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自殺

ホストを初めてからの人生で、少なく見積もっても100回以上は「もう死ぬから」と言われてきました。

ホストの皆様ならだいたい経験あると思いますけど、その中でも僕はこの言葉を聞く事が特に多かったと思います。それほどまでに1人1人の女性に無理を強いてきたのでしょうね。

何回経験しても慣れるものではありません。

今でも目に焼き付いています。11階のベランダで亜麻色の髪をなびかせ足をプラプラさせていたあの女、手首血まみれで泣きながらお店に駆け込んできた派手なメイクの女、大量の薬を飲んでぷっくりとした唇から泡を吹きながら痙攣していたあの女。今更になって夢でよくフラッシュバックしています。

「あなたがいなくなったら死ぬ」


当時は「何言ってんの?捨てられたくないなら努力したらいいのに」くらいに思っていました。

でも今ならその言葉の真意がわかります。
脅しでも何でもなく、寂しかったんだね、構って欲しかったんだね。試していたんだね。誰も助けてくれなかったんだね。ひとりぼっちだったんだね。

「本当に死にたい人は勝手に死ぬし、ただの構ってちゃんでしょ」って周りは言うけれど、そんな事はないと今はそう思っている。 その考えは今でも全く変わらない。

「死にたい」を繰り返して、周りから人が居なくなって、本当にひとりぼっちになった時に、誰にも届かない「死にたい」がこだまして、その時に本当に死んでしまうのだと思う。

だいぶ昔の事だけど、あの時駆けつけた事は今でも正解だったかな?何か意味はあったのかな?

僕が行かなかったら、あの時に君は死んでたのかな?

今では僕が「死にたい」と思う事が増えました。
でもそれは今が不幸なのではなく、昔が幸せすぎたのだと思います。父親が自殺しているのでDNA的な事も関係しているのかもしれないですね。

生きていると嫌になる事がたくさんあります。というか楽しかった事があればあるほど楽しくない今の現状が辛いのでしょうね。僕がまさにその典型例。

そんな人は、どうか毎日の中で1つでも楽しい事を探して下さい。1人でも味方してくれる人を探して下さい。

生きる理由を探して下さい。

なんでこんな事を僕が言い出したのかと言うと、今僕自身がすっごく死にたいんですよね。

たまにメディアに出るときには、自信満々の虚像を演じてしまうので想像つかないかも知れないんですけど、僕って俗に言う「メンヘラ」なんですよ。それはホスト始めた頃から日に日に加速していきました。

ホスト始めたての頃は逆に全てが楽しかったです。不細工でチビなのに何故かすぐ売れましたし、僕は学生時代は全然モテるタイプではなかったので1人の人間がこんなに向き合ってくれるんだって、こんなに大切にしてくれるんだって、僕なんかを人生の中心に置いてくれて、僕なんかを最優先にしてくれて、とても幸せでした。

でも、そんな僕の幸せは不幸な人の上で成り立っていました。そして、その不幸にしていた人達は僕の人生の中でも最も幸せにするべき人達でした。


最近、大人になってわかった事があります。自分に関わる全ての人を幸せにする事はできないんだって事です。

世の中には、いや特に歌舞伎町には一定数の敵がいて、自分の大切な人を守るためにも戦わなくちゃいけないって今はそう思います。

思えば僕は逃げてばっかりの人生だったので尚更そう思いました。

「死にたい」というのも今思えばただの逃げでしたね。だって今も僕は生きていますし、僕は生きる目的をみんなから頂いたので、死なないと言うより死ねません。

昔から精神病だとは思っていましたが、こないだ初めて精神科という所に行ってきました。


先生の滑舌が悪いのか、僕の耳が悪いのかわからなかったけれど、何を言ってるのか全く理解できませんでした。ただ、僕の事を肯定してくれている事だけは彼の優しい表情から伝わりました。

そして、鬱病という言葉だけはっきりと言われたのか、不思議ときちんと聞き取れてなぜか涙が止まりませんでした。

何度か薬は飲んだことはあります。キマりたくて、ハイになりたくて、デパスやエリミンやハルシオンをお酒に混ぜて。

でもまさか自分自身に処方される日が来るとは思ってもいませんでした。 後にわかったことですがその先生は病気の後遺症で滑舌が悪かったそうです。

どうやら僕は精神病だそうです。


でも今はだいぶ楽になりました。睡眠薬のおかげでよく眠れますし、そのおかげで気持ちも前向きです。はやくまたみんなに会いたいです。

そして、今死にたいという人達に伝えたい事ができました。

ありきたりな言葉で申し訳ないのですが、生きたいのに生きられなかった人、自殺未遂のつもりが本当に死んでしまった人がこの世にではなく、あの世にたくさんいます。

ですが、自殺する。という行動では周りの人間はきっと改心してくれません。

現に僕の父親は自殺していますが、母親は「私のせいではない」とハッキリそう言っています。そして僕もその他の家族もそれに同意しています。

僕の母親のせいではありません。僕の父親が弱かっただけの事なんです。死んだって誰も褒めてくれません。「死人に口なし」とはまさにその通りですね。

死ぬ事で周りを改心させる事はできなくても、生きることで周りを改心させる事はきっと出来るはずです。

歌舞伎町にいると悲しい事に月に一度くらいは自殺の話を聞きます。

その度に思うのが、なんのためにホストクラブやバーがあるんでしょうか?

これは僕の偏見かも知れませんが、歌舞伎町には病んでる女がたくさんいて、その人達の最後の希望みたいなものがホストクラブなんではないのでしょうか?もちろん「メンヘラ」なんて縁も所縁もない富裕層の方も一部、いるにはいるのですが。

最近自殺多すぎませんか?歌舞伎町。

「メンヘラだから」の一言で片付けるのはもうやめません?1人の人間が自ら命を絶つ行為を周りの人間が止めてあげられる街にしませんか?優しい人が搾取され続けた結果に命を落としてしまう街になんて僕は行きたくないです。

これを見て1人の人間でも救えたらな、と僕は思っています。

どうか一人で死ぬという選択ではなく、周りの人間に頼ってみて下さい。僕はそれで救われました。


そして今このnoteを読めているという事はあなたはまだ、

生きています。

このnoteを最後まで読んでくださったあなたが生きていてくれるだけで、僕はとっても嬉しいし幸せです。

そして今は身近にいなかったとしても、頭の中で思い出して下さい愛してくれた人、助けてくれた人、産んでくれた人、育ててくれた人の事を。そして、たまにでいいので僕の事も思い出してもらえたら幸いです。

長文、駄文失礼しました。

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