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第3夜 動物福祉の視点で動物カフェをみてみる

2021年6月12日に開催した第3夜では、都市部を中心に増えている「動物カフェ」の動物福祉について取り上げました。

あなたは動物カフェに行ったことがありますか?

行ったことがある人もない人も、こちらの記事を読んで、少しでも興味を持っていただけたら嬉しく思います。

1.Twitterでアンケートしてみた!

まず、私たちはTwitterのアンケート機能を使って調査をしました。
質問と結果がこちらです。

①動物カフェに行ったことがありますか?

行ったことがある人は55.6%、行ったことがない人が44.4%でした。

②予算はどれぐらいですか?

1000円未満が15%、1000~2000円が55%、2000~3000円が20%、3000円以上が10%でした。

③どんな動物カフェに行きたいですか?

保護・譲渡をしている40%、ふれあいが充実している0%、珍しい動物がいる20%、好きな動物がいる40%でした。

まとめると、行ったことがある人が半数以上、予算は1000~2000円が一番多く、保護・譲渡をしていたり、好きな動物がいるカフェに行きたいという結果になりました。

この調査は、私たちのフォロワーさんの意識が高いことや投票数が少ないことから、このような結果が出たと思われます。

2.豊島区の現状(動物たちの眠れない夜に 調べ)

ここからは、動物カフェについて調べた結果を見ていきましょう。

調べた結果がこちらです。

全部で22店舗(2021年6月時点)ありました。

取り扱っている動物で一番多かったのは、猫でした。次いで犬、そしてハリネズミという結果になりました。そのほかにも、多種多様なエキゾチックアニマルがおり、例えばカワウソやフクロウ、キンカジューといった動物が飼育されていることがわかりました。

また、料金の平均は1500円でした。事前調査の予算と同じくらいという結果になりました。

また、ここで日本国内の動物カフェを研究した論文を紹介しました。この論文では、日本の動物カフェの数の異常な多さと動物種の多さを指摘しています。

さらに、日本は世界有数の外来ペットの所有国であり、爬虫類ペットの最大の消費国であるということも共有しました。

3.考えてみましょう

ここで、ひとつ質問をしました。

「なぜ動物カフェではこんなにさまざまな触れて、動物園では触ることができないのか?」

あなたはどう考えますか?

さきほど取り上げた豊島区の動物カフェの動物種の中には、野生で数を減らしているカワウソや夜行性のフクロウなどが飼育されていました。

そういった視点から、このテーマについて参加者さんと議論していきました。

4.いろんな動物カフェ、メリット・デメリット

次に、動物カフェにはどんな種類があるか、調べてまとめたものをシェアしました。

動物カフェは大きく3つに分けられます。

1つ目はお店に動物がいるタイプです。
このタイプはさらに、犬や猫の譲渡保護活動も兼ねているもの、ふれあい重視のもの、生体の販売もしているものに分けられます。

2つ目は動物をお店に連れていけるタイプです。
飼い犬をカフェに連れてくるドッグカフェが代表的です。

3つ目はお店に動物はいないけれど動物について扱っているタイプがあります。
これは、動物園に併設されていたり、サイエンスカフェのような形態のものがあります。

実際に、具体的なニュースや経験談を交えながらお話していきました。

そして、動物カフェがあることで、どんなメリットとデメリットがあるかについても考えました。

保護・譲渡を行っているカフェ

エキゾチックアニマルのふれあいカフェ

ペットを連れて入れるカフェ

5.どんな動物カフェがいいだろう?

最後に、これからの動物カフェのあり方について考えていきました。

ここでは、動物福祉の視点から動物カフェがどうなっていくのがいいかを議論しました。

6.むすび ~可愛いの裏側を見てほしい~

珍しさや可愛らしさからテレビでもよく取り上げられ、ますます注目度の高まる動物カフェ。
しかし一方で、日本の動物カフェではペット向きでない動物も飼育されており、また、日本は世界最大の動物消費国であるという実態も見えてきました。

なかなか飼えない、珍しくて可愛い動物にふれることのできる貴重な体験の場ではありますが、

その動物がどこから来たのか?
密輸されていないか?
その動物本来の欲求や行動が満たせているか?
衛生面はどうだろう?
ストレスがかかりすぎる環境になっていないか?

など、さまざまな視点で動物カフェを考える必要があるのではないでしょうか。

5.次回の掲載予告

次回は
『第4夜 猿回しの歴史と動物福祉』の内容を掲載します。
どうぞお楽しみに!

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【第3夜で使用した参考文献】

・アライグマにヘビ…上海のアニマルカフェ コロナ禍でも人気https://afpbb.com/articles/-/3339580?cx_amp=all&act=all

・WWFジャパンによる意識調査で明らかに!エキゾチックペットの問題に対して、95%が規制強化が必要と回答一方で、若い世代は飼育意向が強い現状も
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000018383.htm

・急増する[動物ふれあいカフェ]の闇。癒やされるのは人間だけで動物には負担 https://hbol.jp/208440

・「私たちも、猫たちも、助け合いながら」障がい者の就労施設で保護猫カフェ
https://google.co.jp/amp/s/www.okinawatimes.co.jp/articles/amp/745947

・猫カフェ、アメリカに上陸 動物愛護団体と協力し、里親探しもサポートhttps://newsphere.jp/world-report/20141012-1/

・私的カフェ論その3 伊藤眞 2017

・「共謀罪を適用すれば野生動植物の違法な持ち込みは減少するのか」 伊藤修太朗 2020卒業論文

・環境省中央環境審議会動物愛護部会(第42回)配布資料一覧

・久保田康裕(琉球大学理学部 久保田研究室 シンクネイチャー)note「動物カフェと生物多様性の保全」「世界の生物多様性をペットとして消費する日本」

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