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イベルメクチンについて(2021年05月25日)

2021年05月25日時点

イベルメクチンについてお話をしようと思います。
このイベルメクチンというのは、もともと寄生虫に対するお薬になります。
動物であったり、人でも寄生虫感染した方に対して使われる薬であって、熱帯病関連の薬としては、他の薬にもたくさんあるんですけれど、その中でもこのイベルメクチンというのはすごく評価が高いとされています。
日本人が開発したということもあって、非常に日本人が誇る業績の一つではないかと思います。

このイベルメクチン、私の動画にも何故コメントが寄せられているのかということなんですけれど、これが新型コロナに対して効くんじゃないかという話が多数あるわけなんです。
そういった話を聞いた方が、イベルメクチンを国会、国の方で承認早く進めてくださいということをコメントでいただくわけなので、現在わかっていることについて私なりにお話をしてみようというところであります。

このイベルメクチンというのは、新型コロナが流行りだして数ヶ月くらいした頃から名前が出てきたぐらいで、この期待が高い状態が長く続いているというのは確かです。
いろんな研究結果があって、多数出ていると思います。
ただ、いろんな研究結果はあるんですけど、玉石混交、エビデンスレベルも、さまざまだと思います。

現時点では、確かに期待が持てるほどの研究も多分あるんでしょうけれど、決定打はないんじゃないかというところだと思います。
ただ、それが効かないというわけではありません。
現在、日本ではイベルメクチン、臨床試験の途中だと承知しています。
具体的には、臨床試験の第二層だと思います。
今回、臨床試験、国内での治験について、少し見てみようと思います。

群馬大学附属病院が作っているサイトで、治験のステップを段階的にわかりやすく紹介されています。

治験の3つのステップとあるんですけれど、まず基礎研究です。
基礎研究がある程度こういうの効果あるんじゃないかという後に、その後、非臨床(動物)とあるんですけど動物実験が行われます。
その後に臨床試験が行われているわけであります。
その臨床試験に、3つありますように、第1層、第2層、第3層とあるわけです。
このイベルメクチン、第2層に今あるんじゃないかと思います。
臨床試験をクリアした後に、承認審査が厚労省の方などで進むことになって、それがクリアして、販売されるということになるんじゃないかと思います。

現在イベルメクチンについては、コロナについては承認は進行中なんですけれど、もちろん規制中の薬なので、国内で手に入れられないわけではありません。
いいのかどうか怪しいところけど、インターネットで輸入して使ったり、そういう話は無きにしも非ずだと思います。
個人的には、もう全く勧められるものではないかと思います。

イベルメクチンが第2層の試験にあるということなんですけれど、それを紹介しているサイトがあります。

医師指導試験、初回公表日が令和2年の9月14日で、最終公表日が(2021年05月25日時点)令和3年の4月1日、もう過ぎています。
研究名称としては、「COVID-19患者に対するイベルメクチンの有効性および安全性を検討するプラセボ対照ランダム化二重盲検(評価者、患者)多施設共同並行群間比較試験」、これがイベルメクチンの臨床検査第2層などではないかと思います。
試験のフェーズというところ、下に小さい字であるんですけど、試験のフェーズ2と書いてありまして、これが臨床試験の第2層にあると思います。

確か、北里大学で240人のコロナ患者を対象にして、ランダマイズド・コントロールド・トライアル、RCTと言って、ランダム化の二重盲検の比較試験が行われているという情報があって、これと合致するんじゃないかなとは思っています。
つまり、何が言いたいかというと、イベルメクチンについては現在、段階を追って薬事承認に向けて進められているところであります。
期待が高いというのはわかるんですけれど、やはりしっかりと正式な手続きを経て、承認されるのを待つべきではないかなと思います。
合わせて、承認を無理やりさせるようなことはあってはならないと思いますし、そういうことは基本的には無いとは思います。
皆さんが期待される気持ちはわかるんですけど、日本ではこういうふうにステップを経て承認されるということを、この機会に知ってもらえたらと思います。

何だかんだで効果がもしかしてあるんじゃないか、はっきりしない状態で使うということは避けたほうがいいと思います。
薬というのは効果だけでなく副作用というのもあります。
あるいは相互作用というものもあったりしますので、安易に使うわけにはいかないと思います。
ちなみにイベルメクチンの相互作用として有名なのは、確かワーファリンという血液をサラサラにするお薬、これと一緒に飲み合わせるとワーファリンの効果が阻害されるので、飲み合わせには気をつけなきゃいけないという話があったと聞いています。

今回はイベルメクチンについて、私の動画の方にコメントが寄せられていますので、それについて現時点で確認をした上で紹介をしてみました。
私もイベルメクチンについては何もしていないわけではありません。
実は国会で質問をしています。
2020年5月8日、参議院の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会で、イベルメクチンに関する質問をしました。
この時点からイベルメクチンについては期待が高いということは知られておりましたので、私もその上で少し質問をしてみました。

質問内容としては、中国の方でイベルメクチンの原料が作られているということだったので、もし仮に承認になった時に、国内での供給を十分確保できるのかといった旨の質問をさせてもらいましたが、当然、承認自体がまだされておりませんので、仮に承認された場合、有効であった場合という断りはつけた上なんけれど、私としてはこういうふうに、国会で質問はさせてもらっているということは、この機会に皆さんにも知ってもらえたらと思います。

今回はイベルメクチンについてお話をさせていただきました。
今後のいろんな研究結果次第だとは思いますが、とにかく期待が高いのは確かです。
日本人が開発に大きく貢献した、ノーベル賞受賞者である大村先生の功績の大きな一つだとは思います。
そういう意味でも期待が高いのはわかりますが、焦って何かするというわけでもないし、先ほども言いましたけど、段階を経て効果をしっかりと確かめた上で、正式な手続きで薬事承認というのはしていくべきですし、それを待つべきではないかと思っています。

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