見出し画像

北海道の比布町議会議員・植西浩一先生との対談

浜田聡
わざわざ比布町からお越しくださいまして、どうもありがとうございます。
今回は、ご要件が東京の方にあるということで。

植西浩一
そうです。
東京というか千葉県に市町村アカデミーというところがありまして、そこに全国から約100名ぐらいの市町村議員が集まって勉強会をするということで、そこに参加させていただきました。

浜田聡
毎年恒例みたいな感じですか。

植西浩一
そうです、年に何回かあります。

浜田聡
なるほど。
今回私も比布町議会議員の植西先生とは何度目か会ってお話しさせていただく機会ということですけれど、元々私の方に植西先生の方からコンタクトをいただいたという経緯がありまして、元々NHKの集金人になったという経緯があったということで、その時のことをお聞きしたいなと思います。

植西浩一
私自身は弟が受信料の集金をやっていまして、そこで私もやらないかと言われて、誘われて、初め従業員、嘱託職員のような形になるのかと思っていましたら、実は委託でそういう受信料を営業してくるということだったんです。
そういうふうにやろうと決めたので、約半年間やっておりました。

浜田聡
時期的にはどのくらいの時期ですか?

植西浩一
もう18年くらい前になるかと思うんです。

浜田聡
でもその頃はもう委託業者で、全国的には悪質で問題視されていた時代ではありますか。

植西浩一
ありました。
かなりいろいろ社内的にもありました。
会社というかNHKの委託業者へのクレームというのがかなり多くて、かなり強引な営業というかする方がいると。
その方がたまたまものすごく件数を取ってくるので、NHKの職員もその方には特段文句も言えないような状態でした。

浜田聡
成績が良かったということですね。
結局そういう問題があったということで、2013年に立花孝志さんがNHKから国民を守る党を立ち上げて、2016年に東京都知事選挙に出て一気に全国に知られて、2019年に統一地方選挙が春にあって、全国で多数の当選者を出して、同じ土地の夏に参議院選挙で国政政党になったという経緯があります。
2020年の12月に当時のNHKの前田会長が、悪質な委託業者の集金人はもう辞めます、という声明をしたということがあって、その辺りは我々も活動の成果と自負しているところです。
今はもうNHKの集金人関係はなされていないという感じですか。

植西浩一
今は全く、議員にもなりましたので。
そういう意味ではそういうものではなく、アルバイトをしながら議員をしています。

浜田聡
町議会議員ということで、比布町の定数は何人ですか。

植西浩一
現在は9名です。

浜田聡
私が承知しているところだと、前回は無投票でした?

植西浩一
そうです。
2023年は無投票で、その4年前が投票が、やっとあったという感じです。

浜田聡
その前はしばらく投票がなかったという感じですか?

植西浩一
ないですね。

浜田聡
それだけなり手が少ないという感じですか。
定数9の小じんまりとした議会になったと思います。
なかなか小さな自治体の議員さんというのは、給料も少なめみたいなのもありますから、なかなかそれだけというのが大変なので、植西さんの場合は色々と幅広くされているという感じです。
今はNHKの集金人はされていないということですけど、それ以外にも私の伺ったところでは、介護、農業、あとはコンビニ、こういうことをされていたというのがあればお聞きしたいんですけど。

植西浩一
コンビニはすごく期間が短かったんです。
その後は介護施設のアルバイトを始めまして、現在ずっとそれを続けているんですけど、約5年目ぐらいになります。

浜田聡
大きな施設ですか?
それとも車で行ったりとか?

植西浩一
そうです。
そんな感じで。

浜田聡
訪問介護?

植西浩一
いえ、施設で入居されている方の介護です。
コロナ禍を経たものですから、今もまだこの5類扱いということで、特に介護施設や病院なんかもそうですが、マスクをしなさいとか、コロナになった場合には気をつけなさいというようなことを言われていますけども、実際には介護施設はコロナの陽性者が出たんですが、病院に行っても薬をもらえないとか、熱が出てないんだったらそのまま様子を見てくださいという感じになって、とても感染症5類に分類されているとは思えないような状態なので、ただ本当に過敏に反応している方が多いので、それがむしろストレスになったり病気というか生活がしにくい状態になっています。

浜田聡
行政側も指示はするけれど、それに対応がなかなかしきれないような感じでもあるけど、一方、国民の間では過敏と言いますかご心配な方もいるという状態です。
なかなか難しい状態、状況ではあります。
適宜こうした方がいいんじゃみたいなご提案がありましたら、適宜お受けしたいとは思います。
政府の方にも、何か伝えたいようなことがありましたら。
農業はいかがですか?

植西浩一
農業の方は、先進的な農業をやってくださっている方と従来の農業をしてくださっている方でかなり差が出ている状態で、先進的な農業をされている方のところには、、会計事務所がしっかりバックアップして、例えば補助金メニューなどを提示しながら、こうやるともう少し面積が増えた時に、その時に使う機械を買いやすくなるとか。
ちなみに先日、ある補助金申請が出てきて、そこで買われるトラクターの値段が7,000万円というとんでもない金額のものがあって、こういうのを使って大型の農業が始まるというか、やはり儲かる農業というのが持続性がきっとあるんだろうと思っています。

浜田聡
私も先日、農業関係の質問を行政監視委員会でしたということもあって、少しだけかじったつもりなんですけれども、最近だとYouTubeでグロービス関係の農業者の動画がたくさん出てくる。
確か宮城県のいちご栽培されている岩佐大輝さんであったり、その他グロービス関係の講演会の話がいろいろと出てきて、そういう方がすごい先進的にされていて、すごい儲かっているなというのがなんとなくわかります。
先ほど紹介されていた会計事務所というのは、そういう方向けのサポートなのかなとは思いました。
JAは関係しているんですか?

植西浩一
JAは場所によっては6時間のサポートとか、やっぱり儲かる農業ということを目指してやっているところもあるようなんですが、やはり従来型の、言葉を選ばずに言うと補助金付けにする農業というものを実際にやってしまっている農業も多いようには聞いています。

浜田聡
JAさんも、以前ABEMAでも番組をやっていたので見たんですけど、少しずつ変わっていっているところもあるとは思いますけど、昔ながらのところもさすがに残ってはいるという感じですか。
お話をお伺いした感じだと、農業を先進的に取り組まれている方もいれば、従来の方もいて、それは別に多くの方が日本の農業を支えていただけたらなと思うんですけど、二極化しているような印象はあります。
でも、先進的な方には、どんどん先を進んでいただきたいなとは思います。

植西浩一
第3極になるのかよくあれなんですが、やっぱりオーガニックっていういわゆる有機農法の農家っていうのも、これも実際に売り先をしっかり捕まえていると言いますか、例えば北海道で作ったものを東京にしっかり出荷するとか、利益を取れるような売り方をしている方はやはり儲かってはいるんですけども、なかなか売り先が見つからないと有機農業をいくら一生懸命やっても、なかなか大変だという話はよく聞きます。

浜田聡
有機農業をすると高くつく印象はあります。

植西浩一
ただ一部の農業者の中で地域循環型というものを作って、例えば鶏を飼っているところに有機で作った野菜のクズを餌としてあげて、その糞を肥料としてもらうという、例えばそういうような循環ができてくると、意外に化学肥料を買うよりも安くなるという循環型も今できつつあるようです。

浜田聡
肥料の代わりになるという感じですか。

植西浩一
そうです。
化学肥料の代わりになるということです。

浜田聡
化学肥料といえば日本での生産は基本なくて、100%輸入という話は聞いているので、これは日本でも作れたらなと素人的には思うんですけど。

植西浩一
そうですね。
町が中心になって肥料とか大肥といわれる畑に漬け込んで肥料になるようなものを作り始めたりとか、そういう地域循環型というのは少しずつ進んでいると思うんですけども、なかなかそれで100%カバーするということにはなかなかならないものですから。
化学肥料への依存度、もしくはコストがそこに割かれるということがすごく多くなっているのは確かです。

浜田聡
今、農業はされている形ですか?

植西浩一
私は今、携わっていないんです。
お話だけいろんな方から聞いて。

浜田聡
でも、議員さんということもあって、どんどん情報は入ってくるような感じですか。
最近公表したNHK党のマニフェストというのを作ったわけで、地方交付税などはご意見いただけたらと思うんですけど。

植西浩一
私の税金の使い方というのは、公平性、公共性、それからもう一つ合理性というものが中心になって、しっかり地方公共団体の中で分配されるべきだと思うんですけども、特に合理性をやらなければならない事業がたくさんあって、例えば水道が合理化されて企業会計化されるという話が、特に大都市や中枢都市などで行われてきているわけです。
水道というのは命につながるものであるのに、この公共性を度外視して企業会計にしていく。
それであれば、例えば観光とかもう少し合理性をしっかり発揮しなければならない使い道に対して、なかなか基準が見当たらなくて、そこにとにかく突っ込めるだけ突っ込むというようなことをしている自治体というのはあるかと思うんです。
安芸高田市なんかも、それでつかめてましたよね。

浜田聡
とにかく地方交付税に関しては、その制度上の欠陥がたくさんあると。
そもそも集めて配るということ自体が非合理的だと思いますし、特に地方交付税の問題なのは、配る時の分配する時、この手続きがブラックボックスであるということ。
さらにどこにどう分配するかということを選ぶのに、すごい労力をかけている話なんです。
そこはすごい問題だなと思います。
あと地方交付税によって、ある意味自立を妨げているようなところがあって、日本全国数多くの市町村があるわけなんですけど、ところによっては、この地方交付税がなければやっていけないみたいなところが多くて、税収より地方交付税の方が遥かに多いみたいな自治体も数少ないですけどありますので、そういうところは問題を国会の方ではしていきたいなとは考えています。

植西浩一
北海道だと除雪と暖房の関係がどうしてもあって、この依存度は北に行けば行くほどというか、雪が多ければ多いほど依存度は非常に高いです。

浜田聡
ある程度は仕方ないと思いつつ、ただ一方で日本の地方は地方でそれなりのポテンシャルもあるわけなので、そこをしっかりと発揮できたら、全然自立はできるとは思うんですけど、いかんせん反発する方がおられるかもしれないですけど、合理的な地方の合併ができたらとは思っています。
やっぱり北海道は大きいので179の市町村があって、179の市町村をなかなか全部言える人って少ないかな。

植西浩一
そういう意味では、よく都市部で水道事業の連携とか統合とかっていうことがあっても、北海道はやはり面積が広すぎて、インフラをいくつかの自治体で共同しましょうっていうことになっても、むしろそういう水道管を敷くだけでも赤字になってしまうものですから、結局はやっぱり自治体でやっていくしかないなっていうのはあります。
それが難しいところはあります。

浜田聡
水道事業は可能性はなんだかんだでありそうな気がするので、複数の自治体が協力してみたいなところがあってもいいのかなと思います。

植西浩一
いろいろ提案は公共政策大学院っていうところ、北大のそういうところで提案があったりとかはしていたんですけども、なかなかそれが現実化しないというか、本当に苦労しています。

浜田聡
水道は上水と下水でまた違ったりしますし、最近はPFIって言って民間と公共をうまくミックスして扱っている事業っていうのもあったりします。
民営化って怖がる人もいるんですけど、あれは過剰に反応しすぎかなと思うんです。
外資が入ってくるとか言われる方いますけど、それ言い出すと食品などもキリがないとは思います。

植西浩一
やっぱりいろんな、例えばインフラ資材をどのように供給してくるとか、どういう風に改善していくとか、改修って言わずに敷き直しですよね。
そういうことを計画していくとか、そういった時にはやはり民間事業者が入った方が柔軟に対応できると思います。


脱ダム宣言して公金チューチューへ

浜田聡
ダムはあったんですか?そういうわけではない?

植西浩一
ダムは隣町にあります。
タメ池とかそういうものはありますけど。
農業用のタメ池とかです。


浜田聡
NHKの集金人の時ってご苦労されたことってあります?

植西浩一
僕は集金人に営業を始めて2ヶ月目くらいの時に、本社というか渋谷区神南の本社から営業部長が来られて、いろいろ研修を受けてたんですが、その中で実は「受信料100%は目指してないんだよ」っていう話をその時されたんですよね。
20年くらい前です。
それは公平性に欠けるんじゃないのかっていうことを言ったんですけども、そんなこと言ったって現実的に無理じゃないのかっていうふうに反論を受けて、それ以上は突っ込みはしなかったんですけども。

浜田聡
最近の我々総務委員会では、私の齊藤議員もNHKの作ってる予算が78%の徴収を前提として作られてるので、その辺りを突っ込んでるわけですが、そういう状態っていうのは昔から変わらないような感じですか?

植西浩一
変わらないですね。

浜田聡
我々としては公平な受信料ということで、3つの提案を国会の方でしてるわけで、1つは皆さんご存知と思いますけどスクランブル放送です。
見てなければ電波を止める。
受信料払えば電波入れて見れるようにする。
これが一番スッキリするかなと思います。
2つ目はテレビ買う時にもう契約をするというように義務付けるということ。
3つ目は受信料払ってない人全員に裁判をするという話。

植西浩一
5万年かかるってことですか?

浜田聡
そうです。
先日国会で齊藤議員がNHKの方に裁判件数を聞いたんです。
非常に少ないということで、受信料払っていない人全員にやるには5万年かかるということ。
受信料を我々が「不払いしろ」というのはそういうところにもあって、不払いしたら確かに裁判になったりするんですけど、裁判は5万年かかるというぐらいにほとんどならないわけです。
宝くじで上位の等が当たるというような確率です。

植西浩一
結局、いろいろ不祥事があって滞納している方に対しても、以前NHK党が問題にされていた「今月からでいいですよ」「今までの分は不問にします」というような形で営業していたのは確かなんです。
ただNHKの方の支持としては、それがチャラになるという話ではないよ、ということを言うんですが、実際現場で視聴者の方に説明しているときに「これどうなんですか」と聞かれたら「これはもう請求されないはずですよ」というようなことを言ってしまっていたと思うんです。

浜田聡
我々としては受信料の不払いを進めているんですけれど、受信料を不払いするときは契約をして不払いを進めています。
いくつか理由があるんですけど、最たるものとして最高裁でそれが判例として決まってしまったと。
放送法64条テレビを設置した者は受信契約をしなければならないということで、それが判例として定着しているというのも一つですし、もう一つは時効が使えるんです。
契約をした場合だと。
5年の時効が使えるので、受信料の将来的な請求される額も裁判上では上限がつくというのもあります。
これ契約せずの不払いだと上限がないので、数十万とか、場合によっては100万単位いったりしちゃいますけど、ということがあります。

植西浩一
なるほど。
これは衛星放送を受信できる場合と、地上放送だけを受信できる場合があったとして、地上波だけで契約している場合であっても、それは受信契約していると見なされるんですか?衛星受信しているにも関わらず、衛星の方は契約していないという状態であっても。

浜田聡
基本的には衛星の場合は、地上と衛星両方セットできます。
NHKとしてはそういうものだと思います。
だから地上は前提みたいな感じです。
地上無しで衛星だけって多分やってないと思う。
衛星放送を追加された意義というのは、地上波だけだと行き渡らない地域もあるだろうということで衛星がされたので、本来的には衛星だけの契約もあり得るとは思うんですけど、それに対応していないというのが私の認識です。

植西浩一
私がやってた時もそんな感じでした。

浜田聡
いずれにせよ、とにかくスクランブル放送を早く導入してほしいなと。

植西浩一
衛星放送はスクランブルやってますから。

浜田聡
ある意味スクランブルみたいな感じです。
衛星の時も地デジもそうなんですけど、画面の左下に出る注意書きみたいなのを、あれをでっかくしてもらえば全然いいんですけど。
でかくしてもらって、ある程度の手続きをしないと番組、映像を見れないことになりますので、参議院の総務委員会で提案したんですけど、なぜか拒否するんです。
とにかくNHKの受信料というのは払うと損ということです。

植西浩一
そうです。
払っている方は損している。
確かですよね。

浜田聡
できれば受信料を払っている人がバカを見ないような仕組み作りにしてほしいんですけど、それはもうスクランブル放送してもらう、それまで粘り強く訴えていくしかないのかなと思っています。
最後におっしゃりたいことってあります?

植西浩一
僕は介護施設で今アルバイトしているんですけども、コロナがどうしても陽性者が出るとパニックになるんです。
今回2月に経験した中では、風邪薬すら出なかったんです。

浜田聡
全国的に風邪薬の供給が足りなくなったというのはありました。

植西浩一
コロナ薬が処方される方というのは、むしろ本人が希望したらというような雰囲気になっていたんです。
他の地域がどうか分かりませんけども、旭川市付近ではそんな状態になっていたんです。
「3割負担だと9,000円かかるけどいる?」と言われて、患者の方に薬を出してもらうかどうかを判断していたという実態があって、こんな状態でまだこのコロナを感染症の5類に分類しているというのは、やはりナンセンスだなという感じがしているので、早くも外していただきたい。

浜田聡
2類扱いから5類扱いも時間がかかりました。
5類に残していること自体も、確かにその意義は問うてもいいような気がします。

というわけで、今回は比布町会議員の植西浩一先生にお話を聞かせていただきました。
どうもありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?