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シンガポールの巨大団地、住民(国民)のために働く国会議員

豊かな団地生活

某局の30代ディレクターが、20代の息子と両親との3人家族で暮らす家庭に泊めてもらい、住まいである団地生活の様子をリポートする企画番組を視ての、思うこと。

国民のおよそ80%が基本的に公営団地住まいとのこと。標準家族向けでは100平米ほどの広さで、この家族は880万円で購入したとのこと。
間取りもシンプルでシャワールームは家族用とゲスト用とで2つある。

独身者は35歳以上でなければ住むことができないが、若くても夫婦なら住むことができる。シンガポールの住宅政策は若い夫婦を優遇しているようにも見えた。

翻って我が国政府の異次元の少子化対策、つい先ごろ3人の子供を持つ家庭には、大学授業料を無料などと、あまりにも突飛でお粗末な政策をいい始めたばかり、そもそも子育て支援したからと言って、もっと産みたいとはならない。

出生率を上げるためには、結婚奨励策と住宅支援を優先すべきではないだろうか。

さて、この団地内は中華系、マレー系、インド系など多民族が暮らすが、偏ることなく、全国民の割合と同じ比率で住むことが原則で、コミュニティはうまく機能しているそうだ。

団地内は当然ながら小学校、中学校、高校、大学と全てが揃っている。
また、団地中心部にサッカー場もあり、プロチームの試合が行われたり、スポーツや文化施設も充実している。

言うまでもなくスーパーをはじめ様々な店舗なども整っているため、何不自由なく生活は団地内で全てが完結する。

そしてここからが肝だ。
ここの団地では4つの区画に分け、4人の国会議員がそれぞれの区画の責任者として毎週、低所得者世帯向けに野菜など食糧品を中心に生活用品が無料で配布されている。

配布にはボランティア市民らが協力し、また企業や団地内のスーパーなどからも配布する品々を提供している。

コミュニティでは相互協力と助け合い精神が隅々に行きわたっているように見受けられた。
また、18歳になると2年間の兵役が課せられ愛国精神が養われるようだ。

東京23区ほどの小さな国で、人口は約570万人。モラルも高く、美しく整備された街並みは、罰金大国とも言える厳しい罰則制度によるもの、治安も良く快適な生活ができる様子、豊かな生活環境が窺える。
(旅行や出張などで入国する際、チューインガムの持ち込み禁止、もし吐き捨てると100万円以上の罰金が課せられる。タバコもたとえ1本でも申告しなければならないので要注意)

1965年、マレーシア連邦から脱退、独立を果たした当初、国民が安心して住める国づくりを目指し、インフラ整備が優先された結果、どんどん団地が出来上がったという歴史から、国民の80%が団地に住むという今に至るそうだ。

日本のような自治体が存在しない都市国家で、各省庁及び関係機関が直接行政サービスを行っている。国民一人当たりのGDPは日本を凌ぐとされ、政治的にも安定し見習うべき点は多く、豊かな国という印象だった。


最後までお付き合いありがとうございました。






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