昭和セピア色のこんなハナシep11.「ウォーターシュート」の巻。
楽しい楽しい遠足の思い出
小学生のころ遠足と言えば春と秋で、年に2回行ってたような気もする。
数十年も昔のこと、ほとんどは覚えていないけれども、ウォーターシュートでバッシャーンと水面に突っ込んでいく様はすごく印象深かった。
あれは小学2年生のころだったのか、秋の遠足で向ヶ丘遊園に。
もちろん初めてウォーターシュートという乗り物に乗ることになった。
約30~40度ほどの傾斜の小高い山の頂上付近の乗り場から、10人位は乗ったであろうか、木造船の舳先にお兄さん(船頭)がバランスを保ちながらやや腰を落として、構える。
乗り場からおよそ30メートルほどレール上を滑走して、船は勢いよく下の池に着水、大きな水しぶきを上げる。
着水と同時に舳先で構えていたお兄さん(船頭)は、船よりも前方へジャンプするのだ。子供たちはかたずを飲んで注視する。
着水後、船はゆっくりと水上を進む。空中へ飛び上がったお兄さん(船頭)は再び舳先に着(地)船する。ワ~ッと、子供たちの拍手と歓声が上がる。
子供たちは素直に喜び、皮肉な大人たちは別の楽しみがあったようだ。
乗客は、傾斜を勢いよく滑り降りるスリルと、着水、水しぶき、お兄さん(船頭)のジャンプを楽しむ、
一方、池の周りの観衆はと言えば、お兄さんのジャンプがうまくいくかどうかよりも、失敗して池に落ちることを半分は意地悪な期待をして、それなりに楽しんでいたのだろう。
ちなみに、舳先への着(地)船に失敗することもあったと聞く。人工池の底は泥だから、失敗したら大変だ。泥にずぶずぶと足をとられ、靴は脱げ落ちたり這い上がるのもひと苦労とか、全身泥水だらけで、実に過酷な仕事だ。
このウォーターシュートは昭和27年3月に設置されたとか。向ヶ丘遊園で人気No1の遊具だったそうだ。こんな楽しいアトラクションは現代では見かけなくなってしまった。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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