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英・スナク政権、「中国離れ」を明言。

忖度しない対中政策

リシ・スナク英首相は、初の外交方針演説(2022/11/28)で、「英中関係の“黄金時代”は終わった」と述べた。

保守党の親中外交路線を否定し、中国と距離を置く姿勢に転じた。
表向きは「英国の利益と価値観」に反するという理由だ。

まず手始めに、英国では公共団体の大半で「中国製」監視カメラが使われていることから、早速、昨年11月、政府庁舎などにおける中国製監視カメラの設置を禁じるよう命じている。当然ながら中国企業の反発を招いた。

また、こうも表現している。「英国の敵対勢力」と。それは「長期的な視点を持って対抗する必要がある」との立場を明らかにしたことだ。

つまり英国は、対中関係を気遣いや忖度しない、嫌いなものは嫌い、とハッキリ言い放ったと言えるだろう。中国の顔色ばかりを伺う日本の外交姿勢とは大きな違いだ。

また、先の香港の民主化デモに対する「過激な取り締まり(弾圧)」は、英国と中国との間で大きな亀裂を生じさせた。

コロナ政策について、英国は半年前には水際対策を撤廃していた。ところが、中国がゼロコロナを実質的廃止したことで、昨年12月30日、中国からの渡航者を対象に、各国に先駆けて入国制限措置をとった。

英国は、香港問題、コロナ問題に限らず、中国を取り巻く様々な問題に対し、「情報共有」がない、「透明性」がない、これらを極めて重要と考えている。

スナク首相の狙いは、権威主義、覇権主義の中国に対し、堂々と「英国の敵対勢力」と明言することで、中国の出方を見極め、民主主義陣営から孤立させる狙いがあるものと考えられる。



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