にゃんこスター大根を漬物にさせないぞ
「にゃんこスターって干された芸人だよね?」
この前、ボートレース宮島のYouTube生配信に出たときチャット欄にそんなコメントが2,3個並んでいるのが目に入りました。
ワッ………!!!!!
その言葉はテレビに出始め、次第にオファーが減りテレビへの露出が減ってきた頃、よく目にしていた嫌いな言葉でした。
でも、なんだか…
あれから7年が経ち、そのコメントに「お、久しぶりだな…」と心乱されていない自分がいたのです。
「バトル鉛筆」
今、バトル鉛筆と聞いて心揺れましたか?
あ、久しぶりに聞いたな…それくらいの感情だったのではと思います。
それだったのです。
でも、そういう言葉って明らかに悪意があります。
そして、私は落ち込みやすいのです。
それなのに、なぜか目にしても落ち込むことのなくなった未来にいる自分が不思議でした。
今回、たまたまnoteで「想像していなかった未来」というタグを発見しました。
新ネタライブも終わりたての時間に余裕がある今、ちょっと書きながら考えてみようかなと思います。
なんかたまに…
「誰々が干された!!!」
みたいな過激に飾られたニュースを見かけますよね。
みなさんはあのとき、どんな絵が浮かびますか?
私はいつもその文字の後ろに、ベランダで布団を干している様子や、海辺で天日干しされている大根が思い浮かびます。
「干す」と聞いたら…
やっぱりそのイメージですよね。
外に干しているのですごい天気が良いです。
だからいつも悪いことのように「干される」という言葉が使われると「天気めっちゃ良いけど本当にこのイメージで合ってますか?」と聞きたくなります。
干すと悪いことがあんまり結びつかないというか…
だって、布団だったら…
干したらふわふわで最高になってしまうし…
じゃあ布団は絶対に違うとして大根なのかな…?
大根を干した後のカピカピ状態を指してるのかな…?
大根がタレントで、業界が太陽で、まぶしく照らされてカピカピになった状態が干されたということなんでしょうか。
だとしたら、ちょっと可愛い…。
大根に例えていたなんて。
干したからには後で漬物にするんでしょうか。
なんか嫌な言葉だった「干される」も、野菜に例えて言ってくれていたのだと思うと一気にファンシーになりますね。
ちょっと、一応、分からなかったので検索しました。
「実用日本語表現辞典」によると、干されるとは「職場において仕事が回してもらえないさま。」だそうです。
うーん。
それ「干す」なのかな…?
私はあんまり職場や仕事に対して「水分」とか「潤い」のイメージがなかったので、どうして干すを使うようになったのか結局は要領を得ませんでした。
仕事が濡れタオルってこと…?
そんなことは良いのです。
「干された芸人じゃん!」と言われても傷付かなくなった話です。
7年前はそんな言葉や批判をよく浴びていました。
正確に言って、シャワーより浴びていました。
最初の頃は、悪意にちゃんと傷付いていました。
というのも、私って割と反省を的確にしてしまうのです。
だから自分でも自分のダメなところが分かるし、批判されても「言ってること分かるよ…」と納得してしまうし、さらに「そういうところあるよね…」と自分のダメさを他人に知られた上に念押しされるようで深く落ち込んでしまっていたのです。
今から5年前の25才くらいの時は、仕事も減ってきている現実に、知らない人からの心無い言葉が刺さって、正しく思えて、立ち直るってどうするんだっけ…?と谷の底に住民票を移したように落ち込んだこともありました。
でも、そんなとき…
奇跡的な角度で谷底に太陽の光が差し込んだのです。
「ボールペンの先端にあるボールの上って、玉乗りできるのかな…」
ふと、そんな疑問がよぎったのです。
ハッ………!!!!!
それでお話を書いてみよう!!!!!
そう思うと、なんだかドキドキしてきました。
気づけば、落ち込みスポットだった布団の上にパソコンを持ち込んでいました。
そのときに書いた文章が残っていたので、マグロで言うところの中トロ部分を切り抜いてみました。
なんでもない文章ですが、私はこの設定や、この世界を作れた自分のことが好きだなと思いました。
久しぶり心が満たされていました。
そして、私は気付いたのです。
「私って、ダメじゃないじゃん…!」
ダメじゃなかったのです。
私は、私が素敵だと思えるものが作れたときに喜びを感じるのだと気付きました。全くお金がかからない喜びの作り方にラッキーだとも思いました。
他人より自分のことを信じようと思った瞬間でした。
谷底からのロッククライミングが始まります。
それからは、不安になる時間があったらネタを考えるようになりました。
ネタは本当に財産で、ただ落ちこんでいたら何も生まれなかった時間も、一歩前に進ませてくれます。
そうして頑張ってきて…
今、にゃんこスターには80本のネタが出来ました。
あれから新ネタを月に3本卸すライブを始めたのです。今年初めて単独ライブも開催しましたが200名近いお客さんが来てくれました。
それから、数年前まではずっとなわとびのネタでしかテレビに呼ばれないことが悔しかったんですが、今では新しいネタでもテレビに呼んでもらえるようになりました。
だから、恐ろしいですよね。
あのとき批判を真に受けて、自分はダメだ…と落ち込んでいたら今ここには悲観的でネタ0本のカピカピの大根がいたわけですから…。
前に落ち込んだとき「計測してみるか…」とiPhoneのタイマーで、落ち込んでから立ち上がるまでを測ってみたら4日かかっていました。
そう。めっちゃ勿体無いのです。
落ち込むことが必要な内容やタイミングはあるでしょうが、他人からの悪意に対してはやっぱり必要なかったと今改めて思います。
この言葉の横に拇印を添えたいほどそう思います。
そういえば「干される」について言えば、他にもテレビの現実的な面を知ったのもあります。
私はこれまで運に恵まれて色んな番組に出させてもらいましたが、テレビの内側を知ってみると、マジでみんな一生懸命がんばってる!という素敵な事実に気付きます。
テレビを作っているプロデューサーだったりディレクターだったり…みんな番組を面白くしよう!という意図で朝から晩まで本当に本当に目まぐるしく動いていて、誰かを嫌うことに労力を使っていなかったのです。
でも、得体が知れない若い頃はそうやって干されるだのどうのと言われると「テレビ業界のドン」みたいな、なんかやらしいスーツを着た銀髪角刈りの男がいて、その男が「こいつは売ろう!こいつは干そう!」と決めている絵が浮かんで怯えていました。
銀髪で角刈りの男など、いるわけないのです。
考えてみれば分かることです。
銀髪で角刈りの男なんて、いるわけがないのです。
だからSNSなどで寄せられるそういった言葉は、駆け出しの不安なタレントに対して、全てを知っているかのような口ぶりで脅していただけだったのです。
冒頭の、私がこんな話を思い出すきっかけになったボートレース宮島のチャット欄には、実は、他にもこんなコメントが届いていました。
「いつも埼玉の番組みてるよ!」
そうなのです。
私は2年前にテレビ埼玉の番組「いまドキッ!埼玉」という番組で初めてのレギュラーをいただき、埼玉の素敵なところをみんなに知ってもらうべく勤しんでいるのです。
「保護猫の番組みてるよ!」
そうなのです。
保護猫の菊次郎と暮らしていたところに「嗚呼!!みんなの動物園」という番組から「まだ人馴れしていない猫ちゃんと一緒に暮らしてくれませんか?」とオファーをいただいて、1匹の猫ちゃんを人慣れさせ新しい家庭のもとに届けたのです。
「写真集売れてるらしいね!」
そうなのです。
今年30才になったタイミングで写真集を出しませんか?とお声がけいただいて「売れなくても知らないぞ…」と思いながら出したところ、1万4千部も売れたのです。
あのとき、ロッククライミングして良かったです。
それで言うと、このnoteも大きな一歩です。
にゃんこスターとして世に出させてもらってから色んな仕事をさせていただいたんですが、その中でも楽しかったのが文字を書く仕事です。
それがまたやりたくて、文字が書けることをアピールすべく2022年の2月から毎週日曜にnoteを更新しているのです。なのでオファーよろしくお願いします。そんな高くないよ。よろしくお願いします。
自分はテレビに出る仕事をしていて、だから成功だけじゃなく失敗も含めて知っている人も多くて、でも、そんなやつが諦めず今も頑張っていることが誰かの一歩に繋がったら良いなあと思ったりします。
なんかこれ偽善者みたいな言葉で書くのに抵抗あったんですが3000字書いてるので流れで行けました。
今回は「想像していなかった未来」というテーマでしたが、本当はもっとでっかいことを成す未来も想像しているので、結果で見せられる日が来るよう今度はそこに向かいます。
そんな感じで今日は終わりです!
告知!
12月も新ネタライブやりますよ!
▽ねこにゃんにょぼ凛
2024/12/24(火)下北沢シアターミネルヴァ
開演19:30 前売2000円
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ぎょねこ×にゃんこスター×にょぼりげ×凛凛パーカーが新ネタを2本ずつやるライブです!
信じられないクリスマスイブにしましょう!
そして今日は11月最後の日曜日なので月1生配信のRadiotalkが23時からあります!
では、ここまで読んでくれた方に感謝の気持ちを込めて私からお礼のひとりごとです。
ソファって「ファ」で終わるあの抜け感が人気を後押ししてると思います。
よい一週間を。