酒寄さんのぼる塾生活

みなさんこんにちは。ぼる塾の酒寄です。

今回は本の発売を記念してお話したいと思います。このページは書店さんに置いてもらっている『酒寄さんのぼる塾生活』のポスターやPOPについているQRコードからも飛べるようになっているそうです!すごいですね!とても未来を感じています。逆に、普段から私のnoteを読んでくださってる方は、このページを読んでから書店さんでQRコードを見つけてまたこのページを読むという楽しみ方もできますね。変な事を言ってすみません。

今回は『酒寄さんのぼる塾生活』に少しでも多くの人が興味を持ってくれるような話ができたらと思います!

ぼる塾はあんりちゃん、はるちゃん、田辺さん、私(酒寄さん)の四人組で、お笑いグループとしては大所帯です。私は面白かったことや楽しかったことがあると、そんなぼる塾の日常を書いて思い出に残しています。『酒寄さんのぼる塾生活』は、そんなぼる塾の日常を集めた本です。

私たちの普段はこんな感じです。これはライブ前の空き時間のことです。

あんりちゃん「酒寄さん、ちょっと聞いてくださいよ!」

最近、あんりちゃんは田辺さんと一緒にうどん屋さんのつるとんたんに行ったそうです。あんりちゃんがサイドメニューを頼みすぎて、「私の量、二人前くらいありますね」と言ったところ、田辺さんが「本当だ!こりゃぁ二人前あるよ!」と大笑いしたので、あんりちゃんは「田辺さんなんて麺の量増やしてトッピングして、三人前くらいありますね!」と笑顔で返したところ、

田辺さん「人のうどんの量を勝手に増やすんじゃないよっ!!」

と、さっきまで笑っていたのに突然ブチギレて怖かったそうです。そんな私たちの近くでは田辺さんがはるちゃんに『最近、私と葉加瀬太郎さんには共通点があることがわかったの』と、謎の発表会を始めていました。これがぼる塾の日常です。

そんな私たちの日常の中でもとくに面白かった話を集めた一冊になっているので、自分で言うのも何ですが大変愉快です。私はさくらももこさんの大ファンなので、さくらももこさんのエッセイのように声に出して笑ってもらえるものを目指しました。到達していたら嬉しいです。

また、『酒寄さんのぼる塾生活』の中に、『育休中に相方がめちゃくちゃ売れた』という話が収録されているのですが、これは私の中で少し普段と違う位置にある話です。あんりちゃん、はるちゃん、田辺さん編と同じタイトルで3つのお話があります。noteでは田辺さん編を書かせていただきました。あんりちゃん、はるちゃん編はこの本だけの書き下ろしです。

「ドラえもんのジャイアンはいじめっ子だけど、映画版だと性格が良い」というのはあるあるだと思うのですが、そんな風にテレビのぼる塾とはまた違った一面が見られる内容になっています。あ、念のため言っておきますが、テレビのぼる塾は別にいじめっ子ではありません。

私は人間として本当に未熟で、以前のコンビのときも田辺さんには沢山迷惑をかけました(ぼる塾はあんりちゃんとはるちゃんのコンビ「しんぼる」と田辺さんと私のコンビ「猫塾」が合体して出来たカルテットです)

自分に対する自信の無さから上手く周りと接することができず、人と会う時はいつも家を出る前にシミュレーションしてから挑むのですがそれでもうまくいかず、楽屋でもずっとひとりで壁を見ているような人間でした。みんなと仲良くなりたいと思う気持ちはあるものの、人と距離を置き、人の優しさに対応できず、暗い性格でした。

昔、同期の子と田辺さんと私で一緒にいるときに、通りかかった先輩から「三人は仲が良いの?」と聞かれたときも、その同期の子は人気者だったので私が仲が良いなんて言ったら悪いかもしれないと変な深読みをし、

私「〇〇くんと田辺さんは仲が良いですが、私は仲良くないです」

と、言い、後で田辺さんから「何であんな悲しいことを言ったの?」と指摘されたときに初めて自分の失言に気づくような体たらくでした。田辺さんはそんな私を相方として、ずっと隣にいてくれました。後輩のあんりちゃんやはるちゃんからしたらとても扱いにくい先輩だったと思います。

ネタばれになってしまうので、『育休中に相方がめちゃくちゃ売れた』書籍版の内容についてここではあまり触れないようにしますが、本当に三人に救われました。

息子を出産し、実際に子育てが始まると想像以上に大変なことがすぐにわかりました。子育て=命を守る。出産当時、息子は小さく生まれてしまった為、私の出産した病院ではなく、別の病院に行ったほうが良いと判断され、すぐに私達は離れ離れになりました。

息子の頑張りにより離れ離れの期間は予定よりも短く済んだのですが、そのときのことから私は息子に何かあるとすぐに「私のせいだ」と思うようになってしまいました。

そんなときに田辺さんはぼる塾として人気が出て忙しいときにも関わらず、田辺さんの友達のお子さんがいる方たちに片っ端から連絡をしてくれ、

田辺さん「友達に聞いたら子どもの頃はそういうことがあるみたいだよ。あんたのせいじゃない。大丈夫大丈夫。でも心配なのはわかるよ。みたらしちゃん(息子のあだ名)についていてあげてね」

と、本当にずっとずっと支えてくれました。

あんりちゃんとはるちゃんもそれぞれのやりかたで、この扱いにくい新しい相方に寄り添ってくれました。こんな私に、「ずっと仲良くなりたかったんです」と言ってくれたあんりちゃん。「酒寄さん、こういうの好き?」って、私を知ろうとしてくれたはるちゃん。

私は自分の嫌な部分について、変わりたいけどこれが私だからもう変われないと開き直っている部分がありました。しかし、三人と関っていくうちに初めて心から変わりたいと思いました。三人は今までの私のままだとしても、仲良くしてくれます。でもそれではいけない、私は、変わりたい。私が、変わりたい。素直になりたい。あんりちゃんやはるちゃんや田辺さんともっと仲良くなっていっぱい一緒に笑いたいから変わりたいと思いました。恥ずかしいですが、大の大人が額を床につけて「変わりたい変わりたい変わりたい」とうずくまって泣きました。

「変わりたいじゃ駄目、私は変わる、」そう決意しました。

『酒寄さんのぼる塾生活』には私がぼる塾でいたい理由が書かれています。この本を作るにあたり、改めて自分の書いた文章を読み直して、ずっと疑問に思っていたことを田辺さんに聞いてみました。

田辺さんに「何でこんな私に優しくしてくれるの?」

と、聞いたところ、田辺さんは

田辺さん「私はもとが親切な性格だから」

と言っていました。因みに田辺さんと葉加瀬太郎さんの共通点は『足が長い』だそうです。

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