写真映えの裏に犠牲あり
SNSでわんちゃん自慢が当たり前の時代です。可愛いウチの子を沢山の人に見てほしいと思うことは自然のこと。少しでも他の子より可愛く見せたいと思うあまりトリミングの仕上がりに口うるさくなる飼い主さんは少なくないと思います。トリマー側としても、自分のカットが沢山の人に見られるとなると少しでも上手に可愛く仕上げて評判を良くしたいと思うでしょう。
それをあまりにも気にしすぎてトリミングの時間が長くなったり写真を撮るためになかなかテーブルから下ろしてあげなかったり、向きを何度も変えて撮影をするなどを重視していませんか?
トリマーyoutuberさんでよくそれを見かけます。カメラ目線が欲しくてわんちゃんの顔をもってあっちこっち向かせてたり何度も何度も細かい仕上がりにこだわりわんちゃんが疲れてることにお構いなし。
フワフワに仕上げたいがためにもつれだらけの毛を時間をかけてといているyoutuberさんがいました。わんちゃんは首を固定され逃げ場がなくのたうち回っていました。そのトリマーさん曰く「お手入れをしない飼い主さんのせいてわんちゃんがこんな目に遭う」と。理解できません。飼い主さんを悪者にして自分はわんちゃんに拷問のようなことをしているのに平気なのか?そこまでしてとにかく可愛く仕上げて見栄えや、評判を高めたいのでしょうか。
もはやそれはわんちゃんのためにしているとは思えません。人間側の満足のため。人間のエゴです。
私が若い頃、日本のトリマーは腕がいいけど欧米のトリマーは仕上げが雑だと聞いたことがあります。その時は単に日本のトリマーの方が手先が器用でセンスがいいということなんだと思いました。
しかし、わんちゃんにとって本当によいトリマーとは欧米スタイルだと気付きました。
最低限必要なトリミング、いわゆる爪切り、耳掃除、肛門絞り、シャンプー、カットをとにかく手早くしてわんちゃんを早く解放してあげるスタイルです。カットの見栄えを全く無視しているわけではないけれど、日本のような行き過ぎた仕上がりへのこだわりは人間のエゴでしかないということです。何処から見てもまん丸の頭を時間をかけて作ることや、クレイパックをしてパック中に寒さに我慢させるなど、わんちゃんにとってストレス以外なにものでもありません。
ある程度の仕上げを終えたら、その先へのプロセスに移る前にご自分に問いかけてみてください。「これはわんちゃんのため?それとも人間のため?」と。