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わたしという粗悪品


DV、薬物乱用、セックス依存、自傷癖、アルコール依存。

昔とは違って「死にたい」と思うよりも、わたしはわたしを「殺したくなる」事が増えた。

変わりたいという気持ちはある。「わたしがわたしらしく」なんていうのはきっとただの言い訳にしかすぎない。

女に暴力を振るった自分を殺したくなる。粉が散らかるガラステーブル、草まみれのロールピアノ、枕の下のヨレヨレの紙、殺したくなる。セックスした後にうっかり「好き」と言ってしまい、殺したくなる。傷だらけの体を鏡で見て、殺したくなる。酒に酔って横柄になる自分を殺したくなる。記憶がない自分を殺したくなる。

毎日眠る前に思う「明日こそちゃんと」それでも目が覚めた時には何故か開き直ってしまう「明日からでいいや」

決まった時間に起きて決まった時間に眠る。お風呂に入り、掃除をし、洗濯をする。そんな簡単な事がなぜか僕には出来ない。

周りの人達が当たり前に出来ることが僕にとっては、とても難しい事なんだ。

でも、不思議な事にこんな僕の事を商品として買ってくれる人もいる。

僕の何を気に入ってくれるのだろう?すぐセックスできるからかな?それともクズをみて落ちつくのかな?

僕は自分に自信がない。にも関わらず、烏滸がましくも、自分自身をまた商品にしようとしている。

今こうやってこの文章を打っているのはきっと、粗悪品だと前もって説明することによって、言い訳をしているだけなのだろうと気づいた。やっぱり自分を殺したくなる。

たまに自分が誰だかわからなくなることがある。

「あんじゅ」ではなく、一応僕にも本名がある。基本的には誰にも呼ばれる事はない。水商売を始めるまではずっとその名前で生きてきたはずなのだが、もう本名の自分の事は忘れてしまった。

眠っている時に見る夢も「あんじゅ」として見る。もう10年以上も24時間フルタイム「あんじゅ」として生きてきた。

わたしにはわたしがわからない。

人間は、自分の姿だけが見えない。鏡に写るのは、鏡に写ることを意識している表情だし、写真にしても、撮られる事を意識している表情だ。

「あなたはどんな性格ですか?」と聞かれた時に答えるのはきっと、理想や、そう見せたい自分だろうし、自分の事なんて自分ではわからない。いや、自分で自分をどう思うかなんて勝手なのだけど、わたしにとってはわたしが普通だし、どんな性格かと聞かれても「普通です」としか答えられない。

わたしには人の気持ちがわからない。別にこれはサイコパスだとかじゃなくて、結局は人間ってひとりぼっちで、自分以外はみんな他人なんだということにやっと気づいたのです。なんだか僕にはそれがすごく淋しくて、人は嘘をつくし、人がわからなくて、ずっと不貞腐れていたのだと思います。

自分の気持ちは自分にしかわからない。でも僕には僕が見えない。なんだか頭がこんがらがってきた。

きっと、僕は僕の事を少しでも解ってほしくて、淋しくて、こうやって文章を書くのだろう。

もうすぐ僕は自分自身が商品となります。たくさんの人に買ってほしいとは思っていません。今現在が幸せな人には、僕はオススメできません。僕は僕を、前もって粗悪品だと言います。

夏が嫌いで、冬が好きです。黒色と赤色をよく選びます。みどりも好きです。厚底の靴と、破れている洋服が好きです。キンモクセイの匂いと、LUSHの匂いが落ち着きます。Vivienne Westwoodに沢山の思い出が詰まっていて、セブンスターを吸う女性にはドキッとします。嘘を吐かれるのが苦手です。「死にたい」と言われるのが嫌いです。人と定期的に連絡をとることが苦手です。月に3、4回ほど失踪します。ひとりぼっちになりたくなります。「リリーのすべて」という映画が人生のバイブルです。男よりも女が好きです。

なんだかまとまらない文章でしたが、こんな僕でも会いたいと思ってくれたら、会いにきてください。ひとつだけ、

僕には僕の好きな所があります。

僕は、どんな人にも偏見も、穿った見方をしません。人を外見では判断しないし(自分もブスだから)お金を持っているとか、地位や名声だとか、そんな事には靡きません。障害者だって、犯罪者だって構いません。どんな人だって、一人の人間として向き合います。

なので、どんな人でも気軽に会いにきてくださいね。あなた以上に、わたしの方が、ダメ人間ですので安心して会いにきてください。傷を舐めあおう。生きているだけで偉いんだよ。いつか会える日を楽しみに待っていますね。

以上、駄文失礼しました。

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