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非核神戸方式

浜田聡
神戸市議会議員の上畠寛弘先生に来ていただきました。
先日、上畠先生から提案いただきました地方公務員の欠格条項に関する再質問主意書を提出させていただきました。
質問主意書をその前に出しておりまして、その答弁を受けて、さらに同じテーマで再質問主意書という形で提出をしました。
こちらに関しては、とりあえず提出したという報告です。
今回は非核神戸方式についてのご提案ということです。

上畠寛弘
非核神戸方式について、神戸市議会で「昭和50年の3月に核兵器の積載艦艇は神戸は入港拒否します」という決議をしたんです。
これは法的効果のない、ただの決議にはなるんですけども、神戸市議会の意思を尊重して神戸市当局、市長当局はこの意思を尊重して神戸港に入港する外国艦艇は、非核証明書という核を持ってませんよという証明書を出すとともに、持っている艦艇に関しては入港させません、といわゆる非核神戸方式を言ってるんです。

問題意識を持ったのが、平成30年の産経新聞のネット記事です。
その記事で阪神大震災の話が載っておりまして、何が起こったかと言いますと、米軍・米国政府から「兵庫県神戸が大変だから救援しましょうか」という打診があったんですが、その米軍の打診は結局叶わなかったんです。
なんでかというと、当時官房副長官を務めていた石原信雄氏のインタビューによると「非核神戸方式がある神戸市が、米艦艇に核を搭載しているかどうかの確認しないといけないということで、神戸市が難色を示しました。だから実現しなかった。政府が拒否したわけではない。」というようなコメントが載ってるんです。
とんでもないことで、皆さんご記憶の通り、米軍が東日本大震災の時は仙台に入って、本当に多くの皆様を助けてくださって、仙台空港とかボコボコになったのをきちんと直してくださったりと、救援物資はじめインフラの整備の支援とかもさまざましていただいたのを記憶に新しいところなんですけども、そういったことが友達作戦であったんですけども、神戸で大変な時に、そのイデオロギーにまみれ法的拘束力もない非核神戸方式というものによって阻止されてた、ということが問題ではないかということで、私も議会で取り上げて、そして改めて、国でこれはどういうふうなものであるかということで、先生にも問いただしていただいて、いかに無効化するか、また再びどんな大災害が起こるかもわからない中、同盟国にはご協力いただくこともあると思い、そういった時にこれが負の遺産として子や孫の世代に残っていること自体が良くないじゃないかということで、今回、質問主意書をまた出していただきたく、まいりました。

浜田聡
法的拘束力がないということではあるんですけれど、ただ議会で決議されているものでもありますので、それなりに軽視することは難しいのかなとは思います。
非核神戸方式をわかりやすく言ってしまうと、日本政府による非核三原則というのがあるんですけれど、それの地方版みたいなところがあるんじゃないかなと思います。
神戸は決議という形ですけれど、高知県だと条例になっていたんです。
地方においても我が国の安全保障を考える上で、いろんな懸念事項があるというのがあるかと思います。
そこはもう政治上の戦いなので、我々としては戦っていくしかないと。
国民の皆様の共感を増やす形で取り組んでいくしかないかなと思います。
私も上畠さんも同じように、議会でとにかく扱って質問するというのは非常に重要なことでありますので、我々の役目かなと思います。

上畠寛弘
質問主意書案の質問を11項、掲載させて頂きます。
簡単に説明させて頂きます。
12月1日、私は神戸市議会の経済港湾委員会の副委員長を務めています。
その場で質疑を神戸市港湾局に致しました。
「法的拘束力は無いですよね」ということを改めて確認しまして「無いです」と。
改めて決議も法的拘束力もなければ、運用もあくまでも存在しているだけで長谷川港湾局長も「これは何もないです」と。
これについて「日米安保条約とか日米地位協定を侵害するようなものでもないですよね」ということも、「私が指摘している通りです」という答弁もありました。
こういうふうな答弁があった中で、神戸市当局は、今までそんなそこまで言わなかった「法的効果もない」「日米同盟を侵害するつもりも全くない」ということを議会の場で、運用する行政当局が開陳したということは大事なところであるかなということです。
国の今までの見解についても「これは無効だ、ということは言われている」、「これについても認識していることは分かった」、というような答弁もあったんです。
これを踏まえて、神戸方式というものが、いかに意味のないものか。
そもそも非核証明書は相手方に出させるので自己申告なんです。
地方公務員法と一緒で自分で「僕は核を持っていません」と言ったらそれで済むという、そんなのは何の意味があるのか、ということです。
邪魔というか手続きが煩雑になって、しかも不快な思いをさせている。

質問させていただく1番目が、日本政府としてこの非核証明書を出させるということ自体、この運用、非核神戸方式に関しての見解はいかがかと。
2番目は、これについて港湾法に基づいて、港湾管理者が神戸市であって、神戸港は港湾法に基づいて運用されているけれども、港湾法によるこの港湾管理者の権限を著しく超えているものではないかと。
神戸市が勝手に、政府が許可した軍艦の入港について、勝手に自治体が入港の可否を判断して拒絶し阻止することは権限として無いのではということ。
3番目がそもそもそれを拒絶し阻止すること自体、違法ではないかと。
違法性について問いています。
4番目は非核神戸方式が何ら法的拘束力を持つだけではなく、そもそも非核証明書の提出がなされなかった場合、当該外国軍艦の神戸港入港を拒絶をすることは、いずれも不可能ではないかと。
現行法上、法制度上、提出義務付けすることも不可能ではないかと。
5番目が、実は神戸港には今までも非核神戸方式が運用されてから外国艦船が入っているんですよ。
最近だと私も交流しましたけど、令和元年にインドネシア海軍の練習艦船が海上自衛隊との交流のために神戸港に入港したんです。
ところがあろうことか、神戸市はインドネシア海軍に対して非核証明書を提出させていたんです。
友好のための交流ですって、そんなことをさせて「ふざけんなよ」って話なんです。
インドネシアは別に核そもそも持ってませんし、保有国ではないです。
そういったことをしているけども、日本政府は事実把握してますか、という確認。
6番がインドネシア海軍以外で色々な外国の艦艇は入ってきているんです。
これに関して、これが原因でトラブルの発生の防止をしないといけないし、相手国に礼を示さないようにあると考えるけど、日本政府はこれまで入港する外国艦艇の属する軍や政府に対して、非核神戸方式の説明をしてきましたかと、いうような見解。
これで「してます」と言ったら、そういう意味のわからないことで手間をかけさせている、ということも発覚します。
7番目が米軍です。
非核神戸方式は米軍をターゲットにしているとアメリカ側は思ってますし、私も米軍関係者から聞いたら、「明らかに反米的な恣意、反米的な決議」と。
米軍のことを名指しで言ってなくても、これはアメリカのことを言ってますよ、ということを言ってますので、非核神戸方式に対して日本政府が把握する、これまで米軍・米国政府に見解を取った行動は何かと。
併せて、これまで日本政府が米国政府に対して非核神戸方式について情報提供したことがあるのかということを聞きます。
8番目が阪神淡路大震災時に、米国政府より救援の打診があったことは事実かということ。
9番目が、先ほど紹介したネット記事の石原信雄氏による「神戸市の条例で神戸港に米艦船を受けることは、核兵器搭載の有無も調べる必要があるから同市が難色を示した。政府は拒否したわけではない。」というコメントがあるけども、日本政府として阪神大震災時に米軍の支援を受け入れることについて、神戸市が難色を示したことは把握していますか、という質疑。
10番目はこれまで日本政府は神戸市に対して、非核神戸方式についての懸念や国会ではこれは法的には意味がない言ってますけど、この表明されている見解を神戸市に対して伝えたことはあるのか。
併せて伝えていた場合、神戸市の反応はどうだったのか。
伝えていなかった場合は、今後、政府として懸念や見解を伝える予定はあるか。
伝えていた場合の伝えた理由、伝えていなかった場合の伝えていなかった理由も明らかにされたい。
11番目が、国会でこういう質問主意書が提出されたことを踏まえて、神戸市にいわゆる非核神戸方式についての改めて懸念や見解をお伝えいただきたいと思うけどもいかがか、こういった11項目です。
かなり網羅させていただきました。

浜田聡
政府答弁はなかなか明確な形では返ってこないかもしれませんが、提出すること自体は非常に重要だと思うので、その方向で年明けの通常国会の冒頭で提出しようと思います。

先週土曜日、あるセミナーに参加をしてきました。
救国シンクタンクさんは倉山満さんを中心に、江崎道朗さん、渡瀬裕哉さんなどが運営されているシンクタンクで、私も大変お世話になっていますし、国会以外でも参考にされている先生方はそれなりにいるんじゃないかなと思います。
そちらが行っているセミナーに参加をしてきました。
江崎道朗先生が講師で、自治体が担う国家安全保障ということで、参加者の方がブログ記事にまとめてくださっていました。

安倍政権で国家安全保障の整備がかなり進んで、国の安全保障というのは日本政府だけじゃなくて、地方自治体こそが特に重要なんだということで、その整備もかなり進んできているというお話でした。
例えば、特定公共施設利用法というのがありまして、多分平成16年ですか。
国の一大事になった時に、例えば地方の空港とかで自衛隊の航空機が離着陸できるようにすべきとか、そういう法律なんです。
国の一大事のとき、地方はしっかりとよろしくお願いします、ということなんですけど、江崎さんの話においては、法整備だけではもう不十分でいざという時に対応できるような訓練というのは非常に重要であるということでした。
例えば今年の11月に、大分県と鹿児島県で実際に空港の方で、自衛隊の戦闘機の離着陸、そういう訓練を行ったということも教えていただきました。
着々とそういうのは大事なんですけれど、一方で順調にいっていないところもあります。
特に地方においては、共産党さんを中心とする市民の反対運動みたいなのはすごく懸念の材料の重要なものの一つであるということも仰っておられました。
そういう地方においても、地方議員の先生方もすごく役割は大きいと、そういうお話をいただきました。
最後に質疑応答の時間があって、先日、上畠先生からいただいた非核神戸方式であったり、高知県での条例について質問をさせていただきました。
江崎さんからの回答としては、これまでそういうことに関しては自民党が放置してきたところがあるんだけど、ただ最近は国会での自民党もそうですし、地方の自民党も少しずつ変わりつつあるというところで、それに対抗することをしてきたと。
ただ、実際には「なし崩し」にやっていくべきではないかなと。
理想としては非核神戸方式を否決しちゃうとか、高知においては条例を廃止するというのが筋としてはそうなんだけど、それを完璧に目指そうとすると進まないので、「なし崩し」にやっていくしかないんじゃないかなと思います。
先ほど紹介した特定公共施設利用法も法律ですので、仮に条例で海外の軍艦が港湾に入るのを禁止するような条例があっても法律が上位もありますので、その辺は「なし崩し」に進めていくことが重要なんじゃないかという、ご提言をいただきました。
すごいタイムリーな話題をいただいて、タイムリーなセミナーがありました。
今後も協力連携して活動させていただければと思います。

上畠寛弘
こうやっていただいた質問主意書、さらにまた議会の場でも取り上げて、特定公共施設の利用に関する法律に関しても引用させていただきたいと思います。
本当に、もぐらたたきのようにたくさんやることはあると思うんですけど、しっかり頑張っていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

浜田聡
特定公共施設利用法、これは略称で正式名称が「武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律」です。
国家安全保障に関して、日本政府は何をやっているのか、自民党は何をやっているのか、と思う方がいるかもしれませんが、皆さんが知らないところでしっかりやっているところはあります。
自民党は最近は支持率は下がってはいますけれど、政府与党を任せられるのは、それに代わる野党が出てくるのかというところについては、やっぱり自民党さんがこういうところをしっかりやっていただいているというところがありますので、野党としては自民党さんの陰での目立たないところもしっかりと注視した上で取り組んでいく必要があるんじゃないかなとは思っています。

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