の議場における他の議員の活動を妨害した事情はなく、ただ登院しないという不作為一時のみである。
そして、この「不登院」によって他の議員に与える影響は限りなくゼロに近いものである。
もちろん当職が登院しないことによって議員の本来の仕事である議論及び決議に参加しないこととの影響は否定しないが、この一事をもって他の議員の正当な活動を著しく阻害しているとは言えない。
以上のとおり当職の不登院という事情をもって議員を騒がし又は議員の体面を汚し、その情状が特に重いとの要件に該当するとは認めることができないのであるから、同規則の要件を満たしたことを理由に除名処分に至ることは違法である。

二、仮に処分要件に該当するとしても、本事案について除名処分を下すことは憲法十五条一項 国民の選挙権、憲法三十一条 適正手続の保障、憲法十四条一項 平等権に違反し、適用違憲であることを申し上げます。

当職は参議院選挙において、28万7714票の得票を得て参議院議員の地位を国民からいただいた。
議決に参加する議員諸君らはこうした28万7714票にも及ぶ国民の声と投票意思を否定することがいかに許されないことか、国会議員であれば理解できないはずがない。
諸君らに委られた有権者の顔を思い浮かべてほしい。
選挙期間中、当職は「国会に登院せず、海外からの議員活動を行う」ことを公言して選挙活動を行ってきたものであるから、投票した有権者の多くはこうした議員としての非行事由については許容し投票したと考えるべきである。
また現在もなお複数の弁護士が「除名」処分は違憲である旨を公に表明し、多くの支援有権者は、もし除名に至るならば、我々の選挙権を侵害する処分であるから除名に賛同する参議院議員らの不法行為を理由に、国家賠償請求を提起すると表明を受けている。
さらに国家賠償請求訴訟に参加しないまでも、これからも参議院議員として職責を果たしてほしいとの声も多く、参議院が下した「公開議場での陳謝
」に対しては、その後の帰国せずリモートでの陳謝文の読み上げなどによって、自らの非難に対しできる限りの対応をしたつもりである。
そして、これからも参議院議員として活動し、海外からでも多くの政治家や企業家、マスコミ、芸能界の闇を私たちのための暴露を続けてほしいとの声が多く寄せられている。
確かに当職に対する批判の声が議員や国民からもあるのも理解しているが、その多くは当職に投票した有権者ではなく、その他多数派の議員を支持する有権者の声であると理解している。
そのような状況において、貴院が当職に対する「除名」処分を下すことは憲政史上初の参議院による国民の人権侵害決議であり、憲法の各種人権及び我が国の民主主義を破壊する決議である。
言うまでもなく、国会議員の地位は国民の選挙権によってこそ否定されるべきであり、もし当職が国民の期待に添うことができず罷免されるのであれば、それは6年の任期を全うした後の参議院選挙でなければならない。
仮に本件事案について院内の秩序を騒がし、特に情状が重いと判断されたのであれば、既に同一事案事由において懲罰決議を受け、議場での陳謝処分を受けたのにもかかわらず、同非行の要件を前提として重複的に加重し処分を下すことは処分の下された事件に再度の処分を下すに等しく、一時不再理に当たり、憲法三十一条の適正手続を侵害する処分である。
また前述したとおり、要件として極めて不明瞭かつ広範に及ぶ点でも憲法三十一条 適正手続を侵害している。
当職の非行は「不登院」という一事に尽きる。
これまで国会においては各種委員会や本会議で不規則発言を平然と行い、議場で話されていることを聞き取ることを困難にしている数多くの議員、国会議員である間に罪を犯したもの、不祥事を起こしたもの、さらには先日問題となった郵便法違反というNHKの犯罪を具体的に確認したにもかかわらず、犯意がないなどとごまかし権力を乱用し見逃しているNHKに忖度する議員、小西文書に見られる内容の正確性が確認困難な文書を示して質問を行い議場を混乱させる議員など、当職と比較してもより重く、かつ院内の秩序を乱す悪質な非行が存在しているにもかかわらず、多数派の議員らはこうした問題は不問として少数政党の議員である当職に対してのみ、犯罪にも該当せず公約として「不登院」を掲げて当選した人間に対し、このように除名という過去70年以上に渡って決議されなかった処分を下すことは明らかに不平等な措置である。
当職がNHK党に所属し、参議院の多数派の議員の不祥事を暴露する使命を負った議員であるという信条、社会的身分、政治的・社会的関係を理由とする差別に他ならない。
よって当該処分は平等権をも著しく侵害する点で違憲である。
また憲法四十三条には両議員は全国民の代表であることの規定がある。
であるならば今回のように少数派を排除する除名は許されない行為であることを申し添えておく。
仮に当職が国会議員の地位を失ったとしても、当職に期待される暴露は等しく続けることを支援してくれた有権者に約束したい。
その上で今後の国政選挙において再度立候補して改めて国民に信任の判断を仰ぐつもりである。
万が一当職が除名後、今後の選挙で当選した場合、または国会賠償請求訴訟の判決によって違憲または違法の判断を裁判所が下した場合、これに賛成した参議院議員諸君はどう国民に責任を取るのであろうか。
国民の選挙権を侵害した当事者として、そして憲法九十九条に規定される国会議員の憲法尊重義務を明らかに違反したのであるから、こうした結論に至った場合の賛成議員諸君らの懲罰や責任の取り方も事前に確約されるべきである。
なぜならば憲法尊重義務に違反することこそ院内の秩序を乱したことに他ならないからである。
参議院議員諸君らは当職の地位を奪うのであれば、その決議判断を国民または裁判所によって否定された場合には、自らの議員の職務をまた辞する覚悟を持って臨まれるべきである。

以上でございます。
御清聴ありがとうございました。

本件の委員長報告は除名でございます。
本件を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。

投票の結果を報告いたします。
投票総数236票。本投票の3分の2は158票でございます。
白色票235票。青色票1票。
よって本件は出席議員の3分の2以上の多数をもって、委員長の報告のとおり除名とすることに決しました。

ただいまの議決に基づき、懲罰を宣告いたします。
国会法第122条第4項の規定によりガーシー君を除名する。

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