推しの眼に、私の眼を重ねたい~ROENTGEN当時のインタまとめ~

タイトル「ROENTGEN」の意味

自分のカラダの中にある風景をカタチにしていったようなアルバムということで、最終的に”レントゲン”っていう言葉にピンときて。ま、ちょっと大胆すぎるかなとも思ったんだけど、それくらいがまあちょうどいいのかなと。自分の内面……いわば”脳内風景”というか、それが映し出されちゃっているわけだから。
(What's in?,2002年4月号より引用)
アルバムのデザインの関係でレントゲンの撮影に行ったんですけど、そのときに”コレだ!”と思って。もともと、内面風景をタイトルにしたいと思ってたから、それと『ROENTGEN』というタイトルがリンクしてたんですよ。ほかのタイトルも考えたけど、結局『ROENTGEN』を超えるものはなかった。
(CDでーた,2002年4月号より引用)
まず自分のレントゲンを撮りに行ったの。ジャケットは頭蓋骨を省略化しあたもの。それで”タイトル?あっ!ROENTGENでいいじゃん!”って。最初から自分の頭蓋骨を表紙にしたかったのね。ガイコツ好きだから。でも人のガイコツ載せても意味ないから、自分のを撮りに行ったの。最初からアタマの中のことをタイトルにしようとは思ってたのね。それでレントゲン撮りに行って”レントゲンだ!”って。タイトルつける時ってピコーンとくるんスよ。ラルクの時もそうだけど、今回も”レントゲンだ!”と思った時にピコーンときたんで。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

当時のラルクとソロの違い

(ラルクは)僕は常に4分の1っていうイメージです。今回ソロに踏み切ったのも、多分その4分の1の部分を1にしたかったからなんですよ。隅々まで自分の好みの内装にした自分だけの部屋が作りたいっていう。バンドだと、いろんな要素が詰まった部屋を構築していかないといけないんだけど、ソロなら自分が好きなアンティークの家具だけで統一できる。もちろん近代的な家具やら何やらで装飾されたバンドの部屋もカッコいいし、新鮮に感じてもらえるけれど、心の中では自分だけの部屋をいつか作りたいっていう欲求がいつもあったんです。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
僕が責任感があるのはバンドの方なんです。むしろ無責任なのがソロで。責任感があるからこそ、バンドでは勝手なことは言えないっていうのがある。ソロのほうが、曖昧なことや思いついたことを言えるんです。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
まあバンドならではの、なんていうんでしょう……やっぱり、俺はバンドの4分の1だと思ってましたから。ま、今でもそうなんですけど。それって、よくもあり悪くもありっていうか。毎回―賭けっていうのも変だけど、どうなるんだろう、みんなでやるとどうなんだろうっていうとこが、まあいいとこでもありなんですけど。そうじゃなくて全く僕だけの、ミニマムでいいから、隅々まで目の行き届いた作品への憧れっちゅうか。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
バンドは4人で納得したものを形にしていく。その形と、自分だけがOKというものとは違いがあると思うんですよ。”みんな、気に入るかな?”って気持ちが入る分。僕、ホラー好きだけど、まぁ今はそうでもないけど、昔はそういう影を出す雰囲気じゃなかった……。そういう、自分だけがOKっていうのだけで何かアイテムを作りたいなぁ~って。そういうのがデカくなったんだと思う。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
ある意味、ラルクは何でもできるバンドで。逆に何でもしなきゃいけないバンドでもあるの、多国籍だから。作曲者も4人いて、いろんな要素を要求されて、さまざまなことをやる。そこで出来ないことは何もないんです。(中略)だけど、それをひとつに”統一”して、コンセプト・アルバム的なことをすることは絶対に出来ない。だから、今回のソロは、そういう意味では”ソロらしいソロ”になったと思う。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
バンドの大変さとの違い
自分一人で煮詰まらなきゃいけないところ。今までだと”ここどうにかならない、kenちゃん”って言えるところもないし。自分でいいかどうかわかんない時とか”これで果たしていいのかな”って。自分が作り上げたものをジャッジする人が自分しかいない。何もかも全て、自分で決めなきゃいけない。センスを全部信用できる人はどこにもいないんですよ。スタジオ・ミュージシャンにしても何にしても、センスっていうのは……ある意味”メンバー”ほど信頼出来る人はどこにもいませんからね。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

HYDEの中の「ROENTGEN」の位置づけ(自分のためのアルバム)

今、少しだけ、どういう人が聴いてくれて、どういう人たちが気に入ってくれるかなとは思いますけど、それよりも終わった後の余韻の方が大きいかな。
(News Maker, 2002年5月号より引用)。 
もっと気軽な、趣味として(笑)。今の時代に、僕の作品として残しておきたかった。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
世界にひとつだけしかないものが欲しいっていう衝動に近いんじゃないかな?俺だけのものを一人で作りたいっていう意識が、常にあるから。(中略)絵を描き始めたのも、自分だけの絵が欲しかったからなんです。だからきっと、そういう意識がなんでも根本にあるんでしょうね。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
結局は僕の自己満足っていうところが大きいんだけど。だから多分、自分がそういうアルバムを作りたいだけであって、聴いてもらうのは後なんですよ。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
理想としては、趣味としてソロをやっていければいいなって。仕事じゃないって感じで。世の中の人が趣味って言ってることに近いもの。仕事じゃない、趣味だからこそ、好きなことができるじゃないですか?そういう気分ですよ。
(SWITCH,2001年10月号より引用)

「ROENTGEN」の制作について

ほんとに何回アレンジしたかわからない。自分で自分にダメ出しして、何回もやりましたから。(中略)もうちょっとラクしないと楽しんで音楽を作れないという気がしました。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
―ある種の絵を描いているような感じですか。大きな壁画とか。
HYDE:どうですかねえ、絵というのは適切かどうかわかりませんが、よく表現するのは“パズル”という。このワンピースはどういう形なんだろうというのを模索していく感じ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
結構そう、ポップじゃないと駄目なのかもしんない、自分の中で。何ていうんだろう、ラインがあって、そうじゃないとなんかあとで後悔しそうな気がするんだよね。だから、そういうのは少し意識してたとこありますね。なんかね、自分の中で何回も何回も煮詰めないと、納得できない。それで、煮詰めていくと、結構ポップになっていく、みたいな。僕にとってはきっと煮詰めるっていう作業はキャッチ―にするというものなのかもしれない。最終的に自分が気に入るのがそうみたいですね。
(H,2002年4月号より引用)
ポップにしなければいけない、みたいなことは全然なかったですけど。自分的には、何年後かに聴いてもいいアルバムっていうのにしたかったんですね。今、このときの感情だけで終わってしまう感じではないアルバムというか。そういうことは考えていて。そうすると、僕の場合はどうもそれが”ポップ”っていうことみたいで。曲の完成度を高めていくと、自然とポップになっていきましたね。
(What's in?,2002年4月号より引用)
今回のアルバムの作り方自体がちょっと映画に似てると思う。最終形を考えながら絵コンテとかキャストとかを決めていくような感じ?それに似てる。
(H,2002年4月号より引用)

「ROENTGEN」のストーリーについて

―日本語の原詩があるんですよね。
「もちろん、それはあります。ただ、漠然としているというか、突き詰めずに幅を広げて書いてトランスレーターの人にわかりやすいように、詩的な書き方というよりストーリーがほんとにわかるように大きく書いているというのに近いです(略)。」

―それは発表する気はないんですか。
「ないですね。どうなんだろう。面白いかもしれないけどね(笑)。でも、僕からすればアルバムがつまらないものになってしまうというか」
(News Maker, 2002年5月号より引用)

「ROENTGEN」のアートワークについて

最初にとりかかったのはシングルのデザインです。レコード会社との契約の前から家でギターを弾いたりしてましたけど、契約が具体的になってからはデザインでしたね。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
この棺桶ケース作るの、凄い時間かかってるから。契約前にこれだけは進めてましたからね。こういうケースが出来るかどうかって。(中略)ラルクの時は”時間がない”って言われることが非常に多くて。”時間がないから出来ません”って。じゃあ、時間がないと言われる前に”まずこれやって”って。これが出来たら出すよって。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
ジャケットの花の意味
「意味はないです。映像的なアイディアです。意味は、ない。」
(CDでーた2002年3月号より引用)
シングルの棺桶型ケースとか、デザインのイメージも、詞を書いているときに同時に思い浮かんだものなんです。シングルには花が、標本みたいにハリツケにされてるイメージ。パッと見はキレイで、よく見ると残酷という。
(What's in?,2002年4月号より引用)
3枚目は百合っていうのはありました。だって、棺桶っていったら百合でしょう!(中略)曲とジャケットは関係ないの(笑)
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
アルバム・ジャケットでは、自分のレントゲン写真を加工したビジュアルをモチーフに使いました。撮影に行きましたよ、病院に。”ジャケ写にするんですけど”って(笑)。ヘアヌードよりすごい?まぁ、そうですけどね。僕としてはハダカよりよっぽどマシですね。
(What's in?,2002年4月号より引用)
基本はね、”自分が欲しいかどうか”ですね。商品として欲しいか、飾りたいか、そういう自分の価値観で決めます。棺桶のジャケットにしても、”こんなのあったらカワイイなぁ”と思いながら作ってるし、CDのポスターとかにしても、”俺が飾るんだったら、これくらいじゃないと飾りたくないなぁ”とか。
(What's in?,2002年1月号より引用)
むやみに、中途半端のものを出すのがすごい嫌で。それは私生活も同じなんですが、中途半端なものを買うのが嫌いなんですよ。本当に欲しいものだけが欲しくて、それ以外のものは、どうでもいい。どうでもよくって、しかも愛がない。それはべつに、壊れようが何をしようが、どうでもいいんです、”また買えばいいじゃん、一番安いやつ”って。でも、本当に欲しいものは、どんなにお金を出しても欲しいし、そういうものだけに囲まれたいですよね。
(What's in?,2002年1月号より引用)

HYDEの脳内で鳴っていた音について

トランペットについて
「何ていうんですか。僕的にジャジーな雰囲気があるんですよ。どうやら僕は、このアルバムでそういう匂いを出したかったみたいで。それに対応したんでしょうね。」
(News Maker, 2002年5月号より引用)
アコーディオンについて
「曲をつくっているときに自然と流れていたんですね。トランペットのようにテーマになったというよりも、この1曲に対して、この楽器が鳴って欲しいという感じで採用しました。」
(News Maker, 2002年5月号より引用)

人に頼って作らない理由

人に頼むにしても、個性って出てしまう。そこが合う人を探すのって難しいんですよね。例えばデザイナーにしても、シロートの人の中で探すのも大変だし、ある程度腕のある人じゃないと完成度が低くなる。といっても上手い人になると個性が入ってくる。それを曲げさせるのも悪いじゃないですか?偉い人にこっちが1から10まで注文して、果たしてその人がやる気になるのかっていう問題もあるし。ってまぁ、そこまでは考えてはないけど、自分でやった方が早いとは思ってましたね。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

普段嫌われたくないから本心を言えない。だからこそ詞には本心が詰まっている

好きみたいですね。そういう、人間の矛盾とかを繰り返すのが。些細な日常に興味がないというか。日常のことでもなんか、そういうことに重ねたいとか。比喩したくなっちゃうんですね。何か別のストーリーを人に見せておきながら、そこに自分の本質を隠したりするみたいで。きっと、あまり正直に書くのは恥ずかしいんでしょうね、人にバレるのが。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
歌詞で断定を避ける理由
恥ずかしいんじゃないの(笑)。バレんのが恥ずかしいんですよね。なんで恥ずかしいんだろう。自分の裸見られてるみたい。微妙だなぁ。(中略)かといって、肝心に無視して、マイ・ワールドで、すごい狭ーい世界観でやりすぎると、これまた伝わんないっちゅうか。自分にも逆に伝わんなくなってきて、人にも全然伝わんないし。自分でもわけわかんなくなっちゃったりして(笑)
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
あんまり具体的に言葉にするのとか好きじゃないので、どうしても漠然というか、感覚的な言葉になることが多くて。感覚的になると、そういう表現になるみたいですね。
(B PASS,2002年5月より引用)
世の中普通に生きてて、思ったことを口に出せる人と出せない人がいるっていうか。僕は出せない人なんですよ。で、特にそれを人に相談するのとか好きな人でもなく。悩みがあっても人と相談して解決するってあんまり好きじゃないっちゅうか。でも日々生活していく中で、想いっていうのはやっぱりどこかに蓄積されてるんですよね。で、歌詞書く時に、その蓄積されているものっていうのはすごい材料なるっていうか。普段思ったり感じたりしていることが、初めて<言葉>っていう形に変わるっていうか。
(B PASS,2002年5月より引用)
他人に嫌われるのが怖い人、かな。(中略)何に対してもどこか怯えていて、だから作り笑いしちゃう。好かれたい気持ちがあるんだろうけど、とにかく嫌われたくないんですね。だから、人付き合いがあんまりよくない。好かれないかわり嫌われもしないだろうって。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
例えば詞を書くんだったら自分のすべてを掘り下げていくし、今まで自分が思ってもいなかったことに、どんどん気づいていくし、自分を発見する場でもあり、自分の本心を訴える場でもある。生活していて、何もかも言いたいことを言っていたら、たぶん、どんな人でも生きていけないと思うんですよ。きっと、ね。そういう意味で、僕はこういう場があって、それを利用しているんだと思います。
(What's in?,2002年1月号より引用)
いじめられて家とか帰ってきたりして、どっかケガしてたりすると、母親が気になって、連絡つけようとするじゃないですか、向こうの母親とかに。そうすると、その子がかわいそうだからとか、言ってたらしいね俺は。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
比喩して比喩して、歌ってるんですよね、ほんとうのことを。(中略)比喩はしてるけど、精神的にはすごいリアルな。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)。

色弱について

俺の目、色弱なんですけど、そうじゃなかったら、っこまで音楽にときめかなかったと思う。色弱って言っても、自分の中では色は見えているんです。ただ、それが人と違うだけで、だから見えているものを生かせるのは、僕の場合、音楽であって。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
音楽の世界では、緑の色が微妙に違うというのは聴き手の判断に委ねることでしょ?緑は緑。その人たちが見てきた緑を想像すればいいわけで。そういう意味では自由度が高くて、理想的ですよ。
(SWITCH,2001年10月号より引用)
色弱のこと言われたのが、結構リアルに今でも憶えてんだけど。「変わった色使うよね」みたいな感じで。(中略)はっきりとはわかんなかった、何が違うのか。自分で、だって普通に見えてるのに違うって言われるのが、意味がよくわかんなかった。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
もう僕はもう色はダメだって思った。もう、すべてに自信がなくなっちゃったの、色に対して。たぶんこう、それ以前に、ああこの色は違うんだ、違うんだっていうのが自分の中でどんどんでっかくなってってて、(高校で)絵のとこ入ったはいいけど、なんか、それが支配しはじめて。だからもう、色には手をつけなくなったね。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
色弱であることがコンプレックスになった?
―そうそうそう。だからもうほんと、色じゃない方向へしか自分を持っていきようがなかった。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)

色弱と音楽

たぶん作品上で言い切るのがあまり好きじゃなくて。そこに余韻とか微妙な感情を抱いてほしいなぁと思ってるんだろうね。言い切らずに本人が決着をつけるっていうのが僕は好きみたいで。第三者がそれを聴いて『この曲は楽しい』『あ、悲しいのかな』っていう、その微妙な感覚を感じさせたい。
(B PASS,2002年5月より引用)
音楽は、自分の中にある風景を感覚で伝えることができる、絵の場合は、それを視覚で表現してゆくわけですけど。音楽のいいところは、僕が思い描く風景と、聴く人の思い描く風景にズレがあってもかまわない。絵と違って、人それぞれの風景を感じてもらうことで、思いを”共有”できる。その曖昧なところが、絵にはない良さなのかもしれない。
(What's in?,2002年4月号より引用)
歌詞の断定を避けて余韻を残す理由
その余韻が好きなんだろうね。『どんなんだろう?』って、なんか余韻があるじゃん。そういう……曖昧な感情にさせるのとか、人に答えを求めるのとか……が、たぶん、なんか求めてるんだろうね、僕が。楽曲に対して、そういう完成形を。未完成な完成形っちゅうか。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)

UNEXPECTEDについて

レントゲンというタイトルからもそうなんでしょうけど、一曲目なんかでは、どこか内部に入って行くというような感覚でアルバムをスタートしたいというか。中に入って行くという感覚はありましたけど。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
徐々に始まって2曲目に繋がっていくという。ある種、呪文的な感じで始まりたいという。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
全体のイントロ的な役割で、気がついたらもう2曲目が始まったみたいな感じ。そういう導入部分、昔からやってみたかったんです。ずっと同じフレーズを繰り返して、それでいてコードが進行して盛り上がったらそのまま終わっちゃう…というカタチは、去年思いついて。これはいいなと思って、実際にやってみたら結構うまくできました。
(What's in?,2002年4月号より引用)
気に入ってる詞?「UNEXPECTED」とか好きですけどね、シンプルで。
(CDでーた,2002年4月号より引用)

WHITE SONGについて

マンドリンについて
何か、楽しいんだけどすごい哀愁があるという。そういう雰囲気があって。全体的にそういうものを表現したいというのがあったんで。すごい会ってましたね。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
「『雪見風呂とでもシャレ込むか!』って群馬県の温泉に行ったんですけど、全然降ってなくて。前情報では降ってるって言ってたのに、ただの田舎風景で。寒いは寒いんだけど…ヤラれたね。雪見風呂をシャレ込みながら曲作ろうと思ってたのに。」
―じゃあ出来ずじまいですか。
「途中までできたんですけど。その曲が”WHITE SONG"。(中略)やっぱ雪降ってなかったから完成できなかった。ははははは(笑)」
(B PASS,2002年5月より引用)
この曲はほんとに、『雪、大好き大好き!』っていう詞書こ♡と思って。
(B PASS,2002年5月より引用)
何回も何回もアレンジして、自分の合格ラインにいくまでに半年以上かかったかな。ある程度形が出来てきてデモテープ作って聴いて、の繰り返し。だから何パターンもあるよ”WHITE SONG"。
(B PASS,2002年5月より引用)
一応ギターは入ってるんだけど、ストリングスと歌だけがずーっと前面に出ている曲ですね。僕、雪が大好きで。2年前、雪を見にいこうと思って、ギター持って山奥に行ったときに出来た。や、半分出来た。そのあと、雪のことを考えながら残りを作りました(笑)。なんか、冬に、白い息吐きながら歌ってる感じかな。
(What's in?,2002年4月号より引用)
これは俺からすれば代表曲みたいな。アルバムをつくる、最初の具体的なアイデアがこの曲だった。アルバムをつくることが現実化したときに、この曲がずっと頭の中で鳴っていたから。でも自分が本当に気に入るまでには時間がかかって。感覚だけはあったんだけど、具体的にメロディーとか、自分が納得いくところがなかなか出せなかった。
(CDでーた,2002年4月号より引用)
冬って僕、あたたかいイメージがすごくあって。冬だからこそあったかいていうのが。精神的なもんだけど。冬って寒いけど、冬だからこそみんな集まって、なんか、あたたかいことをしようとする意思がすごくあったかいっていうか。なんかそういう、普段気づかないような。普段気づかない人はそこで寒い寒いと思っちゃうけど、実はそれが人の生活をあたたかくしてるーっていうようなことを言いたかったの、音楽で。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)

EVERGREENについて

TDとかしてると、たまにテープを止め忘れて、そういうノイズのところまで回ってしまうところがあって。その瞬間に、あ、これ使いたいって、思いました。(中略)特にイングリッシュ・アンサンブルの方は、キレイにというか美しく仕上がっているんで、お茶を濁すようなことがしたいというイタズラ心ですね。この曲で浸っている人を眠りから覚ますみたいな感じ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
曲を作ったときは、3枚目くらいのシングルかなって思ってた。アルバムの中では、かなりキャッチーな役割なのかもしれない。今になって騒くと、ちょっとメルヘンっぽい印象がありますねない。作っている当時はわかんなかったけど。
(What's in?,2002年4月号より引用)
結果『evergreen』が道標っぽい存在になりましたね。小さな声、ギターのアルペジオ……これがスタンダードな曲という。ある意味代表曲。だから、必然的に(それ以降の曲で)ギターのアルペジオが多くなっちゃった。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
―発注したアレンジャーから上がってきた作品の中には、とんでもない形の『evergreen』もあった?
「あったね。あれ?何だろうこの音、と思ったらオープニングでピヨピヨ鳥が鳴いてた」
―うわぁ~、それシビれるなぁ。
「わからんでもないけど、そういう風にとらえちゃダメなんだよって(笑)」
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
詞書いてて、煮詰まってくるといろんな絵をかいたりするんですけど。PVも同じで。そこでトビラが開いた鳥カゴが出てきて。(中略)要はいろんな意味での束縛を表してる。鳥カゴの中というのは。だけどトビラが開いてるというのは、意思さえあればいつでも逃げ出せるってこと。人ってそうだと思うの。勝手に自分で枠を作って、いろんなしがらみから抜け出せないでいる。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
『evergreen』はホントは初夏に出したかったんだけど。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

OASISについて

この曲は、僕の中では“アメリカン"(笑)。全体を考えたとき、そういう雰囲気のものが欲しかった。レッド、ツェッペリンとかドアーズとかを、僕なりにイメージして。あと風景としては、歌詞にも出てくるけど砂漠とかね。あんまり感情的にならない曲で、ここらでちょっとひと休み…みたいな感じも出ればいいなと思った。
(What's in?,2002年4月号より引用)

A DROP OF COLOURについて

ほかの曲はかなりアレンジを重ねたんだけど、これは結構スムーズでしたね。元から頭の中に完成形があったのかな、なんだか作りやすかったですね。あんまり音を入れないってことを、いちばん意識した曲ですね。JAPANなんかの、ヨーロッパ流の日本っぽさの影響があるのかもしれない。作るときも特に考えてなかったし、自分ではわからないだけど。映画「化粧師一kewaishi-」のイメージ・ソングだということも、無意識の意識であったのかな。結果的にそういう”和”の色合いが出た曲になりましたね。
(What's in?,2002年4月号より引用)

SHALLOW SLEEPについて

特に「SHALLOW SLEEP」は、最後にワンピースだったんで。(中略)ここにこういう曲が来るだろう、来たいかなということで作り始めた曲だったんですよ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
(作ったのは)最後何週間の世界で。ほんと一週間ぐらいじゃない?完パケまで。
(B PASS,2002年5月より引用)
全体の中で、この辺りに明るい曲が欲しかったんですよ。次にヘビーな曲がくることはわかってたし。それで、ちょうど次のシングルも作らなさゃいけないときだったんで、これを作り始めたんです。最初のイメージは、もっと淡々とした曲だったんだけど。ついついハデになっちゃった(笑)。最も計算外の曲かもしれない。
(What's in?,2002年4月号より引用)
昔、書いたし詞にすごく似てるんですよ。それは「As if in a dream」という曲で、その詞もすごく好きだった。そのイメージがごっちゃになってるんだと思う。詞を書くときに”あ……あの風景とすごく似てるな”って。なんか、それが離れなくて。
(What's IN?,2002年3月号より引用)
安息について
僕は彼女とかといるときにいちばん重要な部分って、そこなんですよね。その安息がなくなったっていう設定だから、僕にとってはわかりやすい。歌詞って短いからね。細かいことをあれこれ考えるより、女性への思いを自分なりに表現しただけなんです。
(CDでーた,2002年4月号より引用)
みんながねえ……気づかないような部分の優しさとか、そういうすごく曖昧な部分ていうのは常に……気にしてたっていうか、意識してたっつうか。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
アルバムの他の曲は全部で来てて。曲を組み合わせていくうちにあと一曲、アルバムの6曲目に入る曲だけがポカンと空いたの。で、なんか明るい曲がいいなと、次のシングルもそういうものがいいなと思ってたから、12月に入って作ったんです。この曲は凄い早かった。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
アルバムの6曲目っていうことで考えると、もっとおとなしい方がいい。ちょうど、Aメロの雰囲気ぐらいの感じ?あれがずっと続くぐらい。でも作り出したら、最後までいっちゃった(笑)
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

NEW DAYS DAWNについて

機械の音ですか?あれ、誰にも分かって貰えないと思うんですけど、機械の馬が走っている感じなんですよ。オープニングは速度を遅くしてますけど。機械の馬が走ってます。僕的な解釈なんですけど、機械の馬がものすごいスピードで走っていてその中で垣間見た時代というか。思想というか、罪というか。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
普通にディストーション・ギターでやってる曲はたくさんあるから、チェロをディストーションの代わりに使ってみたらどうなるかなという”遊び”です。
(What's in?,2002年4月号より引用)
“デスメタルをオーケストラでやったらどうなるう? "って感じで実験した曲ですね。音、ブ厚いですね。最初はチェロ3本くらいでいいかなと思ってたんだけど、向こうのアレンジャーがノッて、どんどん社大にしてしまい(笑)。デモ段策では、コンピュータでチェロのリフを作りながら "こんな速いフレーズ、弾けるのかなぁ"って思ってたんだけど。さすが、全然大丈夫でしたね。このヘビーな曲の前後に穏やかな曲があって…という終盤4曲の組み合わせは、絶対に変えたくなかった。すごく気に入ってます。
(What's in?,2002年4月号より引用)
今回のアルバムに"NEW DAYS DAWN"という曲が入っているんだけど、(中略)ホラー系のサントラに使われそうな曲。作り出したきっかけがそれだったから。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

ANGEL'S TALEについて

クリスマスに僕が語きたい曲、です。これも「WHITE SONG」同様、雪のイメージなんですけど。どっちの曲も絶対に外せないから、世界がダブらないように気をつけました。自分が好きなものがすごく入ってて、ものすごく素直な感じで歌っていますね。全体のどっかに宗教っぽい曲が欲しいなと思ってたんでそれがこの曲になりました。パイプ・オルガンっぽいコード進行とかも意識しました。
(What's in?,2002年4月号より引用)
書いていきながら思い出したのは、「シザーハンズ」でしたね。(中略)最後のほうで、ジョニー・デップが氷の像を削り出して雪みたいになるとこ…ああいうところを想像しました。
(What's in?,2002年1月号より引用)
もともとのコンセプトが、”僕がクリスマスに聴きたい曲”なんで。他人がどう思おうが、それは関係ないんですよ。第三者的に聞いてもANGEL'S TALEがキャッチ―な曲だとは思わないんですよ。すごく複雑なコード進行だし。微妙な感覚なんですが、暗い曲ともとれるだろうし。
(What's in?,2002年1月号より引用)

THE CAPE OF STORMSについて

『THE CAPE OF STORMS』のソロは最初、ギターソロだったんですけど、合わなくでサックス・ソロにしたんですよ。それも合わなくて結局バイオリンにしたんですよ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
全体トータルで考えたとき、後半にいちばんハデな曲が欲しいなと思ってたんですけど。結局、いちばん壮大な曲が、この場所にはまりましたね。映画音楽とか、映像的な要素も強い。これはもう、9曲目でないとダメな曲ですね。1曲目とかと同じような感じで、最初から曲の位置をイメージして作った曲です。
(What's in?,2002年4月号より引用)

SECRET LETTERSについて

「アンネの日記」をモチーフにしてて、実際、彼女がどういう部屋に住んでたとか、インターネットに写真付きで出てくるんで入り込みやすいんですよ。こういう部屋に住んで一生を終えたのかとか。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
ほとんど英語のままでいくつもりだったんだけど、書き始めたらどんどん日本語になっちゃって。(中略)この曲は作りだしたらウッワ~って広がりだして。結構ね、歌録りの前の日ぐらいまで推敲推敲して。一度日本語にしたら戻れなかった曲。
(B PASS,2002年5月より引用)
作っときは意識ていなかったけどすごく最後にピッタリの曲です。ヨーロッパ・ポップス風の雰国気があるのかな。フランスなのか、イギリスなのか、自分でもよくわかんないんだけど。作り出したらスパニッシュな要素も入ってきたりして、ちょっと無国籍な感じ。ま、ヨーロッパのどっかだろ、みたいな(笑)
(What's in?,2002年4月号より引用)




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