ROENTGEN再現ツアー 現在と20年前を振り返る

忘れないうちに、ROENTGEN大阪の感想メモ…(新曲が素晴らしすぎて初代ROENTGEN曲の記憶が薄れてきている…)とついでに、過去インタビューの発言とともに、20年前と現在を比較していきたい。以下、初代ROENTGENの曲に限って感想を書いています。

UNEXPECTED

部品が組み合わされ、完成した鳥かごからHYDEが出てくるところからUNEXPECTEDがスタート…。「扉が開いているのに、抜け出せない」という20年前に描いたROENTGEN STORIESの続きのようなマニア殺しの演出で『は、はいどさんオタクが突かれると死ぬツボを分かっとる……』ってめちゃくちゃ興奮した。

詞書いてて、煮詰まってくるといろんな絵をかいたりするんですけど。PVも同じで。そこでトビラが開いた鳥カゴが出てきて。(中略)要はいろんな意味での束縛を表してる。鳥カゴの中というのは。だけどトビラが開いてるというのは、意思さえあればいつでも逃げ出せるってこと。人ってそうだと思うの。勝手に自分で枠を作って、いろんなしがらみから抜け出せないでいる。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

曲目の位置づけとしては、ただのイントロではなく、大阪1日目のMCでも「この曲は出会いの曲」と語っていたように、ROENTGENの新しい世界に予期せず(=unexpected)迷い込んでしまっていて、その世界の住人HYDEと出会うような曲目の位置づけだった。そしてこの位置づけは、20年前、この曲のイメージとして語っていたのと何ら変わっていなくてとてもエモかった。

レントゲンというタイトルからもそうなんでしょうけど、一曲目なんかでは、どこか内部に入って行くというような感覚でアルバムをスタートしたいというか。中に入って行くという感覚はありましたけど。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
徐々に始まって2曲目に繋がっていくという。ある種、呪文的な感じで始まりたいという。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
全体のイントロ的な役割で、気がついたらもう2曲目が始まったみたいな感じ。そういう導入部分、昔からやってみたかったんです。ずっと同じフレーズを繰り返して、それでいてコードが進行して盛り上がったらそのまま終わっちゃう…というカタチは、去年思いついて。これはいいなと思って、実際にやってみたら結構うまくできました。
(What's in?,2002年4月号より引用)

あと20年前、一番この曲が気に入っていると語っていて衝撃。unexpected…しか言っていないのに…シクレとか壮大でもっと凝った歌詞あるやんなんでなん…

気に入ってる詞?「UNEXPECTED」とか好きですけどね、シンプルで。
(CDでーた,2002年4月号より引用)

WHITE SONG

夏にWHITE SONG聴くのってどうなんだろう…?と思っていたけど、名曲すぎて聴く季節なんて関係なかった。ストリングスの刻みを聴いた瞬間に冬になった。季節って音楽で操れるんですね、知らんかった。俺らのWHITE SONGはいつだって最強だった。再現ツアーだからマンドリン登場するのかな…と思ったらアコギだったのが心残り…(アコギでしたよね?) 。

今回のツアーでは数少ない希望の曲。希望だけど、どこか哀愁もありつつ、「冬の暖かさ」を教えてくれる大好きな曲。肌で感じているのは夏の暑さのはずなのに、曲を聴いているとその暑さが完全に「冬の暖かさ」に脳内転換してた。自分の脳みそ都合よすぎて好き。

冬って僕、あたたかいイメージがすごくあって。冬だからこそあったかいていうのが。精神的なもんだけど。冬って寒いけど、冬だからこそみんな集まって、なんか、あたたかいことをしようとする意思がすごくあったかいっていうか。なんかそういう、普段気づかないような。普段気づかない人はそこで寒い寒いと思っちゃうけど、実はそれが人の生活をあたたかくしてるーっていうようなことを言いたかったの、音楽で。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)

20年前、ROENTGENの中で一番初めに作られた曲で、一番最初にイメージしていた世界観に近い曲だからこそ、大量のパターンも作ってボツにして…を繰り返して苦労して作られただけあって、いつ聴いても名曲すぎる(いつ聴いても名曲だ…と思ったことは覚えてるけど、そのあとの新曲が良すぎて詳しい記憶は曖昧)。

「『雪見風呂とでもシャレ込むか!』って群馬県の温泉に行ったんですけど、全然降ってなくて。前情報では降ってるって言ってたのに、ただの田舎風景で。寒いは寒いんだけど…ヤラれたね。雪見風呂をシャレ込みながら曲作ろうと思ってたのに。」
―じゃあ出来ずじまいですか。
「途中までできたんですけど。その曲が”WHITE SONG"。(中略)やっぱ雪降ってなかったから完成できなかった。ははははは(笑)」
(B PASS,2002年5月より引用)
この曲はほんとに、『雪、大好き大好き!』っていう詞書こ♡と思って。
(B PASS,2002年5月より引用)
何回も何回もアレンジして、自分の合格ラインにいくまでに半年以上かかったかな。ある程度形が出来てきてデモテープ作って聴いて、の繰り返し。だから何パターンもあるよ”WHITE SONG"。
(B PASS,2002年5月より引用)
一応ギターは入ってるんだけど、ストリングスと歌だけがずーっと前面に出ている曲ですね。僕、雪が大好きで。2年前、雪を見にいこうと思って、ギター持って山奥に行ったときに出来た。や、半分出来た。そのあと、雪のことを考えながら残りを作りました(笑)。なんか、冬に、白い息吐きながら歌ってる感じかな。
(What's in?,2002年4月号より引用)
これは俺からすれば代表曲みたいな。アルバムをつくる、最初の具体的なアイデアがこの曲だった。アルバムをつくることが現実化したときに、この曲がずっと頭の中で鳴っていたから。でも自分が本当に気に入るまでには時間がかかって。感覚だけはあったんだけど、具体的にメロディーとか、自分が納得いくところがなかなか出せなかった。
(CDでーた,2002年4月号より引用)

EVERGREEN

ROENTGENの道しるべであり、HYDEの脳内風景をそのまま曲に投影したように聴こえる代表曲。いつ聴いても抜群の安定感でしかない。好き。

結果『evergreen』が道標っぽい存在になりましたね。小さな声、ギターのアルペジオ……これがスタンダードな曲という。ある意味代表曲。だから、必然的に(それ以降の曲で)ギターのアルペジオが多くなっちゃった。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
―発注したアレンジャーから上がってきた作品の中には、とんでもない形の『evergreen』もあった?
「あったね。あれ?何だろうこの音、と思ったらオープニングでピヨピヨ鳥が鳴いてた」
―うわぁ~、それシビれるなぁ。
「わからんでもないけど、そういう風にとらえちゃダメなんだよって(笑)」
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

ただ何回も、色んなアレンジで聴き続けてきたせいで『最高のエバグリ』がそれぞれオタクの中にきっと形成されてしまっていて。自分の中では、1月30日国フォの配信でのエバグリが最大級に良すぎたというのと、Anti WireでエバグリはHYDEの歌声だけの方が色んな風景を思い浮かべられることに気づいてしまったので、『もっと…もっとシンプルな構成にしてHYDEの歌声を聴かせてくれ…』となった。3曲目でめちゃくちゃシンプルにしてしまうので、流れ的には厳しいのかな…。

だけど、エバグリの世界である初夏に、この曲を聴けたのはすごくうれしかった。

『evergreen』はホントは初夏に出したかったんだけど。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

ついでに全然関係ないけど、エバグリエピソードで一番すきなやつ。イングリッシュverにノイズが入っている理由 ↓

TDとかしてると、たまにテープを止め忘れて、そういうノイズのところまで回ってしまうところがあって。その瞬間に、あ、これ使いたいって、思いました。(中略)特にイングリッシュ・アンサンブルの方は、キレイにというか美しく仕上がっているんで、お茶を濁すようなことがしたいというイタズラ心ですね。この曲で浸っている人を眠りから覚ますみたいな感じ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)

OASIS

これに関しては正直音源のアレンジの方が好き…。OASISは砂漠、乾燥のイメージがあるので、コンサートのアレンジはちょっと湿った感じがしてイメージと違うな…ってなった。オルガンがなんか若干物足りない感するんだよなぁ。あとほぼオルガン+HYDEボーカルになるとこ、大阪1日目はオルガンでかいな…と思ったけど、2日目はバランスよく聞こえたのですが、バランス修正されたのかな?席の問題か?

椅子に肘をついて気怠そうに歌っている姿は、パンフレットで語っていたように「意識が朦朧としながら砂漠を彷徨っていたら悪魔と出会う」イメージにピッタリで最高すぎて、正直自分の意識が朦朧とした。

この曲は、僕の中では“アメリカン"(笑)。全体を考えたとき、そういう雰囲気のものが欲しかった。レッド、ツェッペリンとかドアーズとかを、僕なりにイメージして。あと風景としては、歌詞にも出てくるけど砂漠とかね。あんまり感情的にならない曲で、ここらでちょっとひと休み…みたいな感じも出ればいいなと思った。
(What's in?,2002年4月号より引用)

A DROP OF COLOUR

いつ聴いても名曲(名曲多い)。大阪初日は天井席で聴いてて、正直楽器の音はよく聞こえるけど、肝心なボーカルがモヤっと響きすぎて音粒が聞こえずらかったのだけど、この曲はのびやかで心地よかった。いつ聴いても安定感がある。

そしてこの壮大かつ緊張感のある世界観の中でトランペットのアドリブ(しかも高音)あるのプレッシャーすぎてやべえな…となった。私がトランペット奏者ならきっと泣き出して脱走してる。

ROENTGENよりもジャジー要素がプラスされて、より垢抜けたドロカラだった。パンフレットでも語ってたけど、化粧師の映画にこのジャジーな曲を持っていくゴールデンボーイのセンスの高さやばい。

ほかの曲はかなりアレンジを重ねたんだけど、これは結構スムーズでしたね。元から頭の中に完成形があったのかな、なんだか作りやすかったですね。あんまり音を入れないってことを、いちばん意識した曲ですね。JAPANなんかの、ヨーロッパ流の日本っぽさの影響があるのかもしれない。作るときも特に考えてなかったし、自分ではわからないだけど。映画「化粧師一kewaishi-」のイメージ・ソングだということも、無意識の意識であったのかな。結果的にそういう”和”の色合いが出た曲になりましたね。
(What's in?,2002年4月号より引用)

SHALLOW SLEEP

『夢はモノクロなんだって。でも絶対カラーだよね。』ってぶつぶつグダグダMCしてるはいどちゃんひたすらカワイイだった。カラーだと思ってるくせに『There is no color...』て儚げに歌うはいどちゃん…。

今回のアレンジはピッチが高かったからか、いつもより優しく溶けていくようなシャロスリだった…。歌詞通り彼女に想いを馳せて孤独を感じるというより、想いを馳せて昔を懐かしむような、そんな曲に聞こえました。とてもよかったんだけど、シャロスリが始まるときもまだ『The abyss』を引きずってたから正直よく覚えてない。ごめん。

僕は彼女とかといるときにいちばん重要な部分って、そこ(安息)なんですよね。その安息がなくなったっていう設定だから、僕にとってはわかりやすい。歌詞って短いからね。細かいことをあれこれ考えるより、女性への思いを自分なりに表現しただけなんです。
(CDでーた,2002年4月号より引用)
みんながねえ……気づかないような部分の優しさとか、そういうすごく曖昧な部分ていうのは常に……気にしてたっていうか、意識してたっつうか。
(ROCKIN'ON JAPAN,2002年4月号より引用)
昔、書いたし詞にすごく似てるんですよ。それは「As if in a dream」という曲で、その詞もすごく好きだった。そのイメージがごっちゃになってるんだと思う。詞を書くときに”あ……あの風景とすごく似てるな”って。なんか、それが離れなくて。
(What's IN?,2002年3月号より引用)

にしてもこの曲爆速で作られたのヤバすぎる。

特に「SHALLOW SLEEP」は、最後にワンピースだったんで。(中略)ここにこういう曲が来るだろう、来たいかなということで作り始めた曲だったんですよ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
(作ったのは)最後何週間の世界で。ほんと一週間ぐらいじゃない?完パケまで。
(B PASS,2002年5月より引用)
アルバムの他の曲は全部出来てて。曲を組み合わせていくうちにあと一曲、アルバムの6曲目に入る曲だけがポカンと空いたの。で、なんか明るい曲がいいなと、次のシングルもそういうものがいいなと思ってたから、12月に入って作ったんです。この曲は凄い早かった。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)
全体の中で、この辺りに明るい曲が欲しかったんですよ。次にヘビーな曲がくることはわかってたし。それで、ちょうど次のシングルも作らなさゃいけないときだったんで、これを作り始めたんです。最初のイメージは、もっと淡々とした曲だったんだけど。ついついハデになっちゃった(笑)。最も計算外の曲かもしれない。
(What's in?,2002年4月号より引用)
アルバムの6曲目っていうことで考えると、もっとおとなしい方がいい。ちょうど、Aメロの雰囲気ぐらいの感じ?あれがずっと続くぐらい。でも作り出したら、最後までいっちゃった(笑)
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

NEW DAYS DAWN

これ最高すぎた。The Abyssの余韻からようやく目が覚めた感があった。『最初の機械音、パーカッションで表現したらそうなるんや…素敵…』っていう謎の衝撃は覚えているけど、赤いライティングに照らされて歌う姿が支配的すぎたのと、歌詞がやっぱり難解で、ただひたすら圧倒されてた。そしてそして、念願の初めて生で歌っているとこを聴けた瞬間だった…。音源より深みがあって、何よりめちゃくちゃ歌がうまい。

機械の音ですか?あれ、誰にも分かって貰えないと思うんですけど、機械の馬が走っている感じなんですよ。オープニングは速度を遅くしてますけど。機械の馬が走ってます。僕的な解釈なんですけど、機械の馬がものすごいスピードで走っていてその中で垣間見た時代というか。思想というか、罪というか。
(News Maker, 2002年5月号より引用)

ほんでチェロでメタルやってみたらどうなるんだろう!?っていう革命的で柔軟なアイデアを思い付いた20年前のゴールデンボーイ天才すぎる。まじでありがとう、ゴールデンボーイ…

普通にディストーション・ギターでやってる曲はたくさんあるから、チェロをディストーションの代わりに使ってみたらどうなるかなという”遊び”です。
(What's in?,2002年4月号より引用)
“デスメタルをオーケストラでやったらどうなるう? "って感じで実験した曲ですね。音、ブ厚いですね。最初はチェロ3本くらいでいいかなと思ってたんだけど、向こうのアレンジャーがノッて、どんどん社大にしてしまい(笑)。デモ段策では、コンピュータでチェロのリフを作りながら "こんな速いフレーズ、弾けるのかなぁ"って思ってたんだけど。さすが、全然大丈夫でしたね。このヘビーな曲の前後に穏やかな曲があって…という終盤4曲の組み合わせは、絶対に変えたくなかった。すごく気に入ってます。
(What's in?,2002年4月号より引用)
今回のアルバムに"NEW DAYS DAWN"という曲が入っているんだけど、(中略)ホラー系のサントラに使われそうな曲。作り出したきっかけがそれだったから。
(NEWSMAKER,2002年4月号より引用)

ANGEL'S TALE

あのギターが登場した瞬間『キタ――(゚∀゚)――!!』って誰もが叫んだ気がする。

『なぜ この腕は 羽根じゃない?』の歌い方が相変わらず最高だったし、この歌詞を聴くと、彼女に抱き着かれたエドワードが傷つけないように手を避けるシーンをいつも思い浮かべる…エモい。

あと個人的に、『胸の奥閉じ込めた 遠い日の大切な Angel's tale~』から始まて、『胸の奥閉じ込めた 遠い日の大切な Angel's tale~』で終わるのが、シザーハンズのおばあちゃんの語りで始まって語りで終わる映画と構成が一緒で大好きです。

この曲もWHITE SONGと同様、夏に聴くのってどうなん?って思ってたけど、すでにROENTGENの世界に入り込みすぎて、何の違和感もなかった。すごい。

書いていきながら思い出したのは、「シザーハンズ」でしたね。(中略)最後のほうで、ジョニー・デップが氷の像を削り出して雪みたいになるとこ…ああいうところを想像しました。
(What's in?,2002年1月号より引用)
クリスマスに僕が語きたい曲、です。これも「WHITE SONG」同様、雪のイメージなんですけど。どっちの曲も絶対に外せないから、世界がダブらないように気をつけました。自分が好きなものがすごく入ってて、ものすごく素直な感じで歌っていますね。全体のどっかに宗教っぽい曲が欲しいなと思ってたんでそれがこの曲になりました。パイプ・オルガンっぽいコード進行とかも意識しました。
(What's in?,2002年4月号より引用)
もともとのコンセプトが、”僕がクリスマスに聴きたい曲”なんで。他人がどう思おうが、それは関係ないんですよ。第三者的に聞いてもANGEL'S TALEがキャッチ―な曲だとは思わないんですよ。すごく複雑なコード進行だし。微妙な感覚なんですが、暗い曲ともとれるだろうし。
(What's in?,2002年1月号より引用)

THE CAPE OF STORMS

これも名曲すぎる…。平成のワーグナー。「神を罵った罰で海をさまよっている幽霊船の船長」「愛と自己犠牲による救済」を5分間で完璧に表現しているのすごすぎる。終わりに向かうにつれてオーケストラが派手になっていくのは暗い海の波が荒く、高くなっている感じがするし、声もどんどん切実になっていくのは胸の痛みを加速させている感じがして圧倒されることしかできなかった…。一曲聴くと、映画を見た後みたいな、絶対心の中に何かを遺していく曲でもある。

『THE CAPE OF STORMS』のソロは最初、ギターソロだったんですけど、合わなくでサックス・ソロにしたんですよ。それも合わなくて結局バイオリンにしたんですよ。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
全体トータルで考えたとき、後半にいちばんハデな曲が欲しいなと思ってたんですけど。結局、いちばん壮大な曲が、この場所にはまりましたね。映画音楽とか、映像的な要素も強い。これはもう、9曲目でないとダメな曲ですね。1曲目とかと同じような感じで、最初から曲の位置をイメージして作った曲です。
(What's in?,2002年4月号より引用)

SECRET LETTERS

昔、家に伝記がいっぱいあって、アンネ・フランクの伝記は小学校低学年の時に衝撃を受けて何十回と読んで、何十回と泣いたなあ…と思い出した。これを聴くと「今日は列車に揺られ 去り行く時を見ていた」という歌詞から、胸にバッジをつけたアンネがとうとうアウシュビッツへ連れていかれるまでの、ユダヤ人をのせた列車をいつも思い浮かべてしまって、胸がキュッとなる…歌詞の完成度が高すぎるんや…

「アンネの日記」をモチーフにしてて、実際、彼女がどういう部屋に住んでたとか、インターネットに写真付きで出てくるんで入り込みやすいんですよ。こういう部屋に住んで一生を終えたのかとか。
(News Maker, 2002年5月号より引用)
ほとんど英語のままでいくつもりだったんだけど、書き始めたらどんどん日本語になっちゃって。(中略)この曲は作りだしたらウッワ~って広がりだして。結構ね、歌録りの前の日ぐらいまで推敲推敲して。一度日本語にしたら戻れなかった曲。
(B PASS,2002年5月より引用)

HYDEが天を仰いで歌っている姿は、完全に列車に乗ったアンネが、自由が存在していたころの、かつてのはなやぐ街並みや、まぶしい広場へと想いを馳せている姿と重なって、『過去の過ちは繰り返してはならぬ…』というクソデカ感情が生まれて困った。最後にふさわしい、ラストしか似合わない曲だった。

作っときは意識ていなかったけどすごく最後にピッタリの曲です。ヨーロッパ・ポップス風の雰国気があるのかな。フランスなのか、イギリスなのか、自分でもよくわかんないんだけど。作り出したらスパニッシュな要素も入ってきたりして、ちょっと無国籍な感じ。ま、ヨーロッパのどっかだろ、みたいな(笑)
(What's in?,2002年4月号より引用)



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